企業価値とは何か?~事業価値、株主価値の違い~

更新日:2020年11月19日

企業価値

企業価値とは、その企業全体の価値のことです。企業の事業活動からもたらされる事業価値に、投資有価証券や遊休資産などの非事業用資産の価値を含めた価値を言います。ファイナンスの目的は、企業価値を最大化することです。

企業価値と事業価値の違い

事業価値とは、企業の事業活動からもたらされる価値のことです。その事業が将来どれだけのキャッシュフローを生み出すかによって算出するもので、貸借対照表には計上されない「のれん」や特許権、商標権などの無形資産も含まれます。「企業価値 = 事業価値 + 非事業用資産」という公式が成り立ちます。

企業価値と株主価値の違い

株主価値とは、株主に帰属する価値のことであり、企業価値から有利子負債などの他人資本(負債)を差し引いたものです。「企業価値 = 株主価値 + 負債価値」という公式が成り立ちます。

企業価値の評価方法

企業価値の評価方法には様々は方法がありますが、一般的には、「コスト・アプローチ」「インカム・アプローチ」「マーケット・アプローチ」の3つに分けられます。

コスト・アプローチ

コスト・アプローチは、評価対象となる企業が保有している純資産をもとに企業価値を算出する方法です。コスト・アプローチの代表的な方式には、帳簿純資産方式や時価純資産方式があります。

インカム・アプローチ

インカム・アプローチは、評価対象企業が将来獲得するであろう利益・キャッシュフローをもとに企業価値を算出する方法です。インカム・アプローチの代表的な方式には、配当割引方式や収益還元方式、DCF法があります。

マーケット・アプローチ

マーケット・アプローチは、評価対象企業が上場会社の場合は市場株価を基礎として、非上場会社の場合は、同業他社や類似取引事例などをもとに企業価値を算出する方法です。マーケット・アプローチの代表的な方式には、市場株価方式や類似会社比準方式、取引事例方式などがあります。

企業価値のまとめ

  • 企業価値とは、その企業全体の価値のことであり、企業の事業活動からもたらされる事業価値に、投資有価証券や遊休資産などの非事業用資産の価値を含めた価値を言う。
  • 事業価値とは、企業の事業活動からもたらされる価値のことであり、株主価値とは、株主に帰属する価値のことであり、企業価値から有利子負債などの他人資本を差し引いたものである。
  • 企業価値の評価方法には様々は方法があるが、一般的には、「コスト・アプローチ」「インカム・アプローチ」「マーケット・アプローチ」の3つに分けられる。

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この記事の監修者

牛崎 遼 株式会社フリーウェイジャパン 取締役

2007年に同社に入社。財務・経理部門からスタートし、経営企画室、新規事業開発などを担当。2017年より、会計などに関する幅広い情報を発信する「会計ブログ」の運営責任者を継続している。これまでに自身で執筆または監修した記事は300本以上。

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