BPS(一株当たり純資産)とは~計算方法と1株あたりの解散価値~

更新日:2020年11月19日

一株当たり純資産(BPS)

一株当たり純資産(BPS:Book Value Per Share)とは、財務分析で企業の成長性を分析するの指標の一つであり、1株に対して会社の純資産がいくらあるかを表す指標です。「1株純資産」「1株あたりの解散価値」とも呼ばれます。※2020年11月19日に更新

BPS(一株当たり純資産)の3つのポイント

  • 一株当たり純資産(BPS:Book Value Per Share)とは、企業の成長性分析の指標の一つであり、1株に対して会社の純資産がいくらあるかを表すものである。
  • 一株当たり純資産は以下の計算式で求められる。

    一株当たり純資産(円) = 純資産 ÷ 発行済株式総数

  • 一株当たり純資産は、仮に会社が解散・清算した場合、株主のもとに残る価値になるため、「1株あたりの解散価値」とも呼ばれる。

BPS(一株当たり純資産)の求め方

一株当たり純資産(円) = 純資産 ÷ 発行済株式総数

一株当たり純資産は、純資産を発行済株式総数で割って求めます。なお、ここで言う純資産は決算の数値を用いることが多いですが、将来の予測値を用いるケースもあります。たとえば、純資産が1000万円、発行済株式総数が20万株の会社の一株当たり純資産は、50円(1000万円 ÷ 20万株)です。

BPS(一株当たり純資産)から何が分かる?

一株当たり純資産が高いほど純資産が多く、負債が少ないということで、すなわち安定性が高い会社であると判断されます。一方で、一株当たり純資産が低いと純資産が少なく、負債が多いということになり、安定性を欠く会社であると見られます。 また、一株当たり純資産と株価を比較することで、その株が割高か割安か判断することもできます。

BPS(一株当たり純資産)の比較

  • A社 株価:1000円、BPS:500円
  • B社 株価:1000円、BPS:1500円

この場合、A社もB社も株価は同じです。しかし、A社は株価よりも一株当たり純資産のほうが低いため、株が割高だと判断できます。一方で、B社は株価よりも一株当たり純資産のほうが高いので株が割安だと判断できます。

BPS(一株当たり純資産)の増減要因

一株当たり純資産は、自社株買いや株式併合によって発行済株式総数が減少すると高くなります。一方で、株式分割や転換社債の発行、ストックオプションなどで発行済株式総数が増加すると低くなります。 また、利益を増やすなどして純資産を増加させれば、一株当たり純資産を高めることが可能です。

1株あたりの解散価値とは?

一株当たり純資産は、その会社の1株に割り振ることができる純粋な財産だといえます。すなわち、仮に会社が解散・清算した場合、株主のもとに残る価値が一株当たり純資産です。そのため、一株当たり純資産は「1株あたりの解散価値」とも呼ばれます。たとえば、一株当たり純資産が1000円の会社が解散した場合、株主は1株あたり1000円を受け取れます。※ただし、BPSの計算上の話であり、会社が本当に解散した時に、その金額を実際に受け取れる保証はありません。

この記事の監修者

牛崎 遼 株式会社フリーウェイジャパン 取締役

2007年に同社に入社。財務・経理部門からスタートし、経営企画室、新規事業開発などを担当。2017年より、会計などに関する幅広い情報を発信する「会計ブログ」の運営責任者を継続している。これまでに自身で執筆または監修した記事は300本以上。

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