減価償却費とは?計算方法や定額法・定率法の違いをわかりやすく解説

更新日:2025年03月31日

減価償却費

減価償却費とは、事業で使用する固定資産を取得する際にかかった費用を分割し、毎期の経費に計上していく際に用いる勘定科目を指します。計算する際は、定額法や定率法を用いることが一般的です。本記事では、減価償却費の計算方法や、計上時の注意点について解説します。

目次

そもそも減価償却とは

減価償却とは、設備投資などで事業で使用する固定資産を取得する際にかかった費用を分割し、毎期経費計上していく方法のことです。

減価償却の計算結果は、税務会計と企業会計とで異なることがあります。たとえば、税務会計では、償却限度額の範囲内であれば任意で実施できる場合があるのに対し(個人事業主の場合を除く)、企業会計の決算報告では必ず減価償却しなければなりません。

ここから、事業者が減価償却を実施することのメリットや、減価償却が必要な理由を説明します。

参考)国税庁「No.2100 減価償却のあらまし」

減価償却を実施するメリット

事業者は、減価償却を実施することにより節税効果を期待できる点がメリットです。設立初年度に1,000万円を設備投資したケースで考えてみましょう。

減価償却をしなければ、設備投資をした初年度しか経費として計上できません。そのため、とくに初年度に大きな利益を出していない場合は、利益の圧縮効果、節税効果が薄いです。

一方、仮に5年間にかけて減価償却する場合、1年目に200万円・2年目に200万円・3年目に200万円、と毎期経費を計上できます(定額法の場合)。その結果、2年目以降に黒字計上している場合に節税につながるでしょう。

また、減価償却を実施することで損益を正しく把握できる点もメリットです。

設備投資は、実際に費用を支払ったときにだけ効果が生じるものではありません。しかし、減価償却をせずに設備投資した年に全額を費用として計上すると、その年だけ投資額を考慮することになってしまいます。

その点、正しく減価償却をしていれば設備投資の効果を期待できる期間にわたって費用を考慮できるため、損益をより実態に即した数値として反映できるでしょう。

減価償却が必要な理由

減価償却が必要とされる主な理由は、会計上の適正な費用配分を促すためです。すでに紹介したとおり、減価償却を実施することにより、設備投資が複数年にわたって収益に与える影響を正しく会計に反映できます。

また、課税の公平性を保つことも理由のひとつです。毎年約1,000万円の所得を計上している事業者のケースで考えてみましょう。

ある年にたまたま業績が好調で1億円程度の所得が見込まれる場合、基本的に例年よりも多くの税金がかかります。しかし、仮に設備投資にかかる費用を一括計上できることにすると、業績が好調だった年にあえて9,000万円の設備投資をして極端に所得を圧縮し、税負担を軽減できてしまいます。

そこで、減価償却に関するルールが、恣意的な所得圧縮を防ぐ役割も果たしているというわけです。

減価償却費とは

減価償却費とは、減価償却を実施して費用を計上する際に使う勘定科目のことです。減価償却費の額は、減価償却の計算方法によって異なる場合があります。

たとえば、期首に30万円で取得した資産を定額法で5年かけて減価償却する場合、その期中に計上する減価償却費の額は6万円です(30万円 ÷ 5年)。減価償却費の計算方法については、後ほど詳しく解説します。

減価償却可能な資産

減価償却を実施して減価償却費を計上できる資産と、減価償却できない資産があります。減価償却可能な有形固定資産の具体例は、以下のとおりです。

  • 建物(例:オフィス)
  • 建物付属設備(例:オフィスの冷暖房機器)
  • 機械設備(例:自社工場に設置している機械)
  • 器具備品(例:オフィスで使用しているパソコン)
  • 車両運搬具(例:営業車)

また、ソフトウェアや特許権などの無形固定資産でも、減価償却を実施できます。

一方、以下のように年月の経過とともに価値が減少するものではない資産は、減価償却ができません。

  • 土地
  • 骨董品

なお、減価償却を実施して減価償却できる資産のことを減価償却資産(償却資産)と呼びます。

減価償却費の主な計算方法

減価償却費の主な計算方法は、以下のとおりです。

  • 定額法
  • 定率法

いずれも、購入した減価償却資産の取得価額には対象資産の「購入代金(運賃・運送保険料・購入手数料など含む)」と「業務に使うにあたってかかる費用」の合計額を使います。また、限度額は、有形固定資産が取得価額から1円を控除した額、無形固定資産の場合が取得価額です(取得が2007年4月1日以降の場合)。

