ファクタリングの審査とは?基準や通過するためのポイントを解説

更新日:2025年04月12日

ファクタリングの審査

銀行融資などに比べてスピーディーに資金調達できるのがファクタリングの魅力ですが、気になるのが「審査に落ちないようにする方法」「審査が甘い会社はあるのか」ではないでしょうか。そこで本記事では、ファクタリングの審査基準、審査落ちしないために必要なこと、審査通過率が高いファクタリング会社について紹介します。なお、誰でも審査に通るファクタリング会社は存在しません。※本記事で紹介しているファクタリング会社からはアフィリエイト広告の出稿を受けている場合があります。

ファクタリング審査のポイント

  • 社会的に信用度が高い売掛債権を譲渡する
  • 支払期日が近い売掛金を選ぶ
  • 事業規模に適した売掛金から売却する

目次

ファクタリングの審査基準

ファクタリングでは何を審査されるのか、その重要度順に紹介していきます。ファクタリングで審査されるポイントは、大きく分けると以下の7点です。

  • 売掛先の信用度
  • 売掛先との取引期間の長さ
  • 支払期日までの日数
  • 不良債権ではないか
  • 実態のある取引か
  • 債権譲渡禁止特約が付与されていないか
  • あなたの信用度

売掛先の信用度

意外に思うかもしれませんが、ファクタリングの審査で最も重視されるのは、売掛先(あなたの取引先の企業または個人)の社会的な信用力です。ファクタリング会社からすれば、買い取った債権が回収不能になっては困ります。そのリスクを調べるには、売掛先の信用度を調査するのが一番というわけです。分かりやすい例で言うと、売掛先が有名な大手企業や上場企業、または公的機関であれば、そうではない売掛先に比べると信用度が高くなり審査を通りやすくなります。

売掛先の与信の調査で主に使われるのは、帝国データバンク、東京商工リサーチなどの第三者の企業情報データベースです。

売掛先との取引期間の長さ

ファクタリング利用者の企業と売掛先との取引実績も、ファクタリングの審査対象に含まれます。取引期間が長ければ長いほど売掛先との信頼関係が良好であると判断できるため、継続的に取引している期間が長い方がファクタリングの審査では有利です。反対に、はじめて取引する相手の場合は、関係を構築できていないことが問題視され、審査を通りにくくなる可能性があります。

支払期日までの日数

前述のとおり、ファクタリング会社にとってのリスクは、買い取った売上債権が回収不能になることです。そのリスクを決める1つの要因に、売掛金の支払期限の長さがあります。支払期日までの日数が長いと未回収になる懸念が大きくなるため、支払期日までの日数が短いほど審査に通りやすくなると言われています。あくまで一般的な話になりますが、ほとんどのファクタリング会社では通常、支払期日が2ヶ月先までの売上債権のみを買取対象としています。

不良債権ではないか

ファクタリング会社が買い取りをするのは、正常な売掛債権のみです。正常ではない債権とは不良債権のことで、具体的には支払期日を過ぎている債権、回収が困難な債権、回収が不可能な債権を指しています。

また、売掛債権ではない債権の例は、給料債権です。事業者ではない一個人の賃金債権を買い取ってもらい現金化するという仕組みですが、これは社会問題にもなった「給与ファクタリング」です。給与ファクタリングはファクタリングではなく、給料を担保にして消費者金融から借金をする構造であり、金融庁も注意喚起をしています。当然、まともなファクタリング会社は給料債権は買い取りませんので、審査には落ちてしまいます。

実態のある取引か

ファクタリング会社が買い取るのは、実態として取引のある売掛金です。取引が実在しない架空の請求書を発行して、その売掛金をファクタリング会社に買い取らせようとすれば、詐欺罪に問われる可能性もあります。当然、ファクタリングの審査でも取引の実態の有無については厳格に審査されます。

債権譲渡禁止特約が付与されていないか

債権譲渡禁止特約が付与されている売掛金の場合、第三者への譲渡が禁止されています。改正民法によって2020年度からファクタリングの買取対象になってはいるものの、ファクタリング会社は買取後のトラブルを嫌がるため、そういった売掛金は積極的には買い取っておらず、審査でも不利になることがあります。

あなたの信用度

銀行融資とは異なり、ファクタリングの審査では、あなたの信用度は重視されません。赤字決算、税金滞納債務超過でも、ファクタリングを利用できる可能性は高いです。ただし、以下のような場合には、あなたの信用に問題があることが原因で、ファクタリングの審査に落ちることがあります。

  • あなた個人または会社が反社会的勢力と繋がりがある(あると疑われるような事実がある)
  • 過去に債権を二重譲渡するなどしてファクタリング会社とトラブルになったことがある(同一の売掛債権を複数のファクタリング会社へ譲渡するのは違法行為です)
  • あなたの会社がペーパーカンパニーのような実体のない会社である

