財務諸表の作成~簿記3級の集大成~

2018.03.22

財務諸表

企業の決算時には、経営成績や財務状況を把握するための資料として「財務諸表」を作成します。税務申告の際に必要なので、必ず作成しましょう。似たような言葉に決算書、計算書類があります(参考:決算書とは?)。簿記3級レベルで必要になるのは、損益計算書貸借対照表の作成です。今回は、その2点について解説します。

損益計算書の作成

損益計算書は、一定期間の企業の経営成績を表す資料です。損益計算書には、その事業年度の収益と費用を記帳します。損益振替の際に収益と費用は損益勘定にまとめているため、締め切り済みの損益勘定から作成が可能です。

損益計算書では、借方に費用の科目を、貸方に収益の項目を記帳します。ただし、科目によっては表示名を変える必要があり、「売上」は「売上高」、「仕入」は「売上原価」とします。資本振替で資本金に振り替えている分は、「当期純利益」として表示します。

例)損益に振り替えた金額が売上で20,000円、売上原価が13,000円、貸倒引当金繰入が600円、消耗品費が4,000円、減価償却費が1,000円、当期純利益で1,400円増えている場合。

損益計算書
企業名 自平成〇〇年1月1日
至平成〇〇年12月31日
 
費用 金額 収益 金額
売上原価 13,000 売上高 20,000
貸倒引当金繰入 600
消耗品費 4,000
減価償却費 1,000
当期純利益 1,400
20,000 20,000

貸借対照表の作成

貸借対照表は、事業年度末の時点での財務状況(資産負債純資産)を把握するための資料です。事業年度末の時点で、資本金や純資産の金額をもとに、資産や負債の額を把握できます。貸借対照表は繰越試算表とほぼ同じ形式になります。ただし、「繰越商品」は「商品」となるよう表示名を変えなければなりません。また、売掛金に貸倒引当金を設定している場合と、減価償却累計額の扱いに注意しましょう。

例)繰越精算表の金額が現金で5,000円、売掛金が12,000円、繰越商品が5,000円、備品が9,000円、買掛金が10,000円、借入金が3,700円、減価償却累計額が2,000円、貸倒引当金が300円、資本金が15,000円だった。資本金の額は期首が10,000円で、当期純利益が5,000円増加している場合。

繰越試算表
平成〇年12月31日
借方 勘定科目 貸方
5,000 現金
12,000 売掛金
5,000 繰越商品
9,000 備品
買掛金 10,000
借入金 3,700
減価償却累計額 2,000
貸倒引当金 300
資本金 15,000
31,000 31,000

繰越試算表をもとに、貸借対照表を作成します。

貸借対照表
企業名 平成〇〇年12月31日
 
資産 金額 負債及び純資産 金額
現金 5,000 買掛金 10,000
売掛金 12,000 借入金 3,700
貸倒引当金 300 11,700 資本金 10,000
商品 5,000 当期純利益 5,000
備品 9,000
滅価償却累計額 2,000 7,000
28,700 28,700

貸倒引当金売掛金から差し引く形で表示し、減価償却累計額は対象となる備品や建物、車両などから差し引きます。

資本金は資本振替前の金額を記帳します。資本振替前であるため当期純利益の分は含まず、当期純利益は資本金の下に表示します。表を作成し終えたら、必ず貸方と借方の合計額が一致するのを確認しておきましょう。貸借対照表の場合には、表の上部に企業名と年月日を記入します。

簿記の集大成

損益勘定の締め切りと繰越試算表の作成まで終わっていれば、損益計算書と貸借対照表の作成はそれほど難しくはありません。仕入を売上原価にするなど、科目名と表示名が異なるものがあることを注意しておきましょう。財務諸表は、税務申告に必要であり、会社の経営成績や財務状態の健全さについて大体の把握ができるため、作成手順を理解しておいてください。財務諸表まで作れたら、簿記3級レベルはマスターといってもよいでしょう。

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