ここから、それぞれの償却方法について解説します。

定額法

定額法とは、減価償却資産の耐用年数にわたって、基本的に毎年同額の減価償却費を計上する方法です。計算する際は、以下の式を使います。

減価償却費(円) = 取得価額 × 定額法の償却率

ただし、2007年3月31日以前に取得した減価償却資産について定額法を用いる場合は、旧定額法の対象です。旧定額法では、以下の計算式を使います。

減価償却費(円) = 取得価額 × 旧定額法の償却率
*有形固定資産の場合はさらに90%をかける

ここから、定額法のメリットとデメリットを紹介します。

定額法のメリット

定額法を使うメリットは、減価償却費の計算がしやすい点です。取得価額に償却率をかけるだけで減価償却費を算出可能なうえに、基本的に毎年同じ額を計上し続けられます。

また、定率法と比べると初期の減価償却費の計上を抑えられる点もポイントです。初年度にかかる負担が少ない分、設備投資当初の利益をより大きく見せられることがあるでしょう。

定額法のデメリット

定額法のデメリットは、定率法と比べて後にかかる償却負担が重くなる点です。年月が経過するにつれて対象資産が劣化して修繕費や保守費がかさむと、より経費の占める割合が大きくなることがあるでしょう。

また、定率法と比べて投資初年度にかかる減価償却費が少なくなる点にも注意しなければなりません。なぜなら、初年度に多額の利益を計上する際に、節税効果が限られるためです。

定率法

定率法とは、減価償却資産の耐用年数にわたって、毎年一定割合を減価償却費として計上する方法です。基本的に毎年減価償却費が同額になる定額法と異なり、定率法は金額が年とともに減少します。

定率法の計算式は、以下のとおりです。

減価償却費(円) = 期首未償却残高 × 定率法の償却率
*1年目の場合は、減価償却費(円) = 取得価額 × 定率法の償却率

ただし、償却費の額(調整前償却額)が償却保証額(取得価額 × 保証率)を下回る場合、以下の式で減価償却費を計算しなければなりません。以降、基本的に毎年同額の減価償却費を計上します。

減価償却費(円) = 改定取得価額 × 改定償却率

また、2007年3月31日以前に対象の資産を取得している場合は、旧定率法を適用します。旧定率法を使う場合、有形固定資産の限度額は取得価額の95%相当です。限度額に達してからは、以下の計算式で減価償却費を計算します。

減価償却費(円) = (取得価額 − 償却費の額の累計額 − 1円)÷ 5

ここから、定率法のメリットとデメリットについて解説します。

定率法のメリット

定率法で計算するメリットは、定額法よりも初年度に高額の減価償却費を計上できる点です。取得価額150万円、耐用年数10年、定額法償却率0.100・定率法償却率0.200のケースで比較してみましょう。

定額法の場合、初年度の減価償却費は15万円です(150万円 × 0.100)。一方、定率法の場合は30万円まで計上できます(150万円 × 0.200)。

とくに設備投資する年に高い利益を出す場合に、節税効果を期待できるでしょう。

定率法のデメリット

定率法のデメリットは、計算するのに手間がかかる点です。

基本的に取得価額と償却率だけで計算できる定額法と異なり、定率法では償却残高や償却保証額なども把握しなければなりません。また、減価償却額が償却保証額に達するまで、毎回金額が異なることも面倒な部分です。

さらに、初期段階における償却負担が重い点もデメリットとして挙げられます。とくに、設備投資してもすぐに効果を出せない場合に、十分な利益を出せないことがあるでしょう。

参考)国税庁「No.2106 定額法と定率法による減価償却(平成19年4月1日以後に取得する場合)」

その他の計算方法

定額法・定率法以外に、以下の方法で減価償却費を計上する場合もあります。

  • 生産高比例法
  • リース期間定額法

生産高比例法とは、対象資産を実際に使用した量に応じて減価償却していく方法です。たとえば、運搬車両の場合は見積もり総走行距離のうち、実際に期中に走った距離が占める割合を考慮して減価償却費を計算します。