ファクタリングで審査を通過するためのポイント

ファクタリングで審査落ちしないためのポイントも紹介します。特別なことはありません。

  • 社会的に信用度が高い売掛債権を譲渡する
  • 支払期日が近い売掛金を選ぶ
  • ファクタリング会社からの信頼を高める
  • 3社間ファクタリングも検討する
  • 事業規模に適した売掛金から売却する

社会的に信用度が高い売掛債権を譲渡する

前に説明したとおり、ファクタリング会社が好んで買い取るのは、信頼のある大手企業、上場企業、公的機関などが相手の売掛債権(主として売掛金)です。あなたが、そういった先と取引があり売掛金を保有しているなら、まずは信頼度の高い売掛金を選んで譲渡しましょう。

支払期日が近い売掛金を選ぶ

ファクタリング会社は、買い取った売掛金が回収不能になるリスクを回避したいと考えています。その理由は、売掛金の支払期日が長いとリスクが高まるためです。そのため、支払期限が最低でも2ヶ月以内で、その中でも支払期日がより近い売掛金から買取依頼するようにしましょう。

ファクタリング会社からの信頼を高める

ファクタリングの審査結果を左右する大きな要因ではないものの、ファクタリング利用者がファクタリング会社から信頼を得た方が、審査に通りやすくなります。そのうえで、最低限は守るべきポイントについて簡単に紹介します。

必要書類を確実に提出する

ファクタリング会社の審査を受けるときには、以下のような書類を提出するのが一般的です。

  • 会社の代表者(個人事業主なら自分)の顔写真つき身分証明書
  • 事業で使っている銀行口座の通帳コピー
  • 請求書(買い取って欲しい売掛金について記載のあるもの)、納品書、契約書

必要書類はファクタリング会社によって異なり、決算書(確定申告書)、直近の試算表、登記簿(履歴事項全部証明書)や印鑑証明書などの提出を求められることもあります。これらの書類は、ファクタリング会社が審査するときに活用する書類です。ヌケモレがあったり書類自体に不備があると審査が進まなかったり、本来なら審査を通過できたはずが審査落ちしてしまう可能性があります。単純なことではありますが大事なことですので注意しましょう。

追加書類を求められたら即座に提出する

ファクタリング会社のホームページには、審査時の必要書類が記載されている場合がほとんどです。しかし審査の過程で、別の書類提出を依頼される場合もあります。そこで面倒がってしまえば審査は通りません。ファクタリング会社としても、審査通過のために追加書類について打診してくれていますので、素直に提出するようにしましょう。

質問には的確に答える

ファクタリングの審査は提出書類をベースに進められます。ただし、書類の記載内容で不明な点があったり、書類では確認できない情報があったりすると、ファクタリング会社の担当者から様々な質問をされます。その際に、的確かつ論理的に回答ができた方が信頼度は高まります。

3社間ファクタリングも検討する

ファクタリングの契約形態は2種類あります。ファクタリング利用者とファクタリング会社のみで契約する「2社間ファクタリング」と、そこに売掛先も加える「3社間ファクタリング」です。

両者を比べるとメリットとデメリットがあるのですが、審査の通りやすさの観点では3社間ファクタリングに軍配が上がります。なぜなら、3社間ファクタリングでは売掛先も契約当事者になり、同一の売掛債権が二重譲渡されるリスクを回避できるため審査を通過しやすいからです。

参考)ファクタリングとは

事業規模に適した売掛金から売却する

重要な点のため何度も繰り返しますが、ファクタリング会社が恐れるのは、買い取った売掛金が焦げ付いて未回収になることです。仮に売掛先の信頼度が高くても、身の丈に合わない規模の売掛金については、積極的には買い取ってもらいにくくなります。

具体的なイメージとして、あなたの会社の年商が1千万円だとして、大手企業からの受注金額が2千万円だったとします。その売掛金を売却したいと考えても、ファクタリング会社から見れば年商の2倍の売掛金という過大な金額規模になるため、架空の売上と見なされる等の原因で審査に落ちる可能性があります。大きな資金を調達したい気持ちがあっても、まずは会社や事業規模に合った売掛金の中から、小さい金額の売掛金を債権譲渡しましょう。そしてファクタリング会社と継続的に取引して信頼関係を築いてから、大きな金額の売掛金の買取を申し込むと審査も通りやすくなるでしょう。

ファクタリングの審査に要する時間

ファクタリングで審査を申し込んでから結果が返ってくるまでは、さほど時間はかかりません。最近ではスピード対応をうたっているファクタリング会社が多くなっており、審査申込みから見積結果の回答まで、1時間以内で済むこともあります。遅くとも翌営業日には回答が返ってくるはずで、それ以上に時間がかかる場合は対応が遅いため、その後の手続きでも時間がかかる心配があります。審査結果の回答が遅いファクタリング会社は選ばない方が無難です。

審査スピードを重視する方は、最短即日で入金してくれるファクタリング会社を紹介した「即日ファクタリング」の記事を参考にしてみてください。また、土日祝日に審査結果の回答が欲しい方には「土日ファクタリング」の記事がおすすめです。

