財務分析とは何か

財務分析とは、会社の経営状態について様々な視点で分析する手法です。財務分析には手法があります。今回は大きく4つに分けて、財務分析の方法や指標を紹介します。※2017年7月19日に更新

財務分析の分類

会社を様々な角度から財務分析するにあたり、ここでは4つに分類します。くわしくは後で説明しますが、それぞれの内容は以下のとおりです。

  • 安全性…支払能力があるか、財務的に健全か
  • 収益性…効率よく利益を稼いでいるか
  • 生産性…付加価値を生み出すために経営資源を有効活用できているか
  • 成長性…将来の成長可能性があるか

安全性分析

安全性分析とは、どれだけ支払能力があるのかを分析する手法です。健全性分析、流動性分析と呼ばれることもあります。言葉のとおり、その会社が財務的に安全なのか、ずばり倒産リスクがないのかが分かるのが安全性分析です。安全性分析の経営指標は、さらに以下のように分かれます。

短期安全性(短期の支払能力)

長期安全性(長期の支払能力)

財務体質

  • 自己資本比率…自己資本÷総資本✕100
  • 負債比率(DEレシオ、レバレッジ比率、ギアリング比率)…負債÷総資本

    ※狭義のDEレシオ…有利子負債÷総資本

収益性分析

事業者は、様々な資本を使って営業し、売上を稼いで利益を出しています。収益性分析とは、活用した資本が効率よく利益を稼いでいるかを表す指標です。さらに、収益性分析は以下のように分かれます。

資本利益率

売上高利益率

  • 売上総利益率…売上総利益÷売上高✕100
  • 営業利益率…営業利益÷売上高✕100
  • 経常利益率…経常利益÷売上高✕100

売上高費用率

  • 売上高売上原価率(原価率)…売上原価÷売上高✕100
  • 売上高人件費比率…人件費÷売上高✕100
  • インタレスト・カバレッジ・レシオ…事業利益÷金融費用

    ※事業利益…営業利益+受取利息・配当金+有価証券利息

    ※金融費用…支払利息+手形売却損+社債利息+社債発行費等償却

資本回転率(資本回転期間)

  • 総資本回転率…売上高÷総資本
  • 有形固定資産回転率…売上高÷有形固定資産
  • 売上債権回転期間(年)…売上債権÷売上高

    ※売上債権…売掛金受取手形(+割引手形裏書手形

    ※売掛金と受取手形は貸倒引当金を控除する前の金額

  • 棚卸資産回転期間(年)…棚卸資産÷売上高

    ※棚卸資産…商品+製品+原材料+仕掛品

  • 買入債務回転期間(年)…買入債務÷売上高

    ※買入債務…買掛金+支払手形

  • 運転資金回転期間(年)…運転資金÷売上高

    ※運転資金…売上債権+棚卸資産-買入債務

損益分岐点

  • 損益分岐点…固定費÷限界利益率

    ※限界利益率…限界利益÷売上高、限界利益…売上-変動費

  • 損益分岐点比率(%)…損益分岐点売上高÷実際の売上高×100
  • 安全余裕率(%)…(実際の売上高-損益分岐点売上高)÷売上高×100

生産性分析

生産性分析とは、企業が付加価値を生み出すために経営資源を有効活用できたのかを測る財務分析手法です。経営資源とは、ヒト・モノ・カネです。ノウハウ(情報)を含むこともあります。生産性分析には、以下のような指標があります。

  • 付加価値経常利益+労務費+人件費+金融費用-金融収益+賃借料+租税公課+減価償却費

    ※便宜的に売上総利益を付加価値として用いる場合もある

  • 労働生産性…付加価値÷従業員数
  • 労働分配率…(労務費+人件費)÷付加価値✕100
  • 付加価値率…付加価値÷売上高
  • 1人あたり売上高…売上高÷従業員数
  • 労働装備率…有形固定資産÷従業員数
  • 設備生産性…付加価値÷有形固定資産

成長性分析

成長性分析とは、企業が将来的に成長しうるかを分析する手法です。上場企業などの決算発表で「増収増益でした」といった内容を聞くことがありますが、それがまさに将来性分析です。企業の将来性が重視される株式投資家に、よく見られる指標でもあります。将来性分析の指標には以下のようなものがあります。

売上と利益の伸び率

  • 増収率…(売上高÷前期の売上高-1)✕100
  • 増益率…(経常利益÷前期の経常利益-1)✕100

株主向け

まとめ

財務分析の手法について紹介しました。財務分析の手法を大きく分けると4つあり、安全性分析、収益性分析、生産性分析、成長性分析という分け方が可能です。他にも、損益分岐点分析、企業価値分析企業などの方法があります。

どんな情報を知りたいのかによって、使う分析手法は変わります。あなたが働いている会社の分析をするときも、倒産しないか不安なら安全性、拡大していく傾向なのか知りたければ成長性分析、と使い分けるようにしましょう。なお、個別の指標については別の記事で紹介していきます。

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