ファクタリングとは何か?保証型と買取型の会社を比較!

ファクタリングとは

売掛金の回収は企業の大きな課題ですが、これを解決する手段として今注目されているのが「ファクタリング」です。ファクタリングは、未回収の売掛金に関するリスクを軽減したり、売掛債権を譲渡して現金を調達したりできる、企業にとって頼りがいのあるサービス。今回は、ファクタリングの仕組み、保証ファクタリングと買取ファクタリング、2社間と3社間の違い、利用する際の注意点などについて解説します。※2018年10月26日に更新

目次

ファクタリングとは何なのか?

2社間ファクタリングって何?

ファクタリング(factoring)は、売掛債権に保険をかけてリスクを回避したり、または未回収の売掛金を買い取ってもらえたりするサービスです。日本の企業間の取引では、先に商品やサービスを提供し、後から代金の回収をする信用取引が一般的です。こうした掛取引では、売掛金の入金が遅れたり、貸倒れになったりで資金難に陥る可能性もあります。ファクタリングを使えば、売掛先が倒産の恐れがある場合などに、あらかじめ保険をかけたり、未回収のままの売掛金を売却して現金化したりできます。

ファクタリングの買取型と保証型

買取型と保証型の違いを見ていきましょう。

  • 買取ファクタリング

    買取ファクタリングは、企業が売掛金を早期に現金化したい場合に使われるファクタリングです。売掛債務をファクタリングサービス会社(以下、サービス提供会社)に売却し、手数料を差し引かれた金額を受け取れます。手形の割引と近い感覚です。銀行による融資とは違い担保の提供も必要なく、売掛先の信用力が審査対象となるため、中小企業でも審査に通りやすいというメリットがあります。

  • 保証ファクタリング

    保証ファクタリングは、買取型とは違いって資金の調達を目的としていません。信用力について不安がある会社との取引などで、売掛債権の貸し倒れのリスクを回避できます。万一、取引先の倒産などで売掛金が回収できなくなった場合には、保証会社が保証金を支払ってくれる仕組みです。保険のようなサービスだと考えて問題ありません。サービス提供会社が取引先を信用調査して保証の枠を決め、その枠内の金額であれば、売掛債権の保証をしてくれます。

買取ファクタリングは2種類ある

買取ファクタリングには、2社間と3社間という2種類があります。

  • 2社間

    2社間ファクタリングを図解

    2社間は、手っ取り早く売掛債権を現金化したい場合に使われます。売掛先には連絡せずにファクタリングの利用が可能です。サービス提供会社に売掛債権を譲渡します。売掛先から売掛金が支払われた際には、サービス提供会社に支払います。売掛先に売掛債権売却を知られることはなく、取引関係に悪影響を与えずに済むのがメリットです。ただし、サービス提供会社に支払う手数料は高くなる傾向があります。

  • 3社間

    3社間は、ファクタリングを希望する企業とサービス提供会社、売掛先の3者合意のもとで契約します。売掛金は、売掛先からサービス提供会社に直接支払われ、2社間よりも手数料を安く済ませられる点が魅力です。ただし、3者間で合意形成するための段取りや資料の作成などの手間がかかってしまいます。さらに、取引先に資金繰りが苦しいといった印象を与える可能性についても留意しましょう。取引先に通知するにあたり、誤った情報が伝わらないように説明しなければなりません。

ファクタリングの注意点と確認点

ファクタリングの注意点

利用するにあたっては、買取型と保証型とで注意点が異なります。事前によく確認しましょう。

  • 買取型の注意点

    最大の注意点は、買取型を利用できるのが、取引先との契約書に債権譲渡を禁止する条項が記載されていない場合のみだという点です。得意先と交わした契約書を確認してみましょう。そして、買取型を利用する際には、2社間と3社間の違いを十分に理解しておく必要があります。その上で手数料の負担、取引先との関係を考慮し、自社の状況に合わせて選択しましょう。資金調達が目的なのであれば、ビジネスローンの金利などとの比較、検討してもよいかもしれません。

  • 保証型の注意点

    保証型の大きな注意点は、売掛債権の現金化が遅くなる場合があることです。保証型は保険と同様の仕組みのため、保険でいう事故(保証型のファクタリングでいえば「倒産」など)が発生して初めて、キャッシュを受け取れるのです。厳密に言えば、サービス提供会社が、売掛金の回収が不能であると判断しないかぎり、保証金をもらえないというわけです。保証型のサービスでは、支払遅延で保証金が受け取れるものもありますので、よく比べてみましょう。

  • 相談時に確認しておきたいこと

    建設業界に限りますが、保証型の場合は国土交通省による「下請債権保全支援事業」の制度により、保証料が割安になる可能性があります(取引先が経営事項審査を受けていることがこの制度を利用できる条件となります)。サービス提供会社に相談する際は、この制度の対象であるかを確認しておくことをおすすめします。(参照:国土交通省「下請債権保全支援事業について~下請建設企業・資材業者のみなさんへ~」

ファクタリング会社を比較するポイント

ファクタリングを比較
  • 買取型の費用が分かるのは、審査を通した後。料金体系でサービスを比較するのが難しい。
  • 買取型で、手数料が安価な「三社間」は手続きが煩雑で、手続きがやや簡単な「二社間」は手数料が割高(売掛金の5~30%)。
  • 買取型では、すでに支払が遅れていたり不良債権になっている債権は、買い取ってもらえない(貸倒れのリスクを軽減できるのは、保証ファクタリング)。
  • ファクタリングサービスのほとんどは、中堅~大企業向け(小規模な企業向けの保証ファクタリングも登場している。詳細は後述)。

