ファクタリングとは?仕組み、種類、注意点、優良3社を解説

2023.09.06

ファクタリング

ファクタリングとは、売掛金をファクタリング会社へ譲渡(売却)して資金調達する手法です。ファクタリングを利用すると売掛金の回収期日より前に資金化でき、入金サイクルを短縮できるため資金繰りの改善が可能です。売掛金の売買代金からは手数料が差し引かれるため、ファクタリングの手数料が高額すぎると受取額が少なくなってしまう点に注意しましょう。今回は、ファクタリングの仕組みを図解し、ファクタリングの種類、メリットやデメリット、注意点、必要書類について解説します。また、ファクタリング会社をお探しの方のために、おすすめのファクタリング業者3社についても紹介します。

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ファクタリング優良3社の早見表

ファクタリング会社とは、あなたが保有する売掛金を買い取って早期に現金化してくれる会社のことです。優良なファクタリング会社を今すぐに知りたい方のために、早見表を作りました。3社ともに甲乙つけがたいため、相見積もりをとって比較するのが、おすすめです。3社の詳しい解説をご覧になりたい場合は、ページ下部の解説部分をお読みください。

おすすめ
順位
サービス
名称
買取
手数料
最短入金
スピード
買取
可能額
1位 ビートレーディング 2.0%~
12.0%
2時間 無制限
2位 QUQUMO(ククモ) 1.0%~
14.8%
2時間 無制限
3位 ベストファクター 2.0%~
20.0%
1時間
(1千万円まで)
30万円~
1億円

目次

ファクタリングの種類は2つ

ファクタリングには「買取型」と「保証型」の2種類があります。

買取型:売掛債権を譲渡して資金調達する

買取ファクタリングは、資金調達を目的としています。買取型では、保有している売掛債権をファクタリング業者へ売却し、手数料などを差し引かれた代金を受け取って資金調達します。たとえば、建設業の企業が工事を受注したものの、仕入の支払に運転資金が足りなかったとします。そういった場合に、売掛金をファクタリング業者へ譲渡して早期に資金化し、その代金を支払に充てるといった事例があります。なお、ファクタリングと言えば一般的には「買取型」のため、本記事での解説も買取型ファクタリングを中心にしています。特に触れない場合は、ファクタリング=買取ファクタリングとして読み進めてください。

手形割引とファクタリングとの違い

買取型ファクタリングに関する説明を読んで、受取手形の割引を思い出した方もいるでしょう。手形割引とは、手形債権が満期を迎えるより前に、取立銀行や手形割引業者へ手形を持ち込んで、手数料を差し引かれた代金を受け取る手法です。ファクタリングと似ていますが、手形には償還請求権があります。もし、手形が不渡りになった場合、あなたが手形振出人の代わりに決済しなければならなくなります。ファクタリングには償還請求権がないため、そういったリスクを回避できます。

仕事に着手する前に資金化できる注文書買取

従来のファクタリングは、納品後、つまり請求書を発行した後でなければ債権を買い取ってくれませんでした。しかし最近のファクタリングの中には、受注直後から売掛債権を買い取って早期に現金化してくれるサービスも登場しています。参考までに、注文書買取ファクタリングを提供している2社を簡単に紹介します。

▼注文書買取ファクタリング2社
サービス
名称
買取
手数料

最短
入金

買取
可能額
ベストペイ 5.0%~ 翌日 100万円~
3億円
ビートレーディング 7.0%~18.0% 翌日 10万円~
3億円

ABL(売掛債権担保融資)とファクタリングの違い

売上債権を使った資金調達の手法にABL(売掛債権担保融資)があります。一見すると似ているようですが、ABLは言葉のとおり「売上債権を担保にした融資」です。ABL自体は資金調達の手段として問題はありませんが、買取型ファクタリングの契約だと信じ込ませて、実はABLの契約を結ばせようとする悪徳業者も存在します。契約書の内容をよく確認して、注意しましょう。

