ファクタリングの審査とは?基準や通過するためのポイントを解説

2024.02.08

ファクタリングの審査

ファクタリングで資金調達を検討するにあたって気になるのが「審査に通るのか」だと思います。今回は、ファクタリングの審査基準、審査落ちしないために必要なこと、審査通過率が高い優秀なファクタリング会社について紹介します。

目次

ファクタリングとは

ファクタリングとは、売掛債権をファクタリング会社に債権譲渡して早期に資金化する手法のことです。売掛債権とは売掛金や受取手形のことですが、ファクタリングで一般的に扱われるのは売掛金のため、ここでは売掛金と記載しながら説明します。売掛金は資産のため、資産を売却して資金調達する方法の一種として知られています。ファクタリングの最大のメリットは、負債が増えないため信用情報に影響なく資金繰りを改善できる点です。デメリットは、手数料などの経費が割高だと利益を圧迫することです。以下の記事で詳しく解説していますので、よければ参考にしてみてください。

参考)ファクタリングとは

ファクタリングの審査基準

ファクタリングでは何を審査されるのか、その重要度順に紹介していきます。ファクタリングで審査されるポイントは、大きく分けると以下の7点です。

  • 売掛先の信用度
  • 売掛先との取引期間の長さ
  • 支払期日までの日数
  • 不良債権ではないか
  • 実態のある取引か
  • 債権譲渡禁止特約が付与されていないか
  • あなたの信用度

売掛先の信用度

意外に思うかもしれませんが、ファクタリングの審査で最も重視されるのは、売掛先(あなたの取引先の企業または個人)の社会的な信用力です。ファクタリング会社からすれば、買い取った債権が回収不能になっては困ります。そのリスクを調べるには、売掛先の信用度を調査するのが一番というわけです。分かりやすい例で言うと、売掛先が有名な大手企業や上場企業、または公的機関であれば、そうではない売掛先に比べると信用度が高くなり審査を通りやすくなります。

売掛先の与信調査で主に使われるのは、帝国データバンク、東京商工リサーチなどの第三者の企業情報データベースです。

売掛先との取引期間の長さ

ファクタリング利用者の企業と売掛先との取引実績も、ファクタリングの審査対象に含まれます。取引期間が長ければ長いほど売掛先との信頼関係が良好であると判断できるため、継続的に取引している期間が長い方がファクタリングの審査では有利です。反対に、はじめて取引する相手の場合は、関係を構築できていないことが問題視され、審査を通りにくくなる可能性があります。

支払期日までの日数

前述のとおり、ファクタリング会社にとってのリスクは、買い取った売上債権が回収不能になることです。そのリスクを決める1つの要因に、売掛金の支払期限の長さがあります。支払期日までの日数が長いと未回収になる懸念が大きくなるため、支払期日までの日数が短いほど審査に通りやすくなると言われています。あくまで一般的な話になりますが、ほとんどのファクタリング会社では通常、支払期日が2ヶ月先までの売上債権のみを買取対象としています。

不良債権ではないか

ファクタリング会社が買い取りをするのは、正常な売掛債権のみです。正常ではない債権とは不良債権のことで、具体的には支払期日を過ぎている債権を指しています。また、売掛債権ではない債権の例は、給料債権です。事業者ではない一個人の賃金債権を買い取ってもらい現金化するという仕組みですが、これは社会問題にもなった「給与ファクタリング」です。給与ファクタリングはファクタリングではなく、給料を担保にして消費者金融から借金をする構造であり、金融庁も注意喚起をしています。当然、まともなファクタリング会社は給料債権は買い取りませんので、審査には落ちてしまいます。

実態のある取引か

ファクタリング会社が買い取るのは、実態として取引のある売掛金です。取引が実在しない架空の請求書を発行して、その売掛金をファクタリング会社に買い取らせようとすれば、詐欺罪に問われる可能性もあります。当然、ファクタリングの審査でも取引の実態の有無については厳格に審査されます。

債権譲渡禁止特約が付与されていないか

債権譲渡禁止特約が付与されている売掛金の場合、第三者への譲渡が禁止されています。改正民法によって2020年度からファクタリングの買取対象になってはいるものの、ファクタリング会社は買取後のトラブルを嫌がるため、そういった売掛金は積極的には買い取っておらず、審査でも不利になることがあります。

あなたの信用度

銀行融資とは異なり、ファクタリングの審査では、あなたの信用度は重視されません。赤字決算でも税金滞納でも、ファクタリングを利用できる可能性は高いです。ただし、以下のような場合には、あなたの信用に問題があることが原因で、ファクタリングの審査に落ちることがあります。

  • あなた個人または会社が反社会的勢力と繋がりがある(あると疑われるような事実がある)
  • 過去に債権を二重譲渡するなどしてファクタリング会社とトラブルになったことがある(同一の売掛債権を複数のファクタリング会社へ譲渡するのは違法行為です)
  • あなたの会社がペーパーカンパニーのような実体のない会社である

