ファイナンスとは~会計との違いについて解説~
2018.10.26

ファイナンスとは、会社が事業のための資金を調達・運用することです。ファイナンスの目的は企業価値を向上させることであり、会社は株式や社債などから最適な手段を選び、調達した資金の最大化を目指します。ファイナンスは、「エクイティ・ファイナンス」と「デット・ファイナンス」の2つに分類されます。
ファイナンスの3つのポイント
- ファイナンスとは、会社が事業のための資金を調達・運用することで、企業価値の向上を目的としている。
- ファイナンスは、「エクイティ・ファイナンス」と「デット・ファイナンス」の2つに分類される。
- ファイナンス(財務)は未来の現金を扱い、アカウンティング(会計)は過去の利益を扱う。
エクイティ・ファイナンスとは
エクイティとは、総資産から負債を差し引いた純資産のことです。エクイティ・ファイナンスとは、新株の公募、株主割当、第三者割当、新株予約権付社債の発行などによって資金を調達する方法で、自己資本(純資産)が増加するのがその特徴です。エクイティ・ファイナンスは調達した資金を返済する義務はありませんが、配当などの株主資本コストがかかります。
デット・ファイナンスとは
デットとは、負債のことです。デット・ファイナンスは、銀行から借入れをしたり社債を発行したりすることで資金を調達する方法で、他人資本(負債)が増加するのがその特徴です。デット・ファイナンスは金利が発生し、返済義務もあります。
ファイナンスとアカウンティングの違い
ファイナンスを説明するとき、よく比較されるのが「アカウンティング」です。ファイナンスは「財務」、アカウンティングは「会計」ですが、両者の違いは以下のように説明されます。
アカウンティングでは利益を、ファイナンスでは現金を扱う
アカウンティングでは利益を扱います。一方で、ファイナンスでは現金を扱います。会社の使命は利益を創出することであり、利益を出せない会社に存在価値はありません。とはいえ、利益を追求するだけは会社経営は成り立たず、手元にキャッシュがあることも重要です。なぜなら、会社が倒産するのは赤字になるからではなく、手元に現金がなくなり支払いができなくなるからです。
アカウンティングは過去を、ファイナンスは未来を対象にする
アカウンティングでは過去の利益を扱います。損益計算書や貸借対照表などの決算書に記載された数字は、過去の決算日における情報です。アカウンティングは、確定した過去の利益を対象にしているといえます。もちろん、過去を振り返るだけでは会社経営は成り立たず、新たな投資をして将来の収益を生み出す必要があります。そのときに用いるのがファイナンスです。つまり、ファイナンスは不確定な未来の現金を対象にしているといえるでしょう。
関連記事
【記事の執筆と監修について】
この記事は、株式会社フリーウェイジャパンが執筆および監修をしています。当社は1991年に創業し、税理士事務所向けの会計ソフトの販売からスタートした会社です。2009年から中小企業・個人事業主の方向けにクラウド型の業務系システムの開発・販売を開始しました。当メディアは2012年から運営しており、会計や金融など経営に関する幅広い情報を発信しています。また、当社は本当に無料で使える会計ソフト「フリーウェイ経理Lite」を提供しており、ご利用いただければ費用をかけずに業務効率化が可能です。詳しくは、こちら↓↓
同じカテゴリの記事