買取ファクタリング会社の比較

買取ファクタリングを比べる

まずは、買取ファクタリングについて何社か紹介します。

三菱UFJファクター株式会社

買取型の中でもかなりの知名度を誇る会社になります。三菱UFJファクターの強みはやはりなんといっても「信用力」。メガバンクの直系ということもあり「資本力」はファクタリング業界の中でもトップレベル。数千万~数億円単位の売掛債権の買取も可能です。 デメリットは「小回りが利かない」ところ。そもそもの商品設計が大企業向けに設計されているため、数百万の買取などは受付ないケースがあるようです。また、審査に2週間ほど時間がかかるため、早急に現金が必要なお客様には向いていないと言えるでしょう。

トップマネジメント株式会社

同社は、経営に関するコンサルティング業務などを提供している会社です。

強みとしては「個人事業主も対応」「最短即日での現金化」「3万件を超える契約実績」といったところ。個人事業主も対応している点と現金化の速さから、非常に小回りの利く会社と言えます。また、契約実績も3万件近くあるということなので信用力にも問題はありません。

しかし、売掛債権の買取額が1社3000万と低めのため、大きな金額の引き受けは難しいでしょう。取引金額の少ない中小企業には利用しやすい商品設計だといえます。

株式会社JTC

株式会社JTCは「他社と比較してください!」と自負するほど料金に自信を持っています。資金化のスピードにも定評があり、中小企業でも利用しやすいサービスを提供しています。

なるべくコストを抑えたいお客様におススメですが、ファクタリングの手数料は審査次第ですので、実際に見積もりを出してもらってから判断しましょう。

保証ファクタリング会社の比較

保証ファクタリングを比べる

次に、保証ファクタリングの会社を何社か紹介します。

みずほファクター株式会社

みずほファクターは買取型と保証型の両方を展開しています。三菱UFJファクターと同じく、メガバンクの直系なので、「信用力」と「資本力」が魅力です。千万を超える大きな債権への保証にも対応しています。

保証の条件が数社以上~で保証額の金額も数千万無いと保証が利用できないため、小口や単発の保証には向いていません。また、審査にも時間がかかるため比較的規模の大きな企業に向けたサービスといえるでしょう。

りそな決済サービス株式会社

りそな決済サービスの保証ファクタリングは、販売先一社ごとに保証限度額を決める個別取引で、少額からで利用可能な保証型です。このサービスの特徴としては、審査の与信調査情報を受け取ることができるという点です。

保証ファクタリングを開始する際に、りそな決済サービスが審査した情報を知ることができるため、調査情報を今後の社内与信に活かせます。また、少額の債権にも対応しているということですが、詳細まではHPに明記されていないので問合せベースでの回答になでしょう。

株式会社トラスト&グロース

同社の「T&G売掛保証」の大きな特徴としては、支払いの遅延も保証の対象にしているというところです。多くの保証型の場合、対象としているのは法的倒産のみ。遅延保証が標準装備されている保証ファクタリングは珍しいでしょう。

「T&G売掛保証」は一社からスポットで利用できる「売上保証」というプランと、包括的に債権を保全する「極度保証」の二種類のサービスを提供しています。さらに、顧客の商習慣に合わせた商品プランを作成してくれるため様々な取引に対応できるのも魅力です。 中小零細企業向けの商品設計となっており、審査の承認率は90%超。さらに個人事業主も保証の対象としています。他の保証会社で断られてしまった案件であっても、一度T&G売掛保証に相談してみるとよいかもしれません。

ファクタリングで全取引先を保証?

小さな会社向けの保証ファクタリング

トラスト&グロースの「URIHO(ウリホ)」は、上記で説明した「T&G売掛保証」よりもさらに小さな企業のために開発された保証ファクタリングです。URIHOの対象は年商5憶円以下で、今までにない料金設定でサービスを提供しています。URIHOに必要な費用は月々の会費のみで、登録できる取引先の数は無制限だそうです。参考までに、料金プランも書いておきます。

  • 月額: 9,800円/保証額合計:1,000万円まで/一社あたりの保証限度額 50万円
  • 月額:19,800円/保証額合計:2,000万円まで/一社あたりの保証限度額 100万円
  • 月額:29,800円/保証額合計:3,000万円まで/一社あたりの保証限度額 制限無し

上記のような料金体系を実現できたのは、営業活動などもオンラインで完結し、運営コストを抑えているからだそうです。

また、中小零細企業様の問題点の一つとして、従業員が少数のため、与信・債権管理まで手が回らないケースが多く、貸倒が起きた際などの回収業務も大きな負担となっていることが挙げられます。UIRHOを導入すれば、後ろ向きの業務アウトソースできるため、企業は営業活動に専念することができそうです。保証が付いていることによって、積極的に商品の販売もできるので売上UPにも活用できるかもしれません!

ファクタリングは不安を軽減する一手

ファクタリングを上手に活用すれば、売掛金の回収に不安がある取引先とも付き合いが続けられます。また、資金繰りに行き詰まり、金融機関の融資が期待できない場合でも、切り抜けられるかもしれません。資金繰りの不安を解消する有効策として、活用を考えてみてはいかがでしょうか。

URIHO

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