ファクタリングで審査を通過するためのポイント

ファクタリングで審査落ちしないためのポイントも紹介します。特別なことはありません。

  • 社会的に信用度が高い売掛債権を譲渡する
  • 支払期日が近い売掛金を選ぶ
  • ファクタリング会社からの信頼を高める
  • 3者間ファクタリングも検討する
  • 事業規模に適した売掛金から売却する

社会的に信用度が高い売掛債権を譲渡する

前に説明したとおり、ファクタリング会社が好んで買い取るのは、信頼のある大手企業、上場企業、公的機関などが相手の売掛債権(主として売掛金)です。あなたが、そういった先と取引があり売掛金を保有しているなら、まずは信頼度の高い売掛金を選んで譲渡しましょう。

支払期日が近い売掛金を選ぶ

ファクタリング会社は、買い取った売掛金が回収不能になるリスクを回避したいと考えています。その理由は、売掛金の支払期日が長いとリスクが高まるためです。そのため、支払期限が最低でも2ヶ月以内で、その中でも支払期日がより近い売掛金から買取依頼するようにしましょう。

ファクタリング会社からの信頼を高める

ファクタリングの審査結果を左右する大きな要因ではないものの、ファクタリング利用者がファクタリング会社から信頼を得た方が、審査に通りやすくなります。そのうえで、最低限は守るべきポイントについて簡単に紹介します。

必要書類を確実に提出する

ファクタリング会社の審査を受けるときには、以下のような書類を提出するのが一般的です。

  • 会社の代表者(個人事業主なら自分)の顔写真つき身分証明書
  • 事業で使っている銀行口座の通帳コピー
  • 請求書(買い取って欲しい売掛金について記載のあるもの)、納品書、契約書

必要書類はファクタリング会社によって異なり、決算書、直近の試算表、登記簿や印鑑証明書などの提出を求められることもあります。これらの書類は、ファクタリング会社が審査するときに活用する書類です。ヌケモレがあったり書類自体に不備があると審査が進まなかったり、本来なら審査を通過できたはずが審査落ちしてしまう可能性があります。単純なことではありますが大事なことですので注意しましょう。

追加書類を求められたら即座に提出する

ファクタリング会社のホームページには、審査時の必要書類が記載されている場合がほとんどです。しかし審査の過程で、別の書類提出を依頼される場合もあります。そこで面倒がってしまえば審査は通りません。ファクタリング会社としても、審査通過のために追加書類について打診してくれていますので、素直に提出するようにしましょう。

質問には的確に答える

ファクタリングの審査は提出書類をベースに進められます。ただし、書類の記載内容で不明な点があったり、書類では確認できない情報があったりすると、ファクタリング会社の担当者から様々な質問をされます。その際に、的確かつ論理的に回答ができた方が信頼度は高まります。

3者間ファクタリングも検討する

ファクタリングの契約形態は2種類あります。ファクタリング利用者とファクタリング会社のみで契約する「2者間ファクタリング」と、そこに売掛先も加える「3者間ファクタリング」です。両者を比べるとメリットとデメリットがあるのですが、審査の通りやすさの観点では3者間ファクタリングに軍配が上がります。なぜなら、3者間ファクタリングでは売掛先も契約当事者になり、同一の売掛債権が二重譲渡されるリスクを回避できるため審査を通過しやすいからです。また、リスクが低いため買取手数料も安くなります。ただし、ファクタリングの利用を売掛先に知られてしまう点、契約手続きが三者間になり手間と時間がかかる点など、3者間ファクタリングにも短所があります。2者間ファクタリングで審査がNGになったら3者間ファクタリングも検討する、といった考え方も1つの選択肢だと思いますので、よく検討しましょう。

事業規模に適した売掛金から売却する

重要な点のため何度も繰り返しますが、ファクタリング会社が恐れるのは、買い取った売掛金が焦げ付いて未回収になることです。仮に売掛先の信頼度が高くても、身の丈に合わない規模の売掛金については、積極的には買い取ってもらいにくくなります。具体的なイメージとして、あなたの会社が年商1千万円だとして、大手企業からの受注金額が2千万円だったとします。その売掛金を売却したいと考えても、ファクタリング会社から見れば年商の2倍の売掛金という過大な金額規模になるため、架空の売上と見なされる等の原因で審査に落ちる可能性があります。大きな資金を調達したい気持ちがあっても、まずは会社や事業規模に合った売掛金の中から、小さい金額の売掛金を債権譲渡しましょう。そしてファクタリング会社と継続的に取引して信頼関係を築いてから、大きな金額の売掛金の買取を申し込むと審査も通りやすくなるでしょう。

ファクタリングの審査通過率への誤解

ファクタリングにおける審査通過率とは、ファクタリング会社へ売掛金の買取申し込みをしたうち、買取OKの結果をもらえた割合です。この説明を読んで「解説してもらわなくても分かる」と感じた方もいるかもしれませんが、後述のように「買取率」と混同している方もいるため、改めて正確に理解しておきましょう。

ファクタリングの審査通過率と買取率は異なる

ファクタリングの審査通過率と誤解されがちな言葉に「最大買取率」や「平均買取率」があるのですが、これらは審査通過率とは無関係です。買取率というのは、債権譲渡したい売掛金のうちファクタリング会社が買い取ってくれる割合を意味します。たとえば買取率が98%で売掛金が100万円だった場合は、買取対象になるのが98万円になります。以上のように、審査通過率と買取率が全く別の意味の言葉です。両者を混同して書いているような記事は信頼性が低い可能性があるため注意しましょう。

誰でも審査を通るファクタリングは存在する?