保証型:貸し倒れリスクを回避する

保証ファクタリングとは、売掛債権の貸し倒れのリスクを回避できる保険のようなサービスです。買取型とは違って資金の調達を目的としていません。万一、取引先の倒産などで売掛金が回収できなくなった場合には、保証ファクタリング業者が保証金を支払ってくれます。ファクタリング業者が取引先を信用調査して保証の枠を決め、その枠内の金額であれば、売掛債権の保証をしてくれるのです。保証型のファクタリングの利用には、保険料のような利用料が発生します。保証ファクタリングで有名なのは、ラクーン&フィナンシャルの「URIHO」です。一定額の保証料を支払うだけで、売掛先の倒産、売掛金の入金遅延の際に、取引先に代わって代金を支払ってくれます。→URIHOの公式サイトを見る

また、日本ではなく海外との貿易で発生した売掛債権を保証する「国際ファクタリング」という保証ファクタリングも存在し、大手金融機関のグループ企業などから提供されています。

ファクタリングの仕組みを図解

ファクタリングのスキーム(仕組み)を図解して解説します。ファクタリングの契約手続きには2種類あり、ファクタリング業者と利用者で完結する「2者間ファクタリング」と、売掛先への通知(または承諾も)が必要な「3者間ファクタリング」があります。それぞれについて、以下で詳しく解説します。

2者間ファクタリングの仕組み

2社間ファクタリングの図

2者間ファクタリング(2社間ファクタリングとも言う)とは、ファクタリングの利用者とファクタリング業者の2者間で契約する方式の買取ファクタリングです。得意先への通知が不要なため売掛金の売却を知られることはなく、取引関係に悪影響を与えずに済むのがメリットです。また、2者間でのやりとりのみのため手続きも簡単で、素早く現金化できる点も、おすすめです。

▼2者間ファクタリングの利用の流れ

  1. 売掛先(得意先)へ請求書を発行します。
  2. ファクタリング業者へ、売掛金の買取の審査を申込んで審査結果の連絡を待ちます。
  3. 審査を通過すると、ファクタリング業者から買取条件や契約内容を提示されます。その内容を確認し、合意できたら契約します。
  4. 契約が成立した後、指定した銀行口座に代金(売掛金から手数料を差し引かれた金額)が振り込まれてきます。
  5. 売掛先から売掛金の入金があったら、ファクタリング業者へ送金します。

なお、ファクタリング業者に支払う手数料は、3者間ファクタリングより高くなる傾向があります。ただし、昨今では手数料の低い2者間ファクタリング業者もあり、当記事でもおすすめのファクタリング業者を紹介しています。詳しくは、こちら

3者間ファクタリングの仕組み

3社間ファクタリングの図

3者間ファクタリング(3社間ファクタリングとも言う)とは、ファクタリング利用者、ファクタリング業者、得意先の3者間で合意するタイプの買取ファクタリングです。

▼3者間ファクタリングの利用の流れ

  1. 売掛先(得意先)へ請求書を発行します。
  2. ファクタリング業者へ、売掛金の買取の審査を申込んで審査結果の連絡を待ちます。
  3. 審査を通過すると、ファクタリング業者から買取条件や契約内容を提示されます。ファクタリング業者から提示された内容に合意できたら、売掛先へ債権譲渡通知をして承諾をもらいます。
  4. 契約を締結した後、指定した銀行口座に代金(売掛金から手数料を差し引かれた金額)が振り込まれてきます。
  5. 売掛先からファクタリング業者へ直接、売掛金分の金額が振り込まれます。

2者間と異なり、得意先からの売掛金の入金先はファクタリング業者です。3者間ファクタリングのメリットは、2者間よりも手数料を安く済ませられる点です(最近は、手数料が低い2者間ファクタリングも増えています)。ただし、3者間で合意形成するための段取りや資料の作成などの手間がかかります。さらに、取引先に資金繰りが苦しいといった印象を与える可能性についても留意しましょう。取引先に通知するにあたり、誤った情報が伝わらないように説明する点に注意が必要です。

医療ファクタリングとは

医療ファクタリングとは、病院やクリニックの診療報酬、調剤薬局の調剤報酬、介護事業者の介護報酬の債権買取をする買取型ファクタリングです。これら3つの報酬は、国保や社保へ請求してから入金まで2ヶ月ほどかかりますが、その期間を大幅に短縮できます。国保や社保へ通知が必要なため、3者間ファクタリングに分類されます。本記事でも、医療ファクタリングに対応したおすすめのサービスを紹介しています。詳しくは、こちら

