ファクタリングとでんさいの違いは?メリット、デメリット、それぞれの仕組み
更新日:2025年03月13日

売掛金による代金のやり取りをするのであれば、ファクタリングとでんさいの違いが気になる方もいるのではないでしょうか。この記事では、ファクタリングとでんさいの違いとそれぞれの仕組みを解説します。また、ファクタリングとでんさいのメリットデメリットや向いているケースを紹介します。
目次
ファクタリングとでんさい(電子記録債権)の5つの違い
ファクタリングとでんさいは、どちらも売掛債権にかかわるサービスです。そのため、違いがわからないと感じる方もいるでしょう。
それぞれのサービス概要は、以下のとおりです。
- ファクタリング:保有する売掛債権をファクタリング会社に売却し現金化する
- でんさい:手形や売掛債権を電子化し、オンライン上で取引する
ここではまず、ファクタリングとでんさいの違いを5つ確認します。
1.ネットワーク
違いの1つ目は、ネットワークです。ファクタリングとでんさいの取引におけるネットワークは、以下のとおりです。
- ファクタリング:売掛債権を保有する会社とファクタリング会社で契約を結ぶ
- でんさい:一般社団法人全国銀行協会の100%子会社である全銀電子債権ネットワーク(通称:でんさいネット)が記録機関になり、取引を一括管理する
2社間ファクタリングは、売掛債権を保有する会社とファクタリング会社の間で契約を結びます。3社間ファクタリングの場合は、加えて売掛先とも契約します。ファクタリングを利用するには、都度契約を結ばなければなりません。
でんさいは、でんさいネットが取引をまとめて管理します。そのため、一度でんさいネットに登録すれば、手続きなしでサービスを利用できます。
2.手数料
違いの2つ目は、手数料です。それぞれの手数料を、以下で確認しましょう。
- 2社間ファクタリング:10~30%程度
- 3社間ファクタリング:1.0~9.0%程度
- でんさい:1.5~5.5%程度
このように、ファクタリングと比較すると、でんさいのほうが手数料が安い傾向にあるといえます。ただし、実際の手数料は取引によって異なるため、どちらのほうがコストがかかるかは一概にはいえません。
3.審査するポイント
違いの3つ目は、審査するポイントです。でんさいもファクタリングも、利用にあたって審査が実施されます。
それぞれの審査ポイントは、以下のとおりです。
- でんさい:利用者の財務状況や信用情報
- ファクタリング:売掛先の財務状況や信用力
でんさいの利用にあたっては、利用者の財務状況や信用情報が審査されます。そのため、自社の経営や財務状況が悪い場合は、審査に通らないケースもあります。
一方、ファクタリングで審査されるのは売掛先の財務状況や信用力です。仮に自社の財務状況が悪くても、売掛先の経営が健全であればサービスの利用が可能です。
4.償還請求権の有無
違いの4つ目は、償還請求権の有無です。償還請求権とは、金銭債権が支払われないときに、元の債権者にさかのぼって費用を全額請求できる権利のことです。
でんさいを利用し売掛金のやり取りをするだけの場合は、償還請求権は問題にはなりません。一方、「でんさい割引」を利用した際は、償還請求権の有無がポイントとなります。
でんさい割引とは、手形割引やファクタリングと似た仕組みで、でんさいを期日よりも早く資金化するサービスです。でんさい割引とファクタリングにおける償還請求権の違いを、以下で確認しましょう。
- でんさい割引:償還請求権あり。売掛先が倒産して支払い不能になったときは、先に受け取った資金を戻す必要がある
- ファクタリング:償還請求権なし。売掛先が倒産して支払い不能になっても、受け取った資金を返金する必要がない
でんさい割引は償還請求権があるため、売掛先が支払不能になったときには利用者が弁済しなければなりません。償還請求権がないファクタリングは、債権を譲渡した時点で未回収のリスクがファクタリング会社に移るため、売掛先の倒産などによる貸し倒れリスクを抑えられます。
5.取引先への通知の有無
違いの5つ目は、取引先への通知の有無です。でんさいとファクタリングのサービス利用通知の詳細は、以下のとおりです。
- でんさい:すべての取引は、でんさいネット上に電子記録として残る。でんさい割引を利用したときは、売掛先が確認することも可能
- 2社間ファクタリング:売掛先にはファクタリングの事実は知られない
- 3社間ファクタリング:売掛先にもファクタリングの利用を了承してもらう必要がある
でんさいは、すべての取引が電子記録に残るため、でんさい割引の利用を売掛先が知ることができます。