結論から言うと、ほとんど誰でも審査を通過できるような、審査が甘いファクタリング会社は、おそらく存在します。ただし期待は禁物です。

審査の定義を変えれば通過率は上げられる

名目上の通過率を上げるためだけに、実在性の確認のみを一次審査として、その通過率が高いことをアピールしているファクタリング会社が存在する可能性があります。実在性の確認とは、会社が存在する、個人が存在することの確認のみで、それが確認できたとて審査通過とは到底に呼べないものです。

ファクタリング会社が無理をしている場合がある

新規参入したばかりのファクタリング会社であれば、顧客の新規開拓のために、審査基準を緩めることもあると思います。しかし、それも長くは続きません。審査をゆるくすれば、ファクタリング会社が買い取った債権が回収不能になり、ファクタリング会社が損をするケースが増えてしまい、経営が悪化するからです。一時的に審査通過率が高く、ほとんど誰でも審査を通るような状況が生まれても、あくまで一時的なものでしかないわけです。

審査通過率が高いと手数料などの条件が悪い可能性がある

ファクタリング会社にとっての手数料は主に、売掛先の倒産リスクの度合いによって決まります。金融機関が融資するときの金利と同じです。リスクが高ければ高いほど、ファクタリングの手数料は高くなる傾向にあります。つまり、誰でも審査の通るファクタリング会社があるとすれば、手数料が割高である可能性があるということです。相見積もりをとったファクタリング会社すべてに断られてしまい後がないという状況であれば、高い手数料を負担する選択肢もあるかもしれません。しかし重要なのは相見積もりをとる点のため、審査通過率の高さにひかれて1社にだけから見積もりをとって判断するのだけは避けましょう。

ファクタリングのAI審査

昨今、審査と契約手続きをオンラインで完結できるファクタリングが増えています。そういったオンラインファクタリングでは、審査でAI(人工知能)を活用する業者が多く、独自のアルゴリズムでスピーディーに審査をしてくれます。なお、AI審査のファクタリング業者でも「人間の判断が一切かかわらない」業者と、「最終的に人間が判断する」業者とがあります。後者であれば担当者と話をするなど融通が効く場合もありますが、前者であれば交渉の余地がありません。

ファクタリングの審査に要する時間

ファクタリングで審査を申し込んでから結果が返ってくるまでは、さほど時間はかかりません。最近ではスピード対応をうたっているファクタリング会社が多くなっており、審査申込みから見積結果の回答まで、1時間以内で済むこともあります。遅くとも翌営業日には回答が返ってくるはずで、それ以上に時間がかかる場合は対応が遅いため、その後の手続きでも時間がかかる心配があります。審査結果の回答が遅いファクタリング会社は選ばない方が無難です。

ファクタリングの審査通過率の相場

公式の統計は存在しませんが、ファクタリング会社を100社ほど見てきた中での相場としては、2者間ファクタリングで70~80%、3者間ファクタリングで90%台後半です(あくまで相場なので、審査通過率がもっと高い、または低いファクタリング会社も存在します)。2者間ファクタリングとは、売掛金を保有している会社とファクタリング会社で契約を交わす方式で、3者間ファクタリングとは、そこに売掛先も加えて契約する方法です。3者間ファクタリングの方が、ファクタリング会社にとってリスクが少ないため審査通過率も高く、手数料も安い傾向にあります。

2者間と3者間ファクタリングについては、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

参考)ファクタリングとは

ファクタリングの審査通過率が高い会社3選

審査通過率が高いだけではなく、手数料や買取可能金額、最短入金スピードの条件でも優れているファクタリング会社を紹介します。簡単に比較できる表を作りました。どちらもどれも非常におすすめのため、相見積もりをとった上で比べてみてください。

サービス
名称
買取
手数料
最短入金
スピード
買取
可能額
審査
通過率
日本中小企業金融サポート機構 1.5%~
10.0%
3時間 無制限 95.0%
アクセルファクター 2.0%~
20.0%
2時間 無制限 93.3%
ベストファクター 2.0%~
20.0%
1時間
(1千万円まで)
30万円~
1億円
92.25%

ファクタリングの審査まとめ

今回は、ファクタリングの審査について解説しました。審査通過率と買取率は全く別の概念で、それらを混同して解説しているメディアが発信する情報は、信頼性に欠けると言わざるを得ません。ファクタリングの利用を検討している方は、正確な情報を記載している記事で情報収集するようにすると、ファクタリングで失敗することが少なくなると思います。

この記事の監修者

牛崎 遼 株式会社フリーウェイジャパン 取締役

2007年に同社に入社。財務・経理部門からスタートし、経営企画室、新規事業開発などを担当。2017年より、会計などに関する幅広い情報を発信する「会計ブログ」の運営責任者を継続している。これまでに自身で執筆または監修した記事は300本以上。

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