また、リース期間定額法とは、リース資産の減価償却に使われる方法です。全リース期間のうち、実際に期中に利用した期間の占める割合を考慮して減価償却費を計算します。

なお、いずれの方法も使用できる場面が限定されている点に注意が必要です。

定額法で減価償却する際の流れ

定額法を使って減価償却する際の流れは、以下のとおりです。

  1. 耐用年数に該当する償却率を確認する
  2. 取得価額に償却率をかける
  3. 最後は全額償却せず1円残す

今回は、木材加工業を営む事業者が期首に製造用設備を120万円で購入したケースで、各計算の手順を解説します。

1. 耐用年数に該当する償却率を確認する

減価償却を実施する際は、対象の資産の償却率を確認しなければなりません。また、償却率をチェックする際は耐用年数を用いるため、国税庁の「主な減価償却資産の耐用年数表」などを使って確認しましょう。

木材加工業に使う設備は、「機械・装置」の「木材・木製品(家具を除く。)製造業用設備」に該当します。表を確認すると、耐用年数は8年です。

次に、国税庁の「減価償却資産の償却率等表」で、償却率を確認しましょう。表から、2007年4月1日(平成19年4月1日)以降に取得した耐用年数8年の減価償却資産の定額法償却率は、「0.125」と確認できます。

参考)国税庁「No.2100 減価償却のあらまし」

2. 取得価額に償却率をかける

期初に設備を購入している場合は、取得価額に償却率をかけると1年目に計上する減価償却費を計算できます。今回の取得価額は120万円のため、1年目の減価償却費は15万円です(120万円 × 0.125)。

また、定額法は基本的に毎期同額の減価償却費を計上できます。そのため、2年目以降の減価償却費も毎期15万円です。

3. 最後は全額償却せず1円残す

最終年は、全額焼却せずに1円だけ残す点に注意しましょう。今回購入した設備の耐用年数は8年のため、8年目に期首帳簿価額から1円を引いた金額を減価償却費とします。

期首帳簿価額 減価償却額
1年目 1,200,000 150,000
2年目 1,050,000 150,000
3年目 900,000 150,000
4年目 750,000 150,000
5年目 600,000 150,000
6年目 450,000 150,000
7年目 300,000 150,000
8年目 150,000

上記の表からわかるように、今回8年目の期首帳簿価額は「150,000」です。そのため、最終年の減価償却額は「149,999」円と計算できます(150,000円 − 1円)。

なお、最終年に1円残すのは、まだ事業に使用していることを示すためです。

定率法で減価償却する際の流れ

定率法で減価償却する際の流れは、以下のとおりです。

  1. 耐用年数に該当する償却率・保証率を確認する
  2. 保証率を使って償却保証額を把握しておく
  3. 未償却残高に償却率をかける
  4. 償却保証額を下回ったら改定償却率を使う

定額法と同様に木材加工業を営む事業者が期首に製造用設備を120万円で購入したケースを使って、各計算の手順を解説します。

1. 耐用年数に該当する償却率・保証率を確認する

国税庁の「主な減価償却資産の耐用年数表」を使って対象資産の耐用年数を調べてから、該当する償却率を確認しましょう。

定額法でも説明したとおり、今回は減価償却するのは「木材・木製品(家具を除く。)製造業用設備」のため、耐用年数は8年です。次に、国税庁の「減価償却資産の償却率等表」で、2012年4月1日(平成24年4月1日)以降に取得した耐用年数8年の減価償却資産の定率法償却率は、「0.250」と確認できます。

また、定率法では、保証率や改定償却率も確認しておかなければなりません。耐用年数8年の保証率は「0.07909」、改定償却率は「0.334」です。

2. 保証率を使って償却保証額を把握しておく

減価償却費を計算する前に、先ほど確認した保証率を使って償却保証額を把握しておきましょう。償却保証額は、調整前償却額(各年の減価償却額)と比較する際に使います。

償却保証額の計算式は、以下のとおりです。

償却保証額(円) = 取得価額 × 保証率

今回、取得価額は120万円で保証率は0.07909のため、償却保証額は「94,908」円と計算できます(120万円 × 0.07909)。

3. 未償却残高に償却率をかける

定率法では、1年目は取得価額、2年目以降は未償却残高に償却率をかけて減価償却費を計算します。

まず、期初に設備を購入している場合、1年目に計上する減価償却費は30万円です(120万円 × 0.250)。続いて、2年目は未償却残高(120万円 − 30万円)に償却率をかけるため、減価償却費は22.5万円と計算できます(90万円 × 0.250)。