2社間ファクタリングは、ファクタリング会社と債権を保有する会社で契約をします。そのため、ファクタリング利用の事実を売掛先には知られません。3社間ファクタリングは、ファクタリング会社と債権を保有する会社、売掛先の3社間で契約をすることから、ファクタリングの利用を売掛先に知られます。
ファクタリングの仕組み
ファクタリングは、もともとヨーロッパで多く使われていた金融サービスです。日本には約50年前に伝わり、2000年以降に広く一般に普及したといわれます。
ファクタリングにはいくつかの種類がありますが、中でも一般的なのが「買取型」です。買取型とは、売掛債権を売却し資金調達する仕組みです。
参考)ファクタリングとは
でんさいの仕組み
でんさいは、2008年に創設された比較的新しい金融サービスです。具体的には、手形や売掛債権を電子化することで、オンライン上で取引ができます。
でんさいで対応しているのは、以下の3つの取引です。
- でんさいを利用した支払い
- でんさいの譲渡(他社から支払われたでんさいを支払いに使用する)
- でんさいの分割譲渡(所有するでんさいを分割して支払いに使用する)
ここでは、それぞれの取引内容を詳しく解説します。特徴を押さえ、ぜひビジネスに役立てましょう。
でんさいを利用した支払い

商品やサービスの支払いは、でんさいの中でもポピュラーな取引です。取引は、以下の流れで行います。
- 代金を支払う会社が金融機関を通して、でんさいの発生記録を登録する
- でんさいネットで発生記録がされ、納入会社の取引金融機関に通知される
- 取引銀行は、納入会社に発生記録を通知する
- 期日が到来したら、支払会社と納入会社の取引金融機関で入金が実施される
支払会社は、でんさいの発生記録を登録するだけで、期日に自動的に入金されます。納入会社が、代金を受け取るために実行するべき手続きはありません。
でんさいの譲渡

でんさいの譲渡とは、他社から支払いを受けたでんさいの一部または全部を、他の支払いに使用することです。取引は、以下の流れで行います。
- 代金を支払う会社は取引する金融機関を通じて、でんさいの譲渡記録を登録
- でんさいネットででんさいの譲渡記録が成立したら、納入会社が取引する金融機関を通じて、でんさいの譲渡記録を通知
- 期日が到来したら、譲渡されたでんさいの支払会社(上図A社)から、納入会社が取引する金融機関に入金
でんさいの譲渡の場合も、支払会社による譲渡登録が完了すれば自動的に代金が入金されます。代金を入金するのは、譲渡されたでんさいのもともとの支払会社(上図A社)のため、支払会社による資金の用意は不要です。
また、でんさいの譲渡においても、代金受け取りのために納入会社が行う手続きはありません。
でんさいの分割譲渡

でんさいの分割譲渡とは、すでに所有しているでんさいの一部を分割し、他の支払いに使用することです。取引は、以下の流れで行います。
- 代金を支払う会社は取引する金融機関を通じて、でんさいの分割記録と譲渡記録を登録
- でんさいネットででんさいの分割記録と譲渡記録が成立したら、納入会社が取引する金融機関を通じて、でんさいの譲渡記録を通知
- 期日が到来したら、譲渡されたでんさいの支払会社(上図A社)から、納入会社が取引する金融機関に入金
仮に、商品の代金として、納入会社から支払会社に500万円の請求があったとしましょう。支払会社が、A社から支払われた700万円のでんさいを保有しているとします。その場合、700万円のうち500万円を分割し、納入会社への支払いに充当可能です。
でんさいの分割譲渡の場合も、支払会社による譲渡登録が完了すれば自動的に代金が入金されます。また、代金受け取りのために納入会社が行う手続きはありません。
ファクタリングのメリット
ここからは、ファクタリングのメリット・デメリットおよび、でんさいのメリット・デメリットを解説します。まずは、ファクタリングのメリットとして以下の3つを確認しましょう。
- 現金化までのスピードが速い
- 共倒れリスクがない
- 負債を抱えずに資金調達ができる
資金調達の一つとしてファクタリングを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
現金化までのスピードが速い
メリットの1つ目は、現金化のスピードが速い点です。現金化までの日数はファクタリング会社によって異なりますが、即日振込が可能な場合もあります。
では、他の資金調達方法では、どのくらいの日数がかかるでしょうか。一例を以下に紹介します。
- 銀行プロパー融資:数週間~数ヵ月
- カードローン:即日可能な場合もある
- 補助金:数ヵ月~1年以上かかる場合もある
