ファイナンスとは?意味や資金調達方法の具体例をわかりやすく解説!

2024.03.03

ファイナンスとは

ファイナンスとは、資金を調達したり、調達した資金を利用したりすることです。資金調達方法の具体例として、エクイティファイナンス・デットファイナンス・アセットファイナンスなどがあります。

本記事では、ファイナンスと会計の違いや、各資金調達方法のメリットとデメリットを紹介します。

目次

ファイナンスの意味とは

英語のファイナンス(finance)は、もともと財務や資金管理などを意味します。ビジネスにおいて、ファイナンスはどのように資金を調達して運用するかを指す言葉として使われることが一般的です。

ファイナンスには、企業ファイナンス(コーポレートファイナンス)と、個人ファイナンス(パーソナルファイナンス)があります。どちらも、資金調達方法を考えることの意味では同じです。

ここから、ファイナンスと会計(アカウンティング)の違いや、企業ファイナンスと個人ファイナンスの違いについて、詳しく解説します。

ファイナンスと会計(アカウンティング)の違い

ファイナンスと混同しやすい言葉として、会計(アカウンティング)があります。ファイナンスと会計の主な違いは、目的や着目する時期です。

一般的に、会計とは取引や資金などを記録し、収支や財政状況を関係者に報告することを指します。ファイナンスの主な目的が将来的な企業価値を高めることであるのに対し、会計の主な目的は外部に報告することや現状を把握することです。

また、ファイナンスは今後のお金の動きを考えるもので、会計は今までのお金をとらえたものともいえるでしょう。

企業ファイナンスと個人ファイナンスの違い

企業ファイナンス(コーポレートファイナンス)と個人ファイナンス(パーソナルファイナンス)の違いは、ファイナンスの対象です。企業ファイナンスは企業が実施するファイナンスで、個人ファイナンスは個人や家計におけるファイナンスを指します。

また、ファイナンスにあたって、企業が立てる計画が事業計画、個人が立てる計画がライフプランです。事業計画では設備投資や新規事業立ち上げなどで資金調達が必要になること、ライフプランでは結婚や出産のように出費がかさむイベントなどに関する情報などが盛り込まれます。

なお、本記事では、主に企業ファイナンスについて紹介します。

ファイナンスの重要性とは

経営戦略・ビジネス戦略を立てる上で、将来に目を向けた「ファイナンス」の概念が重要です。

売上や利益などを正しく把握し、現状分析する際には会計が役に立ちます。しかし、過去・現在を把握するだけでは、将来の経営戦略を立てられません。

その点、ファイナンスは、主に会社が今後生み出すキャッシュフローに注目しています。ファイナンスを活用することで、今後どれだけの資金が必要になるか、事業からどれだけの現金を生み出せるかなど、未来のことを考えられるようになるでしょう。

実際、企業の投資判断やリスク管理にはファイナンスの概念が使われています。また、DCF法をはじめ、企業価値を計算する際にもファイナンスの概念を使うことが一般的です。

ファイナンス・資金調達方法の種類

ファイナンスを検討する際、どのような資金調達方法を選択するかは重要なポイントです。主な資金調達方法として、以下の5種類が挙げられます。

  1. エクイティファイナンス
  2. デットファイナンス
  3. アセットファイナンス
  4. メザニンファイナンス
  5. クラウドファンディング

それぞれの特徴を理解した上で、自社にとって適切な手段を選択しましょう。

1. エクイティファイナンス

エクイティファイナンスとは、自社の資本を増やすことで資金調達する方法です。エクイティ(equity)とは、株主資本のことを指します。

エクイティファイナンスの具体例は、新株発行や自己株式処分(発行済の自己株式を譲渡して売却代金を得ること)などです。ここから、エクイティファイナンスのメリットとデメリットを紹介します。

エクイティファイナンスのメリットとは

原則として、調達した資金を返済する必要がない点がエクイティファイナンスのメリットです。企業は元金・利息の返済方法を考慮せず、自由に資金を使えます。

また、エクイティファイナンスは負債ではなく自己資本に該当するため、自己資本比率の改善につながる点もメリットです。自己資本比率とは、総資本のうち純資産が占める割合を示した数値を指します。

自己資本比率が上昇すれば財務内容が改善して外部からの評価が上がるため、さらに資金調達がしやすくなるでしょう。

参考)自己資本比率とは

エクイティファイナンスのデメリットとは

エクイティファイナンスのデメリットは、新株を発行することで1株あたりの価値が薄まる点です。そのため、既存株主から反対される可能性があります。

また、経営に意見する株主が増加する点も会社側にとってのデメリットです。会社の重要事項を決定する際にさまざまな株主の意見を聞かなければならないため、経営の自由度が下がる可能性があります。

2. デットファイナンス

デットファイナンスとは、外部からの借入で資金を調達することです。デット(debt)とは、負債のことを指します。

デットファイナンスの具体例は、金融機関(銀行・信用金庫など)からの借入や社債発行(有価証券を発行して借入すること)などです。ここから、デットファイナンスのメリットとデメリットを紹介します。

参考)負債とは

デットファイナンスのメリットとは

デットファイナンスのメリットは、資金の提供者から経営について干渉される可能性が低い点です。新たに増えた株主の意見を聞かなければならないエクイティファイナンスと異なり、経営者の決めた経営方針で事業を進められます。

