のれんとは何か?具体例と償却について解説

2024.01.26

のれん

「のれん」とは、企業がM&A(買収・合併)で支払った金額のうち、買収先企業(被承継企業)の純資産を上回った差額のことを言います。のれんは、企業間におけるM&Aの際に用いられる勘定科目の一つであり、以前は「営業権」と呼ばれていました。今回は、のれんの具体例や償却について解説します。

のれん=超過収益力

のれんは、被承継企業のブランド力や技術力、人的資源や地理的条件、顧客ネットワークなど、見えない資産価値を表しており、企業の「超過収益力」と説明されることもあります。なお、M&Aで支払った金額が被継承企業の純資産を下回った場合、その差額は「負ののれん」と呼ばれます。

のれんの具体例

たとえば、A社が純資産100億円のB社を120億円で買収したとします。この場合、A社は100億円の価値があるB社を、20億円多く支払って購入したことになります。この差額である20億円がのれんです。のれんである20億円は、A社が、B社の有するブランド力や技術力などの見えない価値を評価して、お金に換算したものだと見ることができます。逆に、A社がB社を90億円で買収したとします。この場合、B社の純資産額を10億円下回っていますので、10億円は負ののれんということになります。

のれんの償却

のれんは、貸借対照表では無形固定資産として経理処理することとされており、日本の会計基準では、のれんを20年以内の期間で均等に償却するように定めています。上述の例で言うと、A社の貸借対照表には20億円ののれんが無形固定資産として計上されます。こののれんを20年間で償却する場合、毎年1億円の「のれん償却」を計上し、のれんを1億円ずつ減らしていきます。

参考)貸借対照表とは

国際会計基準では、のれんを償却しない?

このように、日本ではのれんを償却するルールになっていますが、これは、買収時に価値のあったブランド力などの超過収益力は時間とともに失われていくという考えに基づいています。一方で、国際会計基準(IFRS)では原則としてのれんの償却は行わず、著しくのれんの価値が損なわれた場合だけ減損処理をすることとされています。つまり、IFRS を適用された方が、のれん償却の分だけ利益が増える可能性があるわけです。

参考)国際会計基準IFRSとは

のれんのまとめ

  • のれんとは、企業がM&A(買収・合併)で支払った金額のうち、買収先企業(被承継企業)の純資産を上回った差額のことである。
  • のれんは、被承継企業のブランド力や技術力、人的資源や地理的条件、顧客ネットワークなど、見えない資産価値を表しており、企業の「超過収益力」と説明されることもある。
  • のれんは、貸借対照表では無形固定資産として経理処理することとされており、日本の会計基準では、のれんを20年以内の期間で均等に償却するように定めている。

この記事の監修者

牛崎 遼 株式会社フリーウェイジャパン 取締役

2007年に同社に入社。財務・経理部門からスタートし、経営企画室、新規事業開発などを担当。2017年より、会計などに関する幅広い情報を発信する「会計ブログ」の運営責任者を継続している。これまでに自身で執筆または監修した記事は300本以上。

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