ファクタリングの長所と短所

ファクタリングにはメリットとデメリットがあります。両方とも理解したうえで利用しましょう。

ファクタリングのメリット

中小企業や個人事業主がビジネスで必要な資金を調達する場合、その主な手法は銀行などからの融資です。ファクタリングは、融資に比べると様々なメリットがあります。

負債を増やさず資金調達できる

ファクタリングは銀行などからの借入金(融資、ローン)ではなく、利用しても負債は増えません。確定している売掛債権という資産が、手数料などの諸経費を引かれて、預金などの現金という資産で戻ってくるイメージです。その過程で負債は出てきませんので、ファクタリングなら負債を増やさずに資金を調達できます。

担保や保証人が必要ない

中小企業や個人事業主が金融機関から融資を受ける場合、担保や連帯保証人を求められるケースが非常に多いのは、よくご存知だと思います。ファクタリングであれば、不動産などの担保や保証人の提供は不要です。ファクタリングでは、売掛先の信用力が主な審査対象となるため、中小企業や個人事業主でも審査に通りやすくなっています。

スピーディーに資金調達できる

融資の場合、金融機関側での信用調査などで時間がかかるため、資金調達には数週間かかることもあります。一方、ファクタリングの場合は、2者間ファクタリングなら最短即日で入金してもらえます。緊急の資金需要があった場合には、ファクタリングが有効な手段になるため、おすすめです。

売掛先が倒産しても返済は不要

ファクタリングは手形の割引と近い感覚ですが、償還請求権や買取請求権がないため安心です(ノンリコース)。万一、売掛先が倒産するなどして、売却した売掛金が回収不能になった場合でも、売却代金を返金するなどの義務は生じません。ファクタリングは金銭消費貸借契約ではなく、売掛債権の売買契約です。

赤字、債務超過、税金滞納でも利用できる

金融機関からの融資の場合、経営者や会社の信用情報が与信の審査に影響します。そのため、信用情報がブラックの場合、融資を受けるのは困難です。ファクタリングであれば、主に審査されるのが取引先の信用度のため、自分が赤字決算、債務超過、税金滞納でも利用できます。信用能力に自信がない方にも、ファクタリングはおすすめです。

業種や業態を問わずに利用できる

ファクタリングは、業種に関係なく利用できます。前述の建設業や、製造業、小売業、運送業、人材派遣業、学習塾、広告代理店など、様々な業種・業態の方が利用可能です。

個人事業主でも契約できる

従来のファクタリングは、法人向けのサービスがほとんどでした。しかし、最近のファクタリングは、個人事業主やフリーランスの方でも活用できるサービスが増えています。ただし、個人事業主も利用できるファクタリングであっても、売却できる売掛金は「法人あての売掛金」のみのファクタリングが大多数です。個人から発注を受けた仕事の売掛金を売却できるファクタリング業者は、めったにありません。参考までに、個人事業主向けのファクタリングサービスを3つ、簡単に紹介します。

▼個人事業主におすすめのファクタリング
サービス
名称
買取
手数料

最短
入金

買取
可能額
ラボル 一律10.0% 60分 1万円~
ペイトナー(旧、yup) 一律10.0% 10分 1万円~
100万円
※初回は25万円まで
フリーナンス 3.0%~
10.0%
即日 1万円~

ファクタリングのデメリット

続いて、ファクタリングの短所についても解説します。

手数料が割高だと収益に悪影響が出る

ファクタリングの売買手数料は費用のため、高額な手数料を取られると利益が大幅に減少してしまいます。必ず、適切な手数料のファクタリング業者と取引しましょう。

依存すると資金繰りが悪化する懸念がある

前述のとおり、ファクタリングを利用すると手数料などの諸経費がかかる分、利益が減少します。そのため、ファクタリングは便利な手法ですが、依存すると資金繰りが悪化する危険性があるため、むやみに利用するのはおすすめしません。金融機関からの融資など、他の資金調達手段も常に検討したうえで、急な資金需要があった場合など、最適なタイミングでファクタリングを活用しましょう。