この要領で、3年目以降も減価償却費を計算していきましょう。以下に、1年目から5年目までの期首未償却残高と減価償却費をまとめました。

期首未償却残高 減価償却額
1年目 1,200,000 300,000
2年目 900,000 225,000
3年目 675,000 168,750
4年目 506,250 126,562
5年目 379,688 94,922

なお、計算する際に、減価償却費が償却保証額(今回は「94,908」)以上であることを必ず確認しましょう。

4. 償却保証額を下回ったら 改定償却率を使う

計算した減価償却額が償却保証額を下回ったら、改定償却率を使って計算しましょう。今回のケースでは、減価償却費の計算結果が「71,191(<94.908)」となる6年目から計算方法を変えます。

6年目以降は、改定取得価額にあらかじめ調べておいた改定償却率(「0.334」)をかけて減価償却費を計算しましょう。改定取得価額は取得価額から前年末までの減価償却費合計を引いた額のため、今回は「284,766」円です。

よって、6年目以降の減価償却費は「95,111」円と計算できます(284,766円 × 0.334)。

期首未償却残高 減価償却額
6年目 284,766 95,111
7年目 189,655 95,111
8年目 94,544

ただし、最終年度における減価償却費は期首帳簿価額から1円を引いて計算するため、「94,543」円です(94,544円 − 1円)。

定額法か定率法か選ぶポイント

定額法を採用すべきか、定率法を採用すべきか悩んだ際は、両者のメリットとデメリットを比較し、自社の状況を踏まえて選択するとよいでしょう。ただし、定額法を用いる場合も定率法を用いる場合も、最終的な減価償却の合計額は同じです。

また、償却資産によって償却方法が決められている点もポイントとして挙げられます。たとえば、2016年4月1日以降に取得した建物付属設備や構築物は定額法の対象です。

なお、すでに採用している償却方法を変更する際は、税務署に届け出なければなりません。

減価償却費を計上する際の注意点

減価償却費を計上する際は、以下の点に注意しましょう。

  • 適用できる特例がないか確認する
  • 年度途中で取得した場合は月割りが必要
  • 中古資産を購入した場合は耐用年数が新品と異なる

各注意点について、説明します。

適用できる特例がないか確認する

減価償却を実施するにあたって、適用できる特例がないかを確認しておきましょう。

たとえば、中小企業や個人事業主などは、「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」を利用できる場合があります。この特例は、2006年4月1日から2026年3月31日までに取得価額30万円未満の資産を取得して事業用に使った場合に、取得価額をそのまま損金に算入できる点が特徴です。

つまり、要件を満たしていれば、一定額まで対象の資産を減価償却せずに取得した年の費用にできます。

参考)国税庁「No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」

年度途中で取得した場合は月割りが必要

年度の途中で減価償却資産を取得した場合は、月割りで処理が必要な点に注意しましょう。

今回、定額法や定率法の計算例では期首に資産を取得するケースを取り上げたため、初年度も翌年以降と同じように計算しました。しかし、途中で購入した場合は、購入から決算月までの期間に応じて減価償却費を計算します。

たとえば、決算の半年前に対象の資産を購入した場合、初年度の減価償却費は計算結果に6/12(1/2)をかけなければなりません。

中古資産を購入した場合は耐用年数が新品と異なる

新品を購入する場合と中古資産を購入する場合では、耐用年数が異なる点にも注意が必要です。新品を購入した場合は国税庁の「主な減価償却資産の耐用年数表」に該当する耐用年数を用いるのに対し、中古で購入した場合は事業に使い始めた際の使用可能期間として見積られる年数を耐用年数とします。

使用可能期間の見積もりが困難な場合は、簡便法で計算可能です。計算方法は、法定耐用年数をすでに経過しているか、一部しか経過していないかによって異なります。

参考)国税庁「No.5404 中古資産の耐用年数」

減価償却を実施した際の仕訳例

ここから、直接法を使う場合と間接法を使う場合、償却期間が残る資産を処分する場合と償却期間が残る資産を売却する場合に分けて、減価償却を実施する際の仕訳の例を紹介します。

