交際費とは~損金算入できる条件~
2017.12.06

交際費とは、簡単に言うと、取引先や得意先など事業に関係のある人に対する「おもてなし」に使った費用のことです。事業を運営していくうえで懇親を図るための接待や、お中元・お歳暮などの贈答などで使用した費用は交際費に該当します。交際費(または接待交際費などとも言います)は、損益計算書の勘定科目です。
交際費の3つのポイント
- 交際費とは、簡単に言うと、取引先や得意先など事業に関係のある人に対するおもてなしに使った費用のことである。
- 得意先・仕入先など取引先に対する支出だけでなく、自社の役員や従業員、株主などに対する支出も交際費として扱われる。
- 交際費は原則として経費にならない(損金算入できない)が、一定の要件を満たせば、交際費の一部が経費として認められる(損金算入できる)。
交際費の例
- 会社の社屋新築記念や周年記念といった祝い事の宴会費、交通費、記念品代
- 得意先や仕入先などの慶弔、禍服の際する物品・金品の支出
- 得意先や仕入先など事業に関係するものを旅行、観劇などに招待する際の費用
- 得意先や仕入先などの従業員に対して取引の謝礼として渡す金品の費用
- その他、得意先、仕入先など社外の者に対する接待等に要した費用で寄付金、値引、割戻し、広告宣伝費、福利厚生費、給与など他の経費に該当しないすべての取引
このように、様々な支出が交際費として扱われますが、金額や物品の内容などによっては交際費ではなく別の費用として扱われることもあります。また、得意先・仕入先など取引先に対する支出だけでなく、自社の役員や従業員、株主などに対する支出も交際費として扱われます。
交際費は経費にならない?
交際費は原則として経費になりません(損金算入できません)が、一定の要件を満たせば一定額の交際費が経費として認められます(損金算入できます)。平成25年度までは、大企業については交際費の全額が損金不算入で、中小企業に限って交際費のうち年間800万円までを損金算入できました。それが平成26年度の税制改正によって、大企業を含めたすべての法人で、交際費のうち「接待飲食費」の50%分を損金算入できるようになったのです。
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中小企業(資本金または出資金が1億円以下の企業)
以下のいずれかを選択できます。
- 交際費のうち、年間で800万円までを損金算入可能
- 交際費のうち、接待飲食費の50%分を損金算入可能
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大企業(資本金または出資金が1億円超の企業)
交際費のうち、接待飲食費の50%分を損金算入可能
接待飲食費に該当しない費用の例
接待飲食費は、事業と関係のある「社外」の誰かとの飲食費等を指します。社内飲食費は該当しません。その他、以下のような費用も含まれないため注意しましょう。
- 主目的が催事の場合の飲食の費用(例:ゴルフコンペの飲食代、旅行の宴会の費用)
- お中元、お歳暮のように、飲食物を詰め合わせて贈った物の費用
- 接待場所等への送迎にかかった費用
社内飲食費に該当しない費用とは
主として自社の役員、従業員、その親族への接待等のための費用は「社内飲食費」とされ、交際費としては損金算入できません。ただし、以下の費用は社内飲食費には含まれません。
- 同業者、得意先等と共催した懇親会にかかる飲食費の自社負担分
- 親会社やグループ会社の役員等の接待にかかる飲食費