キャッシュ・フロー計算書

キャッシュ・フロー計算書

キャッシュ・フロー計算書とは、会社の一定の会計期間において、どれだけの現金が流入し(キャッシュインフロー)、どれだけの現金が流出していったか(キャッシュアウトフロー)という状況を示す決算書(財務諸表)です。「C/F」と略されることもあります。貸借対照表(B/S)損益計算書(P/L)と並び、財務三表とも呼ばれ、キャッシュ・フロー計算書を見れば、会社のキャッシュの増減やその原因を把握できます。※2018年6月11日に更新

キャッシュ・フロー計算書の3つのポイント

  • キャッシュ・フロー計算書は、会社の一定の会計期間におけるキャッシュの増減を示す財務諸表である。資金の流れを正確に把握することで、黒字倒産を防ぐなどの役割がある。
  • キャッシュ・フローは、営業活動、投資活動、財務活動に区分して表示される。
  • キャッシュ・フロー計算書を作る方法は、直接法と間接法がある。間接法の方が手間が少ないが、営業活動によるキャッシュ・フローが増減した原因を詳しく知りたいなら直接法が向いている。

キャッシュ・フロー計算書が必要な理由

会社は、日常的に売掛金買掛金での取引しているため、商品・サービスの提供とその代金回収には時間差が生じます。この入金のズレによって、黒字なのに資金不足の状態に陥ったり、黒字倒産を起こしたりすることがあります。このようなリスクを読み取るために生まれたのが、キャッシュ・フロー計算書です。

キャッシュ・フロー計算書の作成義務

キャッシュ・フロー計算書は、2000年3月期より、株式を公開している上場会社等において作成・開示が義務付けられました。株式を公開していない会社は、キャッシュ・フロー計算書の作成義務はありません。

キャッシュ・フローは3種類

キャッシュ・フロー計算書は、「営業キャッシュ・フロー」「投資キャッシュ・フロー」「財務キャッシュ・フロー」の3つに分類されます。

  • 営業活動によるキャッシュ・フロー

    営業活動によるキャッシュ・フローとは、営業活動によるお金の流れを示すもの。商品の販売やサービスの提供など、会社が営業活動から得たキャッシュの流れを表します。

  • 投資活動によるキャッシュ・フロー

    投資活動によるキャッシュ・フローとは、投資活動によるお金の流れを示すもの。設備投資や固定資産の取得・売却によるお金の増減を表わします。

  • 財務活動によるキャッシュ・フロー

    財務活動によるキャッシュ・フローとは、財務活動によるお金の流れ・増減を示すもの。会社がどのように資金調達(借入)をして、どのように返済したかを表します。

直接法と間接法の違い

キャッシュ・フロー計算書の作成方法は、直接法と間接法の2種類あります。両者の違いは、営業活度によるキャッシュ・フローの計算方法です。財務活動、投資活動によるキャッシュ・フローの計算方法は同じです。ちなみに、多くの会社で採用されているのは、手間の少ない間接法です。

  • 直接法

    直接法は、キャッシュ・フローの収入と支出を取引ごとに集計する方法です。たとえば、現金で売上を計上したら「営業収入」、同じく現金で仕入れたら「原材料または商品の仕入支出」、人件費を現金で支払えば「人件費支出」として集計します。直接法でキャッシュ・フロー計算書を作ると、間接法に比べると集計作業に手間が発生しますが、営業活動によるキャッシュ・フローが増減した原因が詳しく分かります。

  • 間接法

    間接法は、まず税引前当期純利益(法人税等を差し引く前の当期純利益)計算して、キャッシュ・フローが増減しない収益や費用(非資金損益)を足したり引いたりするなどして、営業活動によるキャッシュ・フローを計算する方法です。直接法に比べると計算が簡単なため、多くの会社では間接法でキャッシュ・フロー計算書を作っています。

非資金損益は現金を増減させない

非資金損益とは、キャッシュ・フローを増減させない損益のことです。非損益費用と非損益収益に分かれます。いずれも、間接法でキャッシュ・フロー計算書を作る場合に、税引前当期純利益から非資金損益を足し引きして、営業活動によるキャッシュ・フローを計算します。

  • 非損益費用

    非損益費用は、税引前当期純利益に足します。非損益費用といえば、減価償却と各種の引当金(例:貸倒引当金)です。減価償却費は、固定資産を取得したときに資産計上し、その後に償却していくときの費用です。固定資産の取得時にキャッシュ・フローが減少していますので、減価償却費を計上してもキャッシュ・フローは減りません。引当金でよく使われる貸倒引当金は、貸倒損失のリスクにそなえて「貸倒引当金繰入」として費用計上します。引当金という名前ですが、キャッシュ・フローは減りません。このように、キャッシュ・フローを減少させない費用は、税引前当期純利益に加算することになります。

  • 非損益収益

    非損益収益は、税引前当期純利益から引きます。非損益収益といえば、売上債権(売掛金や受取手形)の増加額です。掛取引で売上を計上した場合、代金を回収するまではキャッシュ・フローは増えません。売上が増えれば利益も増えますが、未回収の売上債権が増えても、キャッシュ・フローは増えていないのです。このように、キャッシュ・フローを増加させない収益は、税引前当期純利益から差し引きます。

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