貸倒引当金

貸倒引当金(かしだおれひきあてきん)とは、貸倒損失によるリスクに備え、損失になるかもしれない金額を予想して、あらかじめ計上した引当金です。貸倒れとは、取引先の倒産などの理由で、債権(売掛金や受取手形など)を回収できなくなることです。その損失を、貸倒損失と呼びます。※2017年4月28日に更新

貸倒引当金の目的

貸倒引当金の大きな目的は、正確な期間損益を計算することです。たとえば、事業年度が4月1日~3月31日のA社があったとします。A社は、2015年5月1日にB社に10,000円の商品を掛けで売り上げ、翌2016年6月1日にB社が倒産しました。この場合、2015年5月1日に売上が発生して、翌2016年6年1日に費用(貸倒損失)が発生していますが、収益と費用が異なる事業年度で発生しています。

企業会計原則の一つに、費用と収益を対応させなければならないという「費用収益対応の原則」があります。費用は収益を得るために使われたお金ですから、これが事業年度をまたいでしまうと、正確な期間損益の算定ができなくなってしまうのです。こういったケースでも、あらかじめ貸倒引当金を計上しておけば貸倒損失は発生せず、帳簿の整合性を保てます。

貸倒引当金の対象となる債権

貸倒引当金の対象となる債権は、売掛金、貸付金、未収入金、受取手形などです。一方で、預け金、差入保証金、敷金、手付金、前払金、仮払金などは、貸倒引当金の対象になりません。

貸倒引当金繰入額とは?

貸倒引当金を設定する際は、回収できなくなる可能性のある金銭債権の評価を行い、取立不能見込額を見積もって費用に繰り入れます。その際に、計上する金額を表す勘定科目が貸倒引当金繰入額です。また貸倒引当金繰入額は、現金が流出しない費用(非現金支出費用)のため、キャッシュフロー計算書を間接法で作る場合には、税引前当期純利益に加算されます。

貸倒引当金の繰入方法

貸倒引当金の繰入方法は、「洗替法」と「差額補充法」があります。税法上は、洗替法が原則ですが、一定の要件のもとで差額補充法を採用することもできます。

  • 洗替法

    決算時に、前期末の貸倒引当金を取り崩し、当期分を繰り入れる方法

  • 差額補充法

    決算時に、前期と当期の貸倒引当金の差額を補充する方法

まとめ

  • 貸倒引当金とは、債権回収のリスク(貸倒損失)に備えて計上した引当金
  • 貸倒引当金の目的は、帳簿の整合性を保ち、正確な期間損益を計算すること
  • 貸倒引当金の対象となる債権は、売掛金、受取手形、貸付金、未収入金など

関連記事

貸倒引当金について学んだら、永久無料の会計ソフト「フリーウェイ経理Lite」がおすすめです。


このエントリーをはてなブックマークに追加
そもそも、会計とは何か?
経理とは何か?
管理会計と制度会計の違いとは?
法人税等って何?
粉飾決算すると何が問題なの?
税効果会計で「差異」を調整する
粗利(売上総利益)
営業利益と経常利益の違いとは?
特別利益と特別損失って何が特別なの?
決算書(財務諸表・計算書類)
貸借対照表の見方
資産とは何なのか?
負債とは何を意味するのか?
純資産とは何を意味するのか?
損益計算書の項目
キャッシュフロー計算書
個別注記表
株主資本等変動計算書
減価償却で固定資産を費用にする
繰延資産
貸倒引当金
のれん
製造原価報告書
当期純利益の求め方
租税公課とは何か
交際費は損金算入できない?
役員報酬は経費になる?
法定福利費と福利厚生費の違いとは?
人件費とは何か?