当座比率とは~計算方法、目安、流動比率との違いを解説~
2022.11.06

当座比率は、会社の短期的な支払能力を分析する際に用いる、財務分析の安全性分析の経営指標のひとつです。流動負債に対する当座資産の割合を示しています。当座比率は、会社の短期安全性を、流動比率よりもさらに厳密に分析したいときに参照される情報です。今回は、当座比率の計算式、計算式に用いる当座資産に含まれる勘定科目、流動比率との違いについて解説します。
当座比率の3つのポイント
- 当座比率は、会社の短期安全性を分析する指標。
- 当座比率(%) = 当座資産 ÷ 流動負債 × 100
- 厳密に会社の短期安全性を見るときは、流動資産ではなく当座比率を使う。
当座比率の計算式
当座資産の計算式は以下のとおりです。
当座比率(%) = 当座資産 ÷ 流動負債 × 100
※当座資産:流動資産から棚卸資産を差し引いた資産。例)現金、売掛金、受取手形、有価証券
※流動負債:1年以内に支払期限が到来する負債。例)買掛金、支払手形、未払金、預り金、前受金
当座比率と流動比率の違い
当座比率も流動比率と同様に、流動負債の返済に充てられる資産をどれだけ持っているかを表しますが、当座比率を求める算式の分子になる当座資産には「棚卸資産」を含みません。棚卸資産とは在庫のことですが、現金化できる保証はなく、不良在庫になるリスクがあります。そのため、より厳密に支払能力を見定めるときは、換金性の低い棚卸資産を差し引いて計算する当座比率を活用するのが理想なのです。
流動比率の計算式
参考までに、流動比率の計算式も紹介しておきます。
流動比率(%) = 流動資産 ÷ 流動負債 × 100
当座比率の目安は90%以上
会社の規模や業種によって異なりますが、一般的に当座比率が90%を上回っていれば短期的に安全であるとされます。逆に、70%を下回っていると支払能力に問題があると判断されます。
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