悪徳事業者が存在する

ファクタリングにかぎらない話ですが、お金が関わるところには、悲しいかな悪徳業者も集まってきます。本記事の中でも解説しますが、悪徳業者の見分け方を参考に、トラブルに巻き込まれないように十分に注意してください。

ファクタリングの手数料の相場

ファクタリングで資金調達する場合は、売掛債権の売却代金から手数料が差し引かれます。その手数料の料率しだいで、受取金額が変わります。手数料の相場は、3者間は1.0~9.0%で、2者間は10~20%だと言われています。本記事では、2者間でも相場より安い手数料で提供しているおすすめのサービスを紹介しています。詳しくは、こちら。

なお、手数料を決める要素は、主に売掛先の信用度です。または、継続して同じファクタリングサービスを使った場合に特典があったり、ファクタリング業者によっては他社からの乗換キャンペーンで手数料を優遇していたり、といった内容も影響します。できれば、複数の業者に相見積もりをとって、受取額を比べましょう。

ファクタリングが役に立つ場面

ファクタリングがビジネスで役に立つケースを、いくつか紹介します

大規模な案件を受注できるチャンスがめぐってきた

建設業なら大規模な工事を受注できる機会があったり、システム開発なら大規模な案件を受託できる話がきたりと、嬉しい話が舞い込んできたとします。しかし、大規模なプロジェクトになると外注先への支払などもかさむため、多額の資金が必要になる場合がほとんどです。そこで取引のある金融機関へ追加融資の相談を持ちかけたのですが、枠がないという理由で断られてしまいました。こんな時にも、売掛金を譲渡して早期に現金化して必要な資金を調達し、ビジネスを大きく成長させられる可能性があります。

業績不振で融資を受けられなくなった

ビジネスの業績が悪化し、銀行からの追加融資を受けられなくなることがあります。それでも取引先への支払や、従業員の人件費、家賃の支払は待ってくれません。そういった時に、ファクタリングを活用して売掛金をすぐに現金化し、当面の間をしのぐことができる可能性があります。ファクタリングで審査されるのは売掛先のため、自分の会社が赤字決算、税金滞納でも問題なく利用できるからです。

売掛金の入金が遅れることが発覚した

ビジネスにおいては、あてにしていた売掛金の入金日が遅れてしまうことがあります。たとえば、自社の納期が当初より遅れたり、取引先側の都合で納品日が先延ばしになったりなど、その理由は様々です。そんなときに、ファクタリングが役に立ちます。別の取引先あての売掛金を売却して早期に資金を調達し、不足していた資金の埋め合わせをできる可能性があります。※請求書を発行した後に、支払期限より入金が遅れることが分かった債権は不良債権なので、ファクタリング会社では買取対象外です

ファクタリングにかかる時間

ファクタリングで資金調達にかかる日数は、契約方式によって異なります。2者間であれば即日から数日以内に入金してもらえ、最速だと数時間で資金調達が可能なサービスもあります。3者間の場合は、売掛先への通知または承諾が必要なため、最短翌日から数週間かかります。

急ぎの資金需要がある場合は、2者間ファクタリングの方が便利です。また、クラウドサインなどの電子契約を採用しているファクタリング業者であれば、契約手続きがweb上で完結できるためスムーズで、個人情報保護などのセキュリティの観点でも安心です。インターネット上でのやりとりに不安がある方であれば、ファクタリング業者の事務所を訪問したり、郵送で契約したりという方法もあります。

ファクタリングの必要書類

前述のとおり、ファクタリングを利用するときには「審査」と「契約」の手順があり、それぞれ必要な提出書類があります。ここでは、代表的な書類を紹介します。なお、ファクタリング業者によって、提出書類の内容は異なります。ここで挙げた書類の他にも提出を求められる場合もあれば、より少ない書類で済むファクタリングもあります。本記事では、準備する書類が少ない、おすすめのファクタリング事業者を紹介しています。詳細は、こちら。

