負債とは何か~流動と固定、有利子と無利子の違い~
更新日:2024年07月29日
負債とは、会社の借金など、マイナスの財産のことです。銀行から融資を受ける、物を仕入れた代金が未払いであるなど、返済の義務があるものが負債となります。負債に含まれるのは、銀行から調達してきた借入金や、仕入れ時の買掛金など、将来的に資産が減少するものです。貸借対照表では右側に記載され、流動負債と固定負債に分かれます。本記事では、負債と純資産の違いなどについても、わかりやすく簡単に解説します。
目次
流動負債と固定負債
負債は、返済期限の長さによって「流動負債」と「固定負債」に分類されます。短期間のうちに返済期限がくる負債が流動負債で、返済期限が先のものが固定負債です。この返済期限は、資産と同様にワン・イヤー・ルールに則り、1年が境目になります。
流動負債
流動負債とは、返済期限が1年以内の負債のことです。支払手形、買掛金、短期借入金、未払金、前受金、預り金、仮受金などが流動負債に該当します。
固定負債
固定負債とは、返済期限が1年を超える負債のことです。長期借入金や社債、退職給付引当金、貸倒引当金などが固定負債に該当します。
有利子負債と無利子負債
上述の分類とは別に、管理会計においては、負債を「有利子負債」と「無利子負債」に分類することがあります。
有利子負債
有利子負債とは、負債のうち、利息を支払う義務がある負債のことです。短期借入金、長期借入金、社債などが有利子負債に該当します。個人であれば、住宅ローンなどが有利子負債になります。
無利子負債
無利子負債とは、利息の支払い義務がない負債のことです。支払手形、買掛金、未払金、預り金、前受金などが無利子負債に該当します。
負債の部とは?
「負債」は「資産」や「純資産」とともに、貸借対照表を構成する要素の一つです。貸借対照表における右側(貸方)の上部は「負債の部」と呼ばれ、負債の勘定科目が記載されます。負債の部は、株主・会社以外の外部からの調達資金を表しており、会社の、ある時点での返済すべき資金の残高明細やその合計が書かれています。なお、負債の部においては、流動性の高い負債から、低い負債の順に記載していくことになっています。そのため、固定負債より流動負債が上に記載されます。
負債と純資産の違い
負債も純資産も貸借対照表の右側にあり「外部からの資金調達」を意味します。両者の違いは、返済の義務があるかないか。その違いから、純資産が「自己資本」とも呼ばれ、負債は「他人資本」「外部資本」とも呼ばれます。
負債まとめ
- 負債とは、会社のマイナスの財産のことであり、返済の義務がある。
- 負債の部は、貸借対照表における右側(貸方)の上部のことである。
- 負債の部を見れば、会社が外部からどのように資金調達をしているかが分かる。
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この記事の監修者
牛崎 遼 株式会社フリーウェイジャパン 取締役
2007年に同社に入社。財務・経理部門からスタートし、経営企画室、新規事業開発などを担当。2017年より、会計などに関する幅広い情報を発信する「会計ブログ」の運営責任者を継続している。これまでに自身で執筆または監修した記事は300本以上。
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当社、株式会社フリーウェイジャパンは、1991年に創業した企業です。創業当初から税理士事務所・税理士法人向けならびに中小事業者(中小企業および個人事業主)向けに、会計ソフトなどの業務系システムを開発・販売しています。2017年からは、会計・財務・資金調達などに関する情報を発信するメディアを運営しています。
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