仕入帳とは~記帳例と必要な理由について~

更新日:2023年02月07日

仕入帳

仕入帳とは、仕入に関するお金の増減に関して、仕入れた数量や原価などの詳しい情報を記帳する補助簿のことです。今回は、仕入帳の記帳について解説します。

仕入帳の記帳

仕入帳には仕入をした日付を記帳し、「摘要」の欄には仕入先や商品名、数量、単価、支払方法を記帳します。返品や値引きをした場合は赤文字で記載しましょう。月末には当月の総仕入高(値引きや返品を処理する前の仕入総額)、仕入値引き・返品高、純仕入高(返品処理後の純粋な仕入額)を記帳します。

例)8月1日に××商店からセロテープ50個(@40円)を仕入れ、2,000円の代金を掛けとした。

8月8日に▲▲商店からホッチキス10個(@500円)とホッチキスの針50個(@50円)を仕入れ、7,500円の代金を掛けとした。

8月13日に▲▲商店から仕入れたホッチキス10個に100円の値引きを受け、代金は買掛金から差し引いた。

8月16日に××商店から仕入れたセロテープ10個に不良品が見つかったため、返品して400円分の代金を買掛金から差し引いた場合。

 

8月1日の仕訳

借方 貸方
仕入 2,000円 買掛金 2,000円

8月8日の仕訳

借方 貸方
仕入 5,000円 買掛金 7,500円
仕入 2,500円

8月13日の仕訳

借方 貸方
買掛金 500円 仕入値引 500円

8月16日の仕訳

借方 貸方
買掛金 400円 仕入 400円

上記の仕訳をもとに仕入帳へと記帳します。

仕入帳
令和 ○○年 摘要 内訳 金額
8 1

××商店

セロテープ

50個

@40円

2,000
8

▲▲商店

ホッチキス

10個

@500円

5,000

ホッチキスの針

50個

@50円

2,500 7,500
13

▲▲商店

掛値引

ホッチキス

10個

@100円

1,000
16

××商店

掛返品

セロテープ

10個

@40円

400
31 総仕入高 9,500
仕入値引・返品高 1,400
純仕入高 8,100

仕入帳が必要な理由

仕入れた商品を「仕訳日計表」から「総勘定元帳」へ転記した場合に分かるのは、仕入勘定から商品を仕入れた日付や金額、商品の原価です。一方、仕入先の社名や商品名、仕入れた数量、仕入単価などの詳細な情報を把握できません。そのため、仕入に関する取引を順番に記録し、細かく管理するために用いる仕入帳が必要になります。

この記事の監修者

牛崎 遼 株式会社フリーウェイジャパン 取締役

2007年に同社に入社。財務・経理部門からスタートし、経営企画室、新規事業開発などを担当。2017年より、会計などに関する幅広い情報を発信する「会計ブログ」の運営責任者を継続している。これまでに自身で執筆または監修した記事は300本以上。

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