審査時の書類

ファクタリングで審査申込み、見積もりを依頼する時に提出する書類には、以下のような書類があります。

  • 代表者の本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなどの顔写真つき身分証)
  • 入出金明細書(直近3ヶ月の通帳コピーなど)
  • 買取希望の売掛金に関する請求書、見積書、基本契約書(取引先との契約内容がわかる書類)
  • 決算書(貸借対照表、損益計算書など。個人の場合は確定申告書) など

契約時の書類

ファクタリング業者との契約手続きで必要になる書類には、以下のようなものがあります。ファクタリング業者によっては、契約時の書類もあわせて提出が必要になる場合があります。

  • 印鑑証明書
  • 納税証明書
  • 登記簿謄本 など

ファクタリング利用時の注意点

利用するにあたっては、売掛金を売却して資金調達する買取型と、売掛金の回収不能リスクを補償する保証型とで注意点が異なります。事前によく確認しましょう。

買取型の注意点

まずは、一般的なファクタリングである、買取型ファクタリングの注意点について解説します。

  • 契約書に債権譲渡禁止の記載がないか

    改正民法により、契約書に債権譲渡禁止特約が記載されている場合でも、債権譲渡禁止の効力は有効になるとされています(改正民法の前は、債権譲渡が無効とされていました)。そのため、債権譲渡禁止特約が契約書に書かれていても、売掛債権を譲渡すること自体は問題はないと考えられます。ただし、債権の譲受人(ファクタリングで言うとファクタリング会社)が、譲渡制限について悪意・重過失である場合には、債務者(ファクタリングで言うと売掛先)が譲受人に対しては債務の履行を拒むことができる、とされています。悪意・重過失であるか否かの立証責任を負うのは債務者です。以上を踏まえると、譲渡制限つきの売掛債権の譲渡は避けた方が無難でしょう。

  • 契約方式の違いを理解する

    2者間と3者間の違いを十分に理解しておく必要があります。その上で手数料の負担、取引先との関係を考慮し、自社の状況に合わせて選択しましょう。

  • 買取手数料が高すぎないか

    資金繰りの改善のためにファクタリングを利用するなら、手数料が高すぎると受け取り代金が減ってしまい効果がなくなります。最低限、相場の範囲内の手数料で契約しましょう。3者間ファクタリングの手数料の相場は1.0~9.0%で、2者間ファクタリングの相場は10~20%です。ただし、昨今は手数料が非常に安い2者間ファクタリングも登場しており、本記事でも手数料の低いサービスを紹介しています。くわしくは、こちら

  • 不良債権は対象外

    すでに支払の期日を過ぎている不良債権は買い取ってもらえません。

  • 売掛債権の全額は買い取ってもらえない場合がある

    買取型の場合、売却したい売掛債権の全額ではなく、一部のみが買取対象になる場合があります。その割合を「掛目(かけめ)」と呼び、たとえば売掛債権が100万円で掛目が90%の場合、買取対象になるのは90万円(100万円✕90%)です。

保証型の注意点

保証型の大きな注意点は、売掛債権の現金化が遅くなる場合があることです。保証型は保険と同様の仕組みのため、保険でいう事故(保証型のファクタリングでいえば「倒産」など)が発生して初めて、キャッシュを受け取れるのです。厳密に言えば、ファクタリング業者が、売掛金の回収が不能であると判断しないかぎり、保証金をもらえないというわけです。保証型のサービスでは、支払遅延で保証金が受け取れるものもありますので、よく比べてみましょう。

相談時に確認しておきたいこと

建設業界に限りますが、保証型の場合は国土交通省による「下請債権保全支援事業」の制度により、保証料が割安になる可能性があります(取引先が経営事項審査を受けていることがこの制度を利用できる条件となります)。ファクタリング業者に相談する際は、この制度の対象であるかを確認しておくことをおすすめします。(参照:国土交通省「下請債権保全支援事業について~下請建設企業・資材業者のみなさんへ~」

ファクタリングは違法ではない

金融庁が「ファクタリングに関する注意喚起」をしているため、ファクタリングそのものが違法ではないかと心配している方もいるかもしれませんが、安心してください。ファクタリング自体は合法なサービスです。問題になっているのは後述する個人向けの「給与ファクタリング」と、以下で説明する事業者向けの「偽装ファクタリング」です。

