見越しとは未払費用と未収収益の仕訳~

数式

当期に発生している費用でありながら、後払いのため当期中には支払わない費用(未払費用)や、当期中に収益が発生しているが当期中には受け取らない収益(未収収益)がある場合、決算処理にて当期の費用・収益として計上します。今回は、この「見越し」について。※2018年2月13日に公開

費用の見越しとは?

後払い契約になっているメンテナンス費用や借入れ利息など、次期に支払う義務のある当期分の費用については、貸方を「未払費用勘定(負債)」にして、借方を「費用勘定」に記入します。これを「費用の見越し」といいます。

費用の見越しの処理

代表的な見越しの処理として、「未払利息(負債)」という勘定科目を使った仕訳があります。実際には金額を支払っていない状態でも、決算整理にて当期分の利息を記帳します。合わせて、当期の分の利息を次期に支払う義務として、未払利息を計上しましょう。

例)10月1日に、借入期間6ヶ月、年利率6%、利息と元金は翌年3月31日に全額まとめて支払うという契約で、銀行から100万円を借り入れた場合(※決算は年1回、12月31日とする)。

決算時

借方 貸方
支払利息 15,000 未払利息 15,000

借り入れてからすでに経過している期間(10月1日から12月31日まで3ヶ月分)の利息分を費用計上します。

1,000,000円×6%÷12ヶ月=5,000円(1ヶ月分の利息)

5,000円×3ヶ月分=15,000円(3ヶ月分の利息)

当期の期末時点では、現金や預金で支払っておらず、将来支払う義務があるため、相手方を未払利息(負債)にして「支払利息(費用)」を計上します。

翌期の処理(再振替仕訳)

借方 貸方
未払利息 15,000 支払利息 15,000

翌期には期末に見越しした利息分を含め、契約した利息の全額を「支払利息勘定」で支払う予定なので、翌期の期首に、期末に見越しした分を再度振替えして支払利息を減らし、残高を元に戻しておきます。

支払い時

借方 貸方
借入金 1,000,000 現金 1,030,000
支払利息 30,000

3月31日、元金1,000,000円と、契約した6ヶ月分の利息(5,000円×6ヶ月分=30,000円)を現金で銀行に支払います。

実際に支払った費用を、支払利息で計上します。この期の会計上の支払利息(費用)の残高は、実際に支払った30,000円から前期分として計上した15,000円を差し引いた、15,000円になります。

収益の見越しとは?

後払い契約で受け取ることになっている手数料など、次期に受け取る当期分の収益については、貸方を「未収収益勘定(資産)」にして当期の「収益勘定」に計上します。これを「収益の見越し」といいます。

収益の見越しの処理

収益の見越しの処理は、基本的に費用の見越しと同じです。

例)9月1日に、得意先に対して期間5ヶ月(11月~3月)、月10,000円の手数料の受け取りを契約した。手数料は5ヶ月分まとめて3月に受け取る契約である(※決算は年1回、12月31日とする)。

決算時

借方 貸方
未収手数料 20,000 受取手数料 20,000

契約してからすでに経過している期間(11月から12月まで2ヶ月分)の手数料分を収益計上します。

10,000万円×2ヶ月=20,000円(2ヶ月分の手数料)

当期の期末時点では、実際に現金や預金で受け取っておらず、将来受け取る予定なので、相手方を未収手数料(資産)にして「受取手数料(収益)」を計上します。

翌期の処理(再振替仕訳)

借方 貸方
受取手数料 20,000 未収手数料 20,000

翌期には期末に見越しした手数料分を含め、契約した手数料の全額を受取手数料勘定で受け取る予定なので、翌期の期首に、期末に見越しした分を再度振替えして受取手数料を減らし、残高を元に戻しておきます。

受け取り時

借方 貸方
現金 50,000 受取手数料 50,000

3月31日に、契約した5ヶ月分の手数料を現金で受け取ります。

10,000万円×5ヶ月=50,000円(契約した5ヶ月分の手数料)

実際に受け取った費用を、「受取手数料」で計上します。当期の会計上の受取利息(収益)の残高は、実際に受け取った50,000円から前期分として計上した20,000円を差し引いた、30,000円になります。

「繰延べ」と「見越し」の違いを理解しよう

今回は、費用と収益の見越しについて解説しました。「費用と収益の繰延べ」との違いがわかりにくいという方も多いかもしれません。決算月をまたいで発生する費用と収益については、今回ご紹介したような調整が必要になります。

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