粗利(売上総利益)とは何か~計算方法と売上原価との関係~

財布とお札

働いていると、よく耳にする「粗利(粗利益)」という言葉。これは、会計上では「売上総利益」といいます。売上総利益は、売上高から「売上原価」を差し引くと計算が可能です。売上原価とは、商品の仕入れや製造をするときにかかった費用のことです。今回は、売上総利益(粗利)と売上原価について紹介します。※2021年5月18日に更新

粗利(売上総利益)のポイント

  • 粗利(売上総利益)は、その事業年度中の儲け。付加価値を生み出す競争力を表している。
  • 売上総利益 = 売上高 - 売上原価
  • 売上原価とは、”販売した”商品を仕入れ・製造するのにかかった費用である。
  • 売上原価 = 期首商品棚卸高 + 当期商品仕入高 - 期末商品棚卸高
  • 粗利を増やすには、売上を伸ばすか、売上原価を減らすこと。

粗利(売上総利益)とは

売上総利益(粗利益・粗利)とは、その事業年度中の儲けです。損益計算書に出てくる様々な利益の中で、いちばん上に記載されています。利益の源泉、といった表現をされることもあります。

粗利(売上総利益)の計算方法

粗利(売上総利益)の計算式は以下の通りです。

売上総利益 = 売上高 - 売上原価

売上総利益は、当期中に販売した商品の合計額(売上高)から、当該商品の仕入れ・製造にかかった費用(売上原価)を引くことで求められます。

粗利から「付加価値」が分かる

粗利(売上総利益)を見ると分かるのは、どれだけの「付加価値」をつけて商品を販売(提供)できたのかということです。売上原価は、商品の仕入れや製造にかかったコスト。そのコストに売上総利益を上乗せしたのが売上です。付加価値の低い商品であれば、売上原価にのせられる利益は少なくなります。

粗利は競争力を表している

前述の内容を言い換えると、売上総利益は「競争力」を表しているともいえます。競争力が高ければ、商品に高い付加価値をつけられるからです。たとえば、A社とB社が同じ商品を100万円で販売したものの、A社の方が優れた仕入れノウハウを持っていたため、A社の売上原価が50万円、B社の売上原価が75万円だったとします。すると、A社の売上総利益は50万円(100万円ー50万円)、B社は25万円(100万円ー75万円)となり、A社はB社の2倍の儲けを稼いだことになります。A社の仕入れノウハウは「競争力」であり、それが原因で売上総利益も増えたというわけです。

粗利率の計算方法

粗利率(売上総利益率)とは、売上高に占める粗利の割合です。競争力を粗利率で比べるという方法もあります。粗利率の計算式は以下の通りです。

粗利率=売上総利益 ÷ 売上高×100(%)

たとえば、A社とB社が同じ50万円の粗利を稼いだとします。A社の売上が100万円、B社が200万円だとすると、A社の粗利率は50%(50万円÷100万円)、B社の粗利率は25%(50万円÷200万円)となります。

売上原価とは何か?

売上原価とは、より正確に言えば”販売した”商品を仕入れ・製造するのにかかった費用(原価)です。つまり、仕入れたのに売れなかった商品の金額は、売上原価になりません。

売上原価の計算方法

仕入れて販売した分、売れなかった分とは、どのように計算すればよいのでしょうか。売上原価の計算式は、以下の通りです。

売上原価 = 期首商品棚卸高 + 当期商品仕入高 - 期末商品棚卸高

ある事業年度に仕入れた商品のすべてが、その年度中に売れるとは限りません。また、前年度の売れ残りを当期中に売ることもあるはずです。そのため、売上原価を求めるには、前期末から残っている在庫の金額(期首商品棚卸高)に、当期中に仕入れ・製造をした商品の費用(当期商品仕入高)を加え、そこから期末に売れ残った在庫の金額(期末商品棚卸高)を引く必要があります。

売上原価を計算してみる

実際に売上原価を求めてみましょう。

例)パソコンを販売するA社

  • パソコンの仕入価格:30,000円
  • 前年度に売れ残ったパソコン:20台
  • 当期中に仕入れたパソコン:100台
  • 当期末に売れ残ったパソコン:10台

この場合、売上原価は以下のように算出します。

  • 期首商品棚卸高:30,000円 × 20台 = 60万円
  • 当期商品仕入高:30,000円 × 100台 = 300万円
  • 期末商品棚卸高:30,000円 × 10台 = 30万円
  • 売上原価:330万円 = 60万円 + 300万円 - 30万円

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