ファクタリングの審査通過率の相場

公式の統計は存在しませんが、ファクタリング会社を100社ほど見てきた中での相場としては、2社間ファクタリングで70~80%、3社間ファクタリングで90%台後半です(あくまで相場なので、審査通過率がもっと高い、または低いファクタリング会社も存在します)。

2社間ファクタリングとは、売掛金を保有している会社とファクタリング会社で契約を交わす方式で、3社間ファクタリングとは、そこに売掛先も加えて契約する方法です。3社間ファクタリングの方が、ファクタリング会社にとってリスクが少ないため審査通過率も高く、手数料も安い傾向にあります。

本記事では、審査通過率が高いファクタリング業者を紹介していますが、2社間ファクタリングのみではなく、3社間ファクタリングも提供している業者ばかりです。反対に、2社間取引のみで審査通過率が高い業者が見つかった場合は、手数料が割高になる懸念があるため注意しましょう。

ファクタリングの審査通過率が高い会社4選

審査通過率が高いだけではなく、手数料や買取可能金額、最短入金スピードの条件でも優れているファクタリング会社を紹介します。簡単に比較できる表を作りました。どちらもどれも非常におすすめのため、相見積もりをとった上で比べてみてください。※本記事で紹介しているファクタリング会社からはアフィリエイト広告の出稿を受けている場合があります。

サービス
名称
買取
手数料
最短入金
スピード
買取
可能額
審査
通過率
ベストファクター 2.0%~
20.0%
1時間
(1千万円まで)
30万円~
1億円
92.25%
メンターキャピタル 2.0%~
※上限は非公開
30分 下限なし~
1億円
92.0%
JBL 2.0%~
14.9%
2時間 ~1億円 90.0%
アクセルファクター 0.5%~
12.0%
2時間 無制限 93.3%

1,000万円まで最短60分で入金「ベストファクター」

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買取手数料 2.0%~20.0%
最短入金スピード 1時間
※1千万円超なら最短即日
買取可能額 30万円~1億円
契約方式 2社間
3社間
債権譲渡登記 応相談
必要書類 代表者の身分証明書、請求書、見積書、通帳
非対面契約
※売掛債権が10万円~1,000万円の範囲外だと面談必須
個人事業主の利用
法人の利用
審査通過率 92.25%
運営会社 株式会社アレシア
営業時間 平日 10:00~19:00
bestfactorのバナー(電話)

ベストファクターの口コミと評判

最短30分で現金化「メンターキャピタル」

メンターキャピタル

メンターキャピタルは、手数料の下限は2.0%からで比較的に低めですが買取手数料の上限が非公開になっています。ただし、最短30分で売掛金を現金化してくれるのは魅力的です。契約形態は2社間と3社間に対応しており、審査や契約手続きはオンラインで完結できます。買取可能額の下限はないため少額からでも利用できる可能性があり、上限は1億円のため幅広く売掛金を買い取ってくれます。

買取手数料 2.0%~
最短入金スピード 30分
買取可能額 下限なし~1億円
契約方式 2社間
3社間
債権譲渡登記 応相談
必要書類 非公開
非対面契約
個人事業主の利用
法人の利用
審査通過率 92%
運営会社 株式会社 Mentor Capital
営業時間 平日 9:30~18:30

メンターキャピタルの口コミと評判

その他の条件でファクタリング会社を比較したい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

参考)ファクタリング会社おすすめ比較10選

ファクタリングの審査まとめ

今回は、ファクタリングの審査について解説しました。ファクタリングの審査通過率の高さは魅力的ではあるものの、手数料や資金調達スピードなどの他の諸条件も大切です。審査通過率が高くても受け取る代金が少なければ、収益への影響は大きくなってしまう可能性があるからです。高い審査通過率だけに釣られることなく、手数料なども総合的に考慮したうえで、ファクタリング会社を選ぶようにしてください。そうすれば、ファクタリングの活用で失敗することが少なくなると思います。

この記事の監修者

牛崎 遼 株式会社フリーウェイジャパン 取締役

2007年に同社に入社。財務・経理部門からスタートし、経営企画室、新規事業開発などを担当。2017年より、会計、簿記、ファクタリングなどの資金調達に関する幅広い情報を発信する「会計ブログ」の運営責任者を継続している。これまでに自身で執筆または監修した記事は400本以上にのぼる。FP2級。

運営企業

当社、株式会社フリーウェイジャパンは、1991年に創業した企業です。創業当初から税理士事務所・税理士法人向けならびに中小事業者(中小企業および個人事業主)向けに、会計ソフトなどの業務系システムを開発・販売しています。2017年からは、会計・財務・資金調達などに関する情報を発信するメディアを運営しています。

項目 内容
会社名 株式会社フリーウェイジャパン
法人番号 1011101045361
事業内容
  • 会計・財務・資金調達に関するメディア運営
  • 中小事業者・会計事務所向け業務系システムの開発・販売
本社所在地 〒160-0022
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所属団体 一般社団法人Fintech協会
顧問弁護士 AZX総合法律事務所

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