DCF法とは何か?メリットとデメリットについて
2020.11.19

DCF法とは、企業価値評価法の一つです(DCFは、ディスカウンテッド・キャッシュ・フローの略)。会社が将来生み出す価値をフリーキャッシュフローで推計し、資本コスト(WACC)で割り引いて現在価値(DCF)に換算して会社を評価します。DCF法は「割引キャッシュフロー」「割引現金収支法」と呼ばれることもあります。
DCFで将来キャッシュフローの現在価値が分かる
DCF法では、会社が将来的に生み出すフリーキャッシュフローを、リスクなどを勘案した割引率によって現在価値に割り引いて評価額を算出します。DCF法によって評価する「割引現在価値」が大きいほど、将来、その会社が獲得するキャッシュが多いと判断できます。
DCF法と時価純資産法との違い
企業価値を算出・評価する方法はいくつかありますが、DCF法とよく対比される方法として「時価純資産法」があります。時価純資産法とは、会社が有するすべての資産を時価換算して、のれん(営業権)を足して企業価値を算出する方法です。特に、中小企業同士のM&Aにおいてよく用いられます。両者の最大の違いは、DCF法が、会社が将来生み出すであろうフリーキャッシュフローをもとに会社の価値を算出するのに対し、時価純資産法が、会社が有する資産価格をベースに評価する点です。当然、DCF法と時価純資産法とでは、算出される結果が異なる場合があります。
DCF法のメリット
DCF法は、会社が持つ「のれん」や将来に対する期待を反映する評価方法として合理的だと言われており、大企業のM&Aではよく用いられます。売り手企業が生み出すフリーキャッシュフローを計算するため、買収する企業としては具体的な金額で買収のメリットを把握できます。
DCF法のデメリット
DCF法では、将来の予想収益を基に評価を行うため、対象とする会社の将来の事業計画が必要になります。つまり、事業計画の精度や信頼性が企業価値に影響を与えます。事業計画が客観性に乏しく、信頼性の低いものであれば、算出される企業価値が大きく左右されるリスクがあります。
DCF法のまとめ
- DCF(ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー)法とは、企業価値評価法の一つで、会社が将来生み出す価値を、フリーキャッシュフローをベースに割り引いて現在価値に換算する方法である。
- DCF法は、会社が持つのれんや将来に対する期待を反映する評価方法として合理的だと言われており、大企業のM&Aではよく用いられる。
- DCF法では、対象とする会社の将来の事業計画が必要になり、この事業計画の精度・信頼性によって、算出される企業価値が大きく左右される。
関連記事
【記事の執筆と監修について】
この記事は、株式会社フリーウェイジャパンが執筆および監修をしています。当社は1991年に創業し、税理士事務所向けの会計ソフトの販売からスタートした会社です。2009年から中小企業・個人事業主の方向けにクラウド型の業務系システムの開発・販売を開始しました。当メディアは2012年から運営しており、会計や金融など経営に関する幅広い情報を発信しています。また、当社は本当に無料で使える会計ソフト「フリーウェイ経理Lite」を提供しており、ご利用いただければ費用をかけずに業務効率化が可能です。詳しくは、こちら↓↓
同じカテゴリの記事