附属明細表(附属明細書)とは~役割と種類~
2018.03.12

会社の財務状況・経営成績を示す貸借対照表や損益計算書、キャッシュフロー計算書といった決算書の補足説明に用いられる書類を「附属明細表(附属明細書)」と言います。会社法上、附属明細表は「事業報告」と「計算書類」に区別されますが、ここでは「計算書類の附属明細表」について解説します。
附属明細表の役割
決算期には財務諸表と呼ばれる貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書などの開示が求められます。これらの内容だけでは詳細に知ることのできない事項について、補足的に記すものが「附属明細書」です。
附属明細表の種類
計算書類の附属明細表には複数の種類があり、代表例として以下のような書類があげられます。なお、下記の書類の内容以外にも補足すべき重要な事項がある場合には、適宜、それぞれの明細表を作成することが求められます。
有価証券明細表
会社が保有する有価証券の内訳を記す書類です。株式、債券、その他に分類し、それぞれに保有する銘柄や数量、貸借対照表計上額を記載します。
固定資産等明細表
会社が保有する有形固定資産および無形固定資産の内訳を記す書類です。該当する固定資産を、減価償却費相当額が損益計算書に計上されるものと計上されないものに分類し、期首残高や当期の増減額などを記載します。
社債明細表
会社が発行した社債の内訳を記す書類です。銘柄ごとに発行総額、期首残高、当期の増減額を記載します。当期中に増減がない場合は、その旨を注釈したうえで記載を省略することも可能です。
借入金等明細表
会社の借入金の内訳について記す書類です。長期借入金、短期借入金に分類し、期首残高と当期の増減額、期末残高を記載します。この項目も当期中に増減がなければ省略が可能です。
引当金等明細表
貸借対照表に計上した引当金の内訳を記す書類です。期首もしくは期末に残高がある場合のみ、作成する必要があります。期首残高、当期の増減額、期末残高を記載しますが、増減額は相殺せず、それぞれ記載しなくてはなりません。
附属明細表まとめ
- 会社法上、附属明細表は「事業報告」と「計算書類」に区別される。
- 計算書類の附属明細表は、財務諸表だけでは把握しきれない重要事項について補足する書類のこと。
- 具体的には有価証券や固定資産、社債などに関する明細表を作成し、それぞれ種類や数量、当期の増減額などについて詳細に記載する必要がある。
関連記事
【記事の執筆と監修について】
この記事は、株式会社フリーウェイジャパンが執筆および監修をしています。当社は1991年に創業し、税理士事務所向けの会計ソフトの販売からスタートした会社です。2009年から中小企業・個人事業主の方向けにクラウド型の業務系システムの開発・販売を開始しました。当メディアは2012年から運営しており、会計や金融など経営に関する幅広い情報を発信しています。また、当社は本当に無料で使える会計ソフト「フリーウェイ経理Lite」を提供しており、ご利用いただければ費用をかけずに業務効率化が可能です。詳しくは、こちら↓↓
同じカテゴリの記事