偽装ファクタリングとは

偽装ファクタリングとは、ファクタリング契約を装って別の契約を交わさせる手口のことを言います。具体的には、金銭消費貸借契約(借金の契約)を結ばせるやり方が横行しているようです。偽装か否かを判断する基準としては以下の3点がありますので、注意しましょう。
  • 契約書の中に「債権譲渡契約(売買契約)」の記載がない
  • 契約書の中に「売り主が債権を買い戻す規定(買戻請求権)」や「売掛金が回収できない場合に売主の負担で支払う規定(償還請求権)の記載がある
  • 買取手数料などが高すぎて、手元に残る受け取り代金が著しく低い

なお、本ページで紹介しているファクタリングであれば安心ですので、ファクタリング選びの参考にしてみてください。詳しくは、こちら。

給与ファクタリングとは

給与ファクタリングとは、個人が勤務先から支給される給料をファクタリング業者に売却し、給与支給日より前に現金を入手できるサービスです。売却と書きましたが、実際には賃金債権を担保にした融資のため売買契約ではなく、利用者から見ると借金です。そのため、給与ファクタリングの事業者は貸金業法の貸金業登録をする必要がありますが、登録していないヤミ金融業者などの悪質な業者が違法な金利をとるなどの問題が起きており、金融庁も注意喚起しています。貸金業登録をしている業者が提供していれば問題がないかと言うと、そうとは言い切れません。繰り返しますが、給与ファクタリングは借金であり、将来に受け取れる給料を担保にしてお金を借りているに過ぎません。給与ファクタリングと、あたかも新しい仕組みかのように喧伝されていますが、消費者ローンと何ら変わりません。どうしても給与ファクタリングを利用する場合は、ただ単純に借金をしているだけである、という認識を必ず持っておきましょう。なお、この記事で紹介する事業者向けのファクタリングでは賃金債権(給料債権)は買い取ってもらえません。※2023年2月20日に、最高裁で「給料ファクタリングは貸し付けに当たる」という判断が示されています

ファクタリングと他の資金調達方法との違い

ご存知のとおり、ファクタリングの他にも資金調達の方法は様々あります。それぞれの長所と短所を理解し、自社に最適な手法を採用するためにも、簡単ですがファクタリングと他の資金調達手法との相違点についても触れておきます。

ファクタリングとビジネスローンの違い

ビジネスローンとは、事業資金専用のローンのことです。は個人事業主向けと法人向けが存在し、資金使途は事業用に限られます。資金の貸し手は、銀行、信用金庫、ノンバンク、信販会社や消費者金融です。ローンと名前がつくとおり元本と金利の返済義務があり、借入金のため負債が増加するため、信用情報に影響します。なお、ビジネスローンには「証書貸付型」と「融資枠型」があり、複数回の借入をする場合には「融資枠型」が便利です。証書貸付の場合、借入のたびに面倒な手続きがあり、返済も決められた日付のみ可能だったりなど、融通がきかない部分があります。ファクタリングは、売掛債権の譲渡になるため負債は増えず、信用スコアにも影響がありません。

ファクタリングと請求書カード払いの違い

請求書カード払いについては、耳慣れない方もいると思います。昨今、事業者間の取引の決済手段でも、クレジットカードを利用できる場面は増えてきました。しかし、まだまだ銀行振込などの従来の決済手段が優勢で、カード決済できない場合が多数です。請求書カード払いのサービスは、受け取った請求書をクレジットカードで決済すると、請求書カード払いのサービス提供元が支払いを立て替えてくれます。カードの利用限度額までしか決済できなかったり、利用代金の引落までの間は負債(未払金など)が増えるため、財務上の健全性が損なわれる可能性があります。ファクタリングの場合、ファクタリング会社側の買取限度額に上限がなければ、資金調達の限度額はありません。繰り返しになりますが、ファクタリングの利用で負債は増えないため、健全性にも影響がありません。