直接法を使う場合

減価償却の直接法とは、減価償却費を対象の資産の取得価額から直接引く方法です。取得した機械に対して15万円分の減価償却を直接法で実施する場合は、以下のように仕訳をします。

借方 貸方 備考
減価償却費 150,000円 機械 150,000円 ◯年度減価償却

貸方に「機械」を計上することにより、機械の資産価値を減らしている点がポイントです。

直接法を使っていれば、貸借対照表を作成した際に現在価値をすぐに把握できます。一方で、すでに価値が減っているため、取得価額は把握できません。

間接法を使う場合

減価償却の間接法とは、対象の資産の取得価額から減価償却費を直接減らさずに、減価償却累計額を増やしていく方法です。先ほどと同様に、取得した機械に対して15万円分の減価償却を間接法で実施する場合は、以下のように仕訳をします。

借方 貸方 備考
減価償却費 150,000円 減価償却累計額 150,000円 ◯年度減価償却

機械の取得価額から直接引かないため、貸方には「減価償却累計額」を計上している点がポイントです。

間接法を使うことにより、貸借対照表で対象資産の取得価額をすぐに確認できます。一方で、現時点での帳簿価額は対象資産から減価償却累計額を引かないとわかりません。

償却期間が残る資産を処分する場合

120万円で取得した機械を減価償却累計が70万円の段階で処分(除却)する場合の仕訳例について確認していきましょう。

直接法での仕訳例は、以下のとおりです。

借方 貸方 備考
固定資産除却損 500,000円 機械 500,000円 老朽化に伴う除却

また、間接法では、以下のように仕訳をします。

借方 貸方 備考
減価償却累計額 700,000円 機械 1,200,000 老朽化に伴う除却
固定資産除却損 500,000円

償却期間が残る資産を売却する場合

200万円で取得した自動車を減価償却累計額が110万円の段階で売却し、現金で60万円を受け取った場合の仕訳例も確認していきましょう。今回、売却にあたって手数料は発生しないこととしています。

直接法での仕訳例は以下のとおりです。

借方 貸方 備考
現金 600,000円 車両 900,000円 営業車両売却
車両売却損 300,000円

間接法では、以下のように仕訳をします。

借方 貸方 備考
減価償却累計額 1,100,000円 車両 2,000,000 営業車両売却
現金 600,000円
車両売却損 300,000円

減価償却費と貸借対照表・損益計算書の関係

間接法を用いる場合、貸借対照表の資産の部に減価償却累計額を記載します。一方、直接法の場合は貸借対照表に減価償却累計額を記載しないため、取得価額を確認できません。そこで、直接法を用いる企業は、注記表に減価償却累計額を記載することが求められています。

また、減価償却実施時に「借方」に計上している「減価償却費」は、損益計算書への記載が必要です。減価償却費は「販売費及び一般管理費」のなかに含まれます。

減価償却費まとめ

減価償却費とは、定額法や定率法などで減価償却を実施し、費用を計上する際に使う勘定科目を指します。定額法のメリットは手間がかからず計算できる点、定率法のメリットは初年度に高額の減価償却費を計上できる点です。

計上する際のポイントとして、適用できる特例を確認することが挙げられます。また、中古と新品で耐用年数が異なる点にも注意が必要です。

減価償却費を計上する際は、自社の状況を踏まえて適切な方法を選択しましょう。

この記事の監修者

牛崎 遼 株式会社フリーウェイジャパン 取締役

2007年に同社に入社。財務・経理部門からスタートし、経営企画室、新規事業開発などを担当。2017年より、会計、簿記、ファクタリングなどの資金調達に関する幅広い情報を発信する「会計ブログ」の運営責任者を継続している。これまでに自身で執筆または監修した記事は400本以上にのぼる。FP2級。

運営企業

当社、株式会社フリーウェイジャパンは、1991年に創業した企業です。創業当初から税理士事務所・税理士法人向けならびに中小事業者(中小企業および個人事業主)向けに、会計ソフトなどの業務系システムを開発・販売しています。2017年からは、会計・財務・資金調達などに関する情報を発信するメディアを運営しています。

項目 内容
会社名 株式会社フリーウェイジャパン
法人番号 1011101045361
事業内容
  • 会計・財務・資金調達に関するメディア運営
  • 中小事業者・会計事務所向け業務系システムの開発・販売
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