仮払金とは?決算までの整理に必要な仕訳
2018.10.02

従業員の出張などの際に、経費を事前に渡し、後日に精算することがあります。このように、内容や金額が確定していないうちに支払ったお金を「仮払金」といいます。仮払金は「支出はしたものの勘定科目や金額を確定できていない状態のお金」で、確定した時点で費用になります。そのため、支払った段階の仕訳では貸借対照表の資産として、借方に記入します。
仮払金を支払ったときの仕訳
例)従業員の出張経費10,000円を現金で渡した場合
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
仮払金 | 10,000円 | 現金 | 10,000円 |
内容や金額が未確定のお金を支払った場合、一旦「仮払金」という資産が増えたと考えます。
仮払金を精算するときの仕訳
後日、内容と金額が確定したら、正しい勘定科目に振り替えます。実際に使った分は「費用」になります。差額があれば、その分は現金などで精算します。
仮払金よりも経費の金額が少ないときの仕訳
例)出張の旅費8,000円を精算し、残金の2,000円を現金で受け取った場合
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
旅費交通費 | 8,000円 | 仮払金 | 10,000円 |
現金 | 2,000円 | ||
仮払金という資産が減少するため、借方に仮払金を記入します。仮払金よりも経費の金額が少なかったときは、残金(現金)と経費の勘定科目を借方に記入します。
仮払金よりも経費の金額が多いときの仕訳
例)出張の旅費が12,000円かかったため、不足分2,000円を渡した場合
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
旅費交通費 | 12,000円 | 仮払金 | 10,000円 |
現金 | 2,000円 |
仮払金という資産が減少するため、借方に仮払金を記入します。仮払金よりも経費の金額が多かったときは、経費の勘定科目と差額で渡した現金を借方に記入します。
仮払金は決算までに整理する
仮払金というのは、会社の外部の人から見れば「使途が分からないお金」のため、決算までに費用として処理できるようにしておくと無難です。銀行に決算書を提出したときに仮払金の残高があると、その内訳について説明を求められることがあります(決して良い印象を与えません…)。
仮払金は、あくまで仮の姿
今回は、内容や金額がはっきりしないうちにやり取りしたお金「仮払金」について紹介しました。仮払金は、長期間確認せずにいると、気がついたら大きな金額になっていることがあります。あくまで“仮”の勘定科目であるという認識を忘れないようにしましょう。