銀行プロパー融資で借入までにかかる日数は、借入額や審査の内容によって数週間~数ヵ月です。カードローンは即日借入可能な場合もありますが、一般的に金利が高く返済負担が大きくなる可能性があります。
補助金は、申請してから資金の受け取りまでに長ければ1年以上かかることもあるため、急ぎの資金調達には向いていません。
そもそも、売掛債権を持っているのであれば、売掛先の破綻などがない限り期日に現金を受け取れるはずです。しかし、期日前の資金調達を希望するときには、緊急で現金が必要であると考えられるでしょう。
このように、スピーディーな資金調達が必要なときには、ファクタリングは有力な選択肢となります。
共倒れリスクがない
メリットの2つ目は、共倒れリスクがない点です。先述のとおりファクタリングには、償還請求権がありません。そのため、ファクタリング会社に債権を売却した時点で、利用者の未回収リスクがなくなります。
売掛先の破綻などにより万が一取引先が支払い不能になっても、共倒れするリスクがなくなることから、安定した資金繰りにも効果がある資金調達方法といえるでしょう。
なお、売掛金を回収できなくなったときには、売掛債権を買い取ったファクタリング会社が損失を被ります。そのような事態が発生しないよう、ファクタリング会社は債権の買取にあたり、売掛先の経営状態や財務状況を審査します。
売掛先の状況によっては審査に通らず、ファクタリングを利用できないケースがあることは覚えておきましょう。
負債を抱えずに資金調達ができる
メリットの3つ目は、負債を抱えずに資金調達ができる点です。ファクタリングは、保有する売掛債権を売却し、売却金を得る資金調達方法です。融資とは異なるため、ファクタリングを利用しても負債が増えることはありません。
融資ではない方法で資金調達をすると、以下のメリットがあります。
- 返済義務がない
- 与信枠を利用せずに資金調達ができる
- 利用者に対する審査が不要
ファクタリングで得た資金は負債ではないため、返済の必要がありません。そのため、返済による資金繰りの悪化を招く可能性を抑えられます。
また、与信枠を利用せずに資金調達ができることから、将来的に融資を受ける際にもスムーズに手続きを進められそうです。
ファクタリングは融資ではないため、利用者の返済能力を確認する審査が不要です。事業実績の積み上げが難しいスタートアップ企業でも、利用しやすい資金調達方法といえるでしょう。
ファクタリングのデメリット
ファクタリングはさまざまなメリットがある資金調達方法ですが、押さえておくべき以下の2つのデメリットもあります。
- 売掛金の範囲内でしか資金調達できない
- 悪徳業者が存在する
それぞれの内容をしっかりと確認し、納得がいく資金調達を目指しましょう。
売掛金の範囲内でしか資金調達できない
デメリットの1つ目は、売掛金の範囲内でしか資金調達ができない点です。実際には、売掛金から手数料を差し引いた金額が調達できる上限額となります。
ファクタリングの手数料は一般的に、2社間ファクタリングで8~18%程度、3社間ファクタリングで2~9%程度とされます。仮に300万円の売掛金を手数料5%でファクタリング会社に売却したとすると、受け取れる金額は285万円(300万円-5%)です。
なお、ファクタリングを利用するには、手数料のほか以下の費用も必要です。
費用 | 概要 |
債権譲渡登記費用 | 2社間ファクタリングで債権譲渡登記を司法書士に依頼する場合、3万~5万円 |
印紙代 |
|
振込手数料 | 売掛債権の売却代金を利用者の口座に振り込むための手数料。利用する金融機関によって、0~数百円程度 |
出張交通費 | ファクタリングの契約に際し、出張面談が必要な場合に発生 |
売掛金よりも大きな額の資金調達が必要な場合は、ファクタリング以外の方法を検討するしかないでしょう。
悪徳業者が存在する
デメリットの2つ目は、悪徳業者が存在する点です。先述のとおりファクタリングは、2000年以降に広がった金融サービスです。そのため、法整備が十分にされていないという注意点があります。
トラブルのないファクタリングを実現するには、悪徳業者と契約しないことが何よりも大切です。悪徳業者を見極めるには、以下の4つのポイントを押さえておきましょう。
- 相場から乖離した手数料でないか
- 不要な手数料が上乗せされていないか
- 適正な審査が実施されているか
ファクタリングの手数料相場を大きく外れた手数料を提示されたときには、悪徳業者である可能性があります。法外に高い手数料はもちろん、安すぎる手数料にも注意が必要です。
悪徳業者の中には、最初に安い手数料を提示し、契約の段階で上乗せするケースもあります。場合によっては、保証料や手付金といった、ファクタリングには不要な手数料を要求されるかもしれません。手数料に疑問を感じたときには、納得がいくまで確認することが重要です。