ファクタリング優良3社

数あるファクタリング業者の中から厳選した、特に優良な3社を紹介します。どのサービスも非常におすすめです。各社ともに即日振込が可能で、最もスピードが速いファクタリング業者だと、審査の申込から1時間で入金してくれます。また、比較表の3社は、電子契約などの非対面契約に対応しており、個人事業主も利用可能です。どのサービスもスピード審査してくれるため、できれば3社から相見積もりをとって、より多くの資金調達ができる業者と契約しましょう。※サービス名称をクリックすると、ページ内のサービス紹介へ移動します。

順位 サービス
名称
買取
手数料
最短入金
スピード
買取
可能額
契約
方式
1位 ビートレーディング 2.0%~
12.0%
2時間 無制限 2者間
3者間
医療
2位 QUQUMO
(ククモ)
1.0%~
14.8%
2時間 無制限 2者間
3位 ベストファクター 2.0%~
20.0%
1時間
(1千円まで)
30万円~
1億円
2者間
3者間
医療

1位「ビートレーディング」

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ランキング1位の「ビートレーディング」は、中小企業向けサービスの老舗で人気のあるファクタリングです。最短2時間での入金が可能で、最新のオンライン契約にも対応するなど、常に進化を続けています。実績は業界でもトップクラスで、2023年3月時点で、累計取引実績は46,000社(月間契約件数800以上)、累計買取債権額1,060億円と豊富な実績があります。ビートレーディングでは、受注直後から利用できる「注文書ファクタリング」にも対応しており、納品前で請求書を起こす前の段階でも売掛金を買い取ってもらえるため、資金繰りを大幅に改善できます。また、医療ファクタリングにも対応しているため、病院やクリニック、調剤薬局、介護事業者の方にも、おすすめです。

2位「QuQuMo(ククモ)」

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ランキング2位はQuQuMo(ククモ)」。ネット完結でスピーディーに資金調達したいという方に、おすすめです。手数料は1%から、入金は最速で2時間というスピードの速さが魅力(見積だけなら30分)。債権譲渡登記も不要なため、2者間取引で絶対に売掛先に知られたくない方に、おすすめします。QuQuMo(ククモ)なら、審査と契約手続きをインターネットで完結できるため来店や面談が不要です。

QuQuMo(ククモ)の口コミを見る→

ビートレーディングの口コミを見る→

3位「ベストファクター」

ベストファクターのバナー

3位の「ベストファクター」のファクタリングは、全国出張対応かつ非対面契約も可能です。2社間取引の場合、買取額30万円~1,000万円であれば、契約手続きもオンラインで完結でき、最短1時間での現金化もできます。平均買取率も92.2%と非常に高く、柔軟に対応してもらえるため、他社で断られた方にもおすすめできます。資金調達や資金繰りに悩む中小の法人はもちろん、個人事業主の方も利用できます。電話での相談も可能です↓↓

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ファクタリングの解説まとめ

ファクタリングを上手に活用できれば、資金繰りを改善できる可能性があります。銀行から借りたくても信用枠が埋まっていたり、赤字決算だったりで融資を受けにくいこともあるでしょう。ファクタリングなら、審査されるのが取引先のため、あなたの経営が苦しくても査定には影響しません。銀行からの融資が難しい際などの資金繰りを改善できる可能性があります。手取り金額が大きくなるように、なるべく複数のファクタリング業者に相見積もりをとって、検討してから取引するようにましょう。今回は、おすすめ業者3社を紹介しましたが、より詳しく知りたい方はファクタリング会社のおすすめランキングTOP10をご覧ください。

【記事の執筆と監修について】

この記事は、株式会社フリーウェイジャパンが執筆および監修をしています。当社は1991年に創業し、税理士事務所向けの会計ソフトの販売からスタートした会社です。2009年から中小企業・個人事業主の方向けにクラウド型の業務系システムの開発・販売を開始しました。当メディアは2012年から運営しており、会計や金融など経営に関する幅広い情報を発信しています。また、当社は本当に無料で使える会計ソフト「フリーウェイ経理Lite」を提供しており、ご利用いただければ費用をかけずに業務効率化が可能です。詳しくは、こちら↓↓

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