また、借入・返済の実績を作ることで、取引銀行との関係性を深められる点もメリットです。返済実績があれば、新たに資金が必要になった際に借入しやすくなります。ただし、返済を延滞することがあると、今後の借入がしにくくなる点に注意しましょう。

デットファイナンスのデメリットとは

デットファイナンスのデメリットは、返済の義務を負うことです。返済額によって、資金繰りが悪化して各種支払いが困難になることがあります。資金繰りを悪化させないために、デットファイナンスを活用する際は、金利・返済方法などの諸条件に注意しなければなりません。

また、借入額が過大な場合、財務諸表を見た利害関係者(取引金融機関・投資家など)から財務体質を懸念されることがあるでしょう。

参考)社債とは

参考)借入金とは

3. アセットファイナンス

アセットファイナンスとは、保有する資産を活用して資金調達することです。アセット(asset)とは、資産のことを指します。アセットファイナンスの具体例は、資産(不動産・車両など)の売却です。

また、ファクタリングを利用して売掛金を現金化することもあります。売掛金をファクタリング会社に売却して、売掛金額から手数料を引いた分を現金で受け取るのがファクタリングの仕組みです。

参考)ファクタリングとは

参考)売掛金とは

参考)資産とは

ここから、アセットファイナンスのメリットとデメリットを紹介します。

アセットファイナンスのメリットとは

借金(負債)を増やさずに資金調達できる点が、アセットファイナンスのメリットです。とくに財務内容を悪化させたくない場合に有効でしょう。

また、会社の信用力が高くない場合でも、資金調達しやすい点もメリットです。アセットファイナンスでは、主に資産に対する評価が調達の可否に影響します。

さらに、比較的スムーズに資金調達できる点もアセットファイナンスのメリットです。

アセットファイナンスのデメリットとは

アセットファイナンスのデメリットは、調達できる金額が資産に左右される点です。アセットファイナンスだけでは、投資に必要な資金を確保できない可能性があります。

また、銀行から借入する際の金利と比べて、手数料が高い傾向にある点もデメリットです。そのため、銀行融資を利用できない事情があるとき、急ぎで資金が必要なときなどに利用したほうがよいでしょう。

参考)アセットファイナンスとは

4.メザニンファイナンス

メザニンファイナンスとは、株式発行などによる資金調達(エクイティファイナンス)と、銀行などによる借入(デットファイナンス)の中間に位置付けられるファイナンスです。メザニン(mezzanine)は、英語で階と階の間(中2階)を意味します。

メザニンファイナンスの具体例は、優先株式や劣後債の発行です。優先株式は万が一会社が破産した場合に優先して分配する分、議決権を持たせない株式、劣後債は普通社債に比べて元本・利息の支払い順位が低い社債を指します。

5.クラウドファンディング

クラウドファンディング(crowd funding)とは、インターネット上で不特定多数(クラウド)から資金調達(ファンディング)するファイナンスです。クラウドファンディングには、購入型・寄付型・金融型などさまざまな種類があります。

企業が活用する代表的なクラウドファンディングのひとつが、購入型です。購入型では、プロジェクトの意義を理解した人に商品や権利を購入してもらうことにより、資金を調達します。

参考)クラウドファンディングとは

ファイナンスを学ぶ方法・活用する方法

ファイナンスを学ぶ方法・活用する方法は、以下のとおりです。

  • 書籍やセミナーでファイナンスを学ぶ
  • 計画を立ててファイナンスを実践する

それぞれ解説します。

書籍やセミナーでファイナンスを学ぶ

インターネットで情報を確認したり、ファイナンスに関する書籍を読んだりすることで、ファイナンスを学べます。独学だけでは理解しにくい場合は、セミナーや講座などに通うとよいでしょう。

ファイナンスに関する資格取得を目指すことも、将来役に立ちます。コーポレートファイナンスに関連する資格は、中小企業診断士などです。

計画を立ててファイナンスを実践する

ファイナンスに関する知識を身につけたら、計画を立てて実践しましょう。ファイナンスを実践する際は、将来の収益や収支などを考慮することが大切です。

また、コーポレートファイナンスで企業価値を計算する際は、さまざまな指標や計算式を使います。NPV(正味現在価値)・DCF法・IRR(内部収益率)などの概要を理解し、自社の数値を当てはめていきましょう。

参考)DCF法とは

参考)IRR(内部収益率)とは

参考)NPV(正味現在価値)とは

ファイナンスまとめ

ファイナンスとは、資金を調達したり、調達した資金を利用したりすることです。主に過去や現在に重点を置く会計と異なり、ファイナンスは将来に目を向けます。

ファイナンスを検討する際、重要なのがいつどのような資金調達方法を利用するかです。エクイティファイナンス・デットファイナンス・アセットファイナンスの違いを理解した上で、状況に応じて適切な方法を選択しましょう。

この記事の監修者

牛崎 遼 株式会社フリーウェイジャパン 取締役

2007年に同社に入社。財務・経理部門からスタートし、経営企画室、新規事業開発などを担当。2017年より、会計などに関する幅広い情報を発信する「会計ブログ」の運営責任者を継続している。これまでに自身で執筆または監修した記事は300本以上。

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