また、売掛先に対する適切な審査が実施されない場合も注意が必要です。悪徳業者の中には、ファクタリングには償還請求権がないにもかかわらず、資金が回収不能になったときに利用者に返還を迫るケースもあることは知っておきましょう。
優良なファクタリング会社を選ぶには、実績や契約内容を十分に確認することが肝心です。不安を感じたら、警察や金融庁金融サービス利用者相談室、弁護士といった専門家に速やかに相談してください。
参考)ファクタリングの審査
参考)ファクタリングの手数料
でんさいのメリット
次にでんさいのメリットとデメリットを解説します。でんさいには、以下の2つのメリットがあります。
- 紛失や盗難のリスクがない
- 事務負担を減らせる
でんさいの利用を検討している方は、ぜひ参考にしましょう。
紛失や盗難のリスクがない
でんさいのメリットは、紛失や盗難のリスクがない点です。従来の売掛債権は、書類の紛失や盗難のリスクがありました。利用する売掛債権の数が増えるほど、リスクが高まり管理の負担も大きくなります。
でんさいであれば、オンライン上の決済システムを利用するため、紛失や盗難のリスクがありません。また、封入ミスや郵便遅延などによるトラブルも防止できます。
売掛債権の管理に不安や負担を感じている方は、でんさいの利用を検討しましょう。
事務負担を減らせる
事務負担の軽減も、でんさいを利用するメリットです。従来の売掛債権の取引では、以下の事務作業が発生します。
- 書類の作成や送付
- 領収書の受け取り
- 請求手続き
従来の方法で売掛金や手形を利用するには、契約に関する書類の作成や相手方への送付が不可欠です。でんさいを利用すれば、でんさいネットが一括管理してくれるため、書類作成や送付の手間を大きく削減できます。また、でんさいの利用により、領収書の受け取りが不要になることも覚えておきましょう。
売掛債権を回収するには、取り立て手続きも必要です。具体的には、期日前の売掛先への請求書送付や、未入金発生時の対応などがあげられます。
でんさいを利用すれば、でんさいネットが入金まで一括管理してくれるため、請求の手間や負担を大きく抑えられるでしょう。でんさいの利用により業務を効率化できれば、その他業務の品質向上や生産性アップも期待できます。
でんさいのデメリット
次に、でんさいで知っておくべき以下の2つのデメリットを解説します。
- 審査を通過しないと利用できない
- 双方がでんさいを利用している必要がある
でんさいは、業務負担を減らせるといったメリットがある一方で、利用にはいくつかのハードルがあります。でんさいの利用に関する注意点を事前に確認し、スムーズな取引の実現を目指しましょう。
審査を通過しないと利用できない
でんさいを利用するには、審査に通過しなければなりません。審査に通らなかった場合は、でんさいのサービスを使えないことは覚えておきましょう。
でんさいネットでは、登録した会社が扱うでんさいの取引を、一括して管理します。そのため、でんさいの支払い不能が発生すると、管理の手間が増えます。それだけでなく、支払いできないでんさいの数が多くなると、安定的なサービスの提供が難しくなるかもしれません。
でんさいサービスを安定的に提供するためにも、でんさいの不払いがでないよう、利用する会社の事前審査が実施されるのです。なお、審査の内容は公にはされていませんが、一般的に銀行の融資と同程度とされます。
でんさいの利用をスタートしようと考えている方は、信用力の向上や財務状況の改善などを実施し、審査に臨むことが肝心です。
双方がでんさいを利用している必要がある
でんさいを利用するには、支払会社と納入会社の双方がでんさいを利用している必要があります。取引先がでんさいネットに登録していない場合は、でんさいが利用できないことは押さえておきましょう。
取引先がでんさいを利用していないにもかかわらず、どうしてもでんさいを利用したい場合には、取引先もでんさいネットに登録してもらわなければなりません。しかし、先述のとおり登録には審査が必要なため、取引先の経営状態によっては登録ができないケースもあります。
売掛債権のやり取りにでんさいを利用したいと考えているのであれば、でんさいの利用の有無を取引先に事前に確認しておくと安心です。
ファクタリングが向いているケース
ファクタリングとでんさいには、サービス内容や手数料、審査の対象などさまざまな違いがあります。ファクタリングの利用が向いているケースを、以下で確認しましょう。
- 自社の信用力が弱い
- でんさいネットが利用できない
- 相手先に知られることなく資金調達したい
