当座預金とは何か~普通預金の違い、手形の不渡りとの関係~
2023.02.07

当座預金とは、企業や個人事業主が小切手・手形の支払いを目的として開設する決済専用の口座です。企業や個人事業主が営業資金の出納を確実に管理し、商取引を効率的にする手段として活用されています。今回は、当座預金と普通預金との違い、金融機関が破綻したときの当座預金の保護、当座預金の残高管理の重要性について解説します。
当座預金の3つのポイント
- 当座預金とは、小切手や手形によって支払われる、企業・個人事業主に適した業務用口座のことである。
- 当座預金は普通預金と異なり「利息がつかない」「当座借越ができる」などの特徴がある
- 金融機関が破綻した場合、当座預金は全額保護される。
当座預金と普通預金との違い
一般的に、個人が金融機関に口座を開く場合には普通預金口座を開設します。当座預金は、次に挙げるように普通預金との違いが多くあります。
利息がつかない
普通預金との大きな違いは、当座預金は無利息であるという点です。臨時金利調整法という法律によって、利息をつけることが禁止されています。
ATMで入金(預け入れ)・出金(引き出し)ができない
当座預金の場合、ATMを利用して入金・出金を行うことはできません。引き出しは小切手や手形、口座振替によって行われます。預け入れの場合は、当座預金入金帳が必要です。なお、入金・出金にともなう手数料はかかりません。
引き出し限度額がない
普通預金は1日に引き出せる金額の上限が、個人の場合100万円、法人の場合は1,000万円と定められています。一方の当座預金は引き出しの限度額の定めがなく、大きな金額を動かす必要のある商取引に適していると言えます。
当座借越ができる
当座預金を開設する際には「当座借越契約」を締結し、借越限度額を設定することができます。これによって、引き出しの際に預金残高が不足していたとしても、あらかじめ決められた限度額の範囲内であれば、手続き不要で金融機関からの借り入れが可能です。一時的に残高がマイナスで記載され、入金があった際に借り入れ分が自動的に返済されます。
当座預金は全額が保護される
万が一、金融機関が破綻してしまったとすると、普通預金の場合はペイオフが適用され、1つの金融機関あたり1,000万円までしか払い戻されません。しかし当座預金は一定要件を満たす“決済用預金”に該当するため、銀行が破綻しても、預金保険制度によって全額が保護される決まりになっています。
当座預金の残高管理は重要~不渡りに注意~
前述の通り、当座預金の引き出しには小切手や手形が使われますが、引き出しが必要な段階で預金残高がゼロである場合、取引できません。この状態を「不渡り」と呼びます。
同一の金融機関において6ヶ月の間に、2度の不渡りを起こしてしまうと、取引停止処分を受けることになります。取引停止処分を受けると、その後2年にわたり全国の金融機関で当座取引などが禁止され資金調達が難しくなることから、事実上の倒産に追い込まれる会社がほとんどです。注意しましょう。
【記事の執筆と監修について】
この記事は、株式会社フリーウェイジャパンが執筆および監修をしています。当社は1991年に創業し、税理士事務所向けの会計ソフトの販売からスタートした会社です。2009年から中小企業・個人事業主の方向けにクラウド型の業務系システムの開発・販売を開始しました。当メディアは2012年から運営しており、会計や金融など経営に関する幅広い情報を発信しています。また、当社は本当に無料で使える会計ソフト「フリーウェイ経理Lite」を提供しており、ご利用いただければ費用をかけずに業務効率化が可能です。詳しくは、こちら↓↓
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