固定比率とは~計算式と目安についてわかりやすく解説~
更新日:2023年11月24日
固定比率とは、財務分析の安全性分析の指標で、会社の長期的な支払能力を分析する際に用いる経営指標のひとつです。貸借対照表の自己資本に対する固定資産の割合を示しています。
固定比率を計算する方法
固定比率の計算式は以下のとおりです。
固定比率(%) = 固定資産 ÷ 自己資本 × 100
固定資産とは何か
固定資産とは、長期間にわたって使用される資産のことです。通常であれば1年間を超えて現金化されず、有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産に分かれます。固定資産で代表的なのは、土地、建物、設備、営業権、商標権、投資有価証券、保証金などです。
自己資本とは何か
自己資本とは、株主からの出資金と、蓄積した利益のことです。純資産とも呼ばれます。自己資本は、資本金、資本剰余金、利益準備金、自己資本などに分かれます。
参考)純資産とは何か~株主資本、評価・換算差額等、新株予約権~
固定比率から何が分かる?
固定比率は、固定資産への投資額と自己資本を比較したもので、固定資産に投資した資金が、どのくらい自己資本でまかなわれているかを表しています。固定比率を見れば、会社の長期的な支払能力(長期安全性)が分かります。一般的に、固定資産への投資を回収するには長期間を要するため、できるだけ返済義務のない自己資本でまかなわれていたほうが良いとされています。
固定比率の目安は100%以下
固定比率が100%以下であれば、固定資産より自己資本のほうが大きいということ。つまり、会社が長期的に保有する固定資産を自己資本だけでカバーできており、経営は安全な水準にあると考えられます。固定比率が100%を上回る場合は、あわせて「固定長期適合率」も分析しましょう。
固定比率と固定長期適合率の違い
固定長期適合率は、固定比率の補助的な指標です。計算式も似ていますが、分母に「固定負債」を加えているのが異なります。固定長適合率は、長期の資金(固定負債と自己資本)の調達で、固定負債をまなかっているかと表しています。
固定長期適合率の計算式
固定長期適合率(%) = 固定資産 ÷( 固定負債 + 自己資本 ) × 100
固定負債とは何か
固定資産と似ている「固定負債」とは、返済の期限が1年間を超える負債を指します。代表的なのは長期借入金、社債、退職給付引当金などです。
固定比率まとめ
- 固定比率とは、会社の長期安全性を分析する経営指標
- 固定比率(%) = 固定資産 / 自己資本 × 100
- 固定比率が100%以下であれば、経営は安全な水準にあると考えられる
この記事の監修者
牛崎 遼 株式会社フリーウェイジャパン 取締役
2007年に同社に入社。財務・経理部門からスタートし、経営企画室、新規事業開発などを担当。2017年より、会計などに関する幅広い情報を発信する「会計ブログ」の運営責任者を継続している。これまでに自身で執筆または監修した記事は300本以上。
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当社、株式会社フリーウェイジャパンは、1991年に創業した企業です。創業当初から税理士事務所・税理士法人向けならびに中小事業者(中小企業および個人事業主)向けに、会計ソフトなどの業務系システムを開発・販売しています。2017年からは、会計・財務・資金調達などに関する情報を発信するメディアを運営しています。
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