ファクタリングは、売掛先の審査のみで利用できます。そのため、自社の信用力が弱い会社や、財務状況が悪い会社でも利用可能です。事業実績がなく銀行での借入が難しい、スタートアップ企業の資金調達方法にも適しているといえるでしょう。
また、でんさいネットが使えない方の資金調達方法としても、ファクタリングが選択肢となります。でんさいの譲渡やでんさいの分割を活用すれば、期日前のでんさいを使った支払が可能です。
しかし、でんさいネットに登録ができない場合はこのサービスを利用できません。でんさいを利用せず、期日前の売掛債権を資金として活用したいのであれば、ファクタリングの利用を検討しましょう。
相手方に知られずに資金調達をしたい方には、2社間ファクタリングがおすすめです。資金調達の事実を取引先に知られると、経営状態に不安を持たれるといった信用の低下を招くおそれがあります。信頼関係を損なわずに資金調達を利用したいのであれば、2社間ファクタリングが有力な選択肢となりそうです。
でんさいが向いているケース
でんさいの利用が向いている主なケースには、以下があげられます。
- 高い信頼性の運営元で資金を調達したい
- 売掛先に知られても問題ない
- コストをできるだけ抑えたい
でんさいは、一般社団法人全国銀行協会の100%子会社であるでんさいネットが運営しています。そのため、一部のファクタリング会社で見られるような悪徳業者が存在しない点は、大きな魅力です。
また、取引先にでんさい譲渡やでんさい分割による支払いを知られても問題ないのであれば、でんさいはおすすめです。ファクタリングによって、売掛金を現金化する手間を省けるため、業務負担を抑えられるでしょう。
できるだけコストを抑えたい方も、でんさいの利用に適しています。でんさいは、ファクタリングと比較して手数料の水準が低いだけでなく、印紙代や登記費用がかかりません。売掛債権を頻繁に利用する方は、コスト削減のためにもでんさいの利用を考えましょう。
ファクタリングとでんさいの違いまとめ
ファクタリングとでんさいは、どちらも売掛債権を取り扱うサービスの一つです。
ファクタリングは、売掛債権をファクタリング会社が買い取り利用者に代金を支払うサービスです。ファクタリングを利用することで、利用者は売掛債権の期日前に資金調達ができます。
でんさいは、オンライン上にて運営されるでんさいネットで、売掛債権の発行や入金ができるサービスです。一般的な支払いはもちろん、でんさいの譲渡や分割による支払いもできます。
ファクタリングは、売掛先の審査のみで利用可能です。そのため、信用力や事業実績が少ないスタートアップ企業や、財務状況が不安定な企業でも利用しやすいといえるでしょう。
一方、でんさいはオンライン上で売掛債権のやり取りができることから、業務負担や書類の紛失といったミスの軽減が期待できます。売掛債権の管理にかかる業務を効率化し、生産性を上げたいと考えているのであれば、でんさいの利用はぜひ検討したいところです。
なお、でんさいを利用するには、事前審査を受けでんさいネットに登録をする必要があります。信用力や事業実績が少ない、経営状態が悪い会社は、審査に通らずでんさいの利用ができない可能性があることは覚えておきましょう。
ファクタリングとでんさいは、どちらも売掛債権の活用に有効なサービスです。それぞれの違いをしっかりと押さえ、ぜひビジネスに活用してください。
この記事の監修者
牛崎 遼 株式会社フリーウェイジャパン 取締役
2007年に同社に入社。財務・経理部門からスタートし、経営企画室、新規事業開発などを担当。2017年より、会計などに関する幅広い情報を発信する「会計ブログ」の運営責任者を継続している。これまでに自身で執筆または監修した記事は300本以上。
運営企業
当社、株式会社フリーウェイジャパンは、1991年に創業した企業です。創業当初から税理士事務所・税理士法人向けならびに中小事業者(中小企業および個人事業主)向けに、会計ソフトなどの業務系システムを開発・販売しています。2017年からは、会計・財務・資金調達などに関する情報を発信するメディアを運営しています。
項目 | 内容 |
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会社名 | 株式会社フリーウェイジャパン |
法人番号 | 1011101045361 |
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本社所在地 | 〒160-0022 東京都新宿区新宿3-5-6 キュープラザ新宿三丁目5階 |
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