個人事業主から法人成りすると消費税が免除される?

法人成りのメリット・デメリット

確定申告が終わると、法人成りを検討する方が増えるかもしれません。法人成りとは、個人事業主から、株式会社合同会社などの法人へ移行することをといいます。法人成りをすると、これまでの資産負債もすべて、個人から新しい会社に引き継がれ、事業を継続していくことになります。今回は、法人成りのメリットとデメリットについて解説します。※2018年3月29日に更新

法人成りのメリット

法人成りのメリットは、税制面で優遇されること、社会的な信用度が高いことです。

  • 税制面での優遇

    法人成りの税制面の優遇は、個人の所得税と、法人の法人税の仕組みの違いで説明できます。所得税は、所得が上がるにつれて税率も上がりますが、法人税は基本的に税率が変わらず、残った利益に対して一定の税率が課されるのです。事業収入に対する税金負担を計算した結果、法人化したほうが税制上の優遇が大きいと判断される場合は、法人成りのメリットを享受できるでしょう。また、個人事業主を廃業して法人成りすれば、消費税を免除されますので、その分だけ節税できます(ただし、設立時の資本金(及び資本準備金)の額が1,000万円未満であることが条件)。※参考:国税庁のホームページ「個人事業者の法人成りの場合の課税売上高の判定」

  • 社会的な信用度の高さ

    個人事業主と比べた場合、法人のほうが社会的な信用度は高まります。企業によっては法人でなければ取引できないケースもあるため、法人成りによって販路の拡大が期待できます。さらに金融機関の融資審査に通過しやすくなったり、人材を確保しやすくなったりと、メリットは多くあります。

法人成りのデメリット

法人成りのデメリットは、主に費用と事務処理において負担が増えることでしょう。

  • 設立費用や社会保険料の負担が増える

    会社の設立には登記費用として最低でも25万円程度かかります。司法書士に手続きを依頼すればさらに金額が上乗せされるため、設立時にまとまった費用が必要になるのです。さらに法人には社会保険への加入が義務づけられているため、複数の従業員を雇用する場合には、保険料の支払い負担が大きくなると考えられます。

  • 事務処理が煩雑になる

    個人事業主と法人の大きな違いは、会社法が適用されるかどうかです。法人は会社法に則った会計処理を行わなくてはならないため、個人事業主に比べて事務作業が煩雑化します。さらに法人税の申告や社会保険の手続き、登記の申請など、個人事業主には不要な書類を作成するなどの事務処理も発生します。

法人成りが実現しやすい状況になった

平成18年に施行された現行の会社法によって、「最低資本金規制の撤廃」と「会社役員の人数の規制緩和」が実現しました。従来、株式会社の設立には最低1,000万円の資本金と、最低4名の役員(取締役3名、監査役1名)が必要でした。法改正後は資本金の金額に最低ラインがなくなり、1円からでも会社の設立が可能に。また株式を公開していない会社であれば、取締役は1名でよいとされています。現行の法律によって、個人事業主が法人成りしやすい状況になったと言えるでしょう。とはいえ、設立などの手続きには手間がかかります。税理士事務所などへ相談してみると良いかもしれません。

法人成りの3つのポイントまとめ

  • 個人事業主が資産や負債を引き継いで新会社を設立し、事業を継続することを法人成りという。
  • 法人成りのメリットとして、主に税制上の優遇と社会的な信用の獲得があげられる。ただし法人化によって費用と事務処理の負担は増加する。
  • 平成18年の会社法施行によって最低資本金が撤廃され、会社役員の人数規制が緩和されたため、個人事業主が法人成りしやすい状況になった。

関連記事

法人成りについて学んだら、永久無料の会計ソフト「フリーウェイ経理Lite」がおすすめ。個人事業主でも会社でも、Windowsのパソコンがあれば、ずっと0円で使えます。


このエントリーをはてなブックマークに追加