人件費とは何か~雇用によって発生する費用~
2018.04.12

人件費とは、企業の「人」に関わる費用全般のことを指します。人件費には従業員に支払われる給与をはじめ、雇用によって発生する様々な費用が含まれます。
人件費に含まれる勘定科目
人件費に含まれる代表的な勘定科目は、以下の通りです。
給与手当
従業員に支払われる給与および諸手当のことです。基本給はもちろん、残業手当や扶養家族手当といった各種手当、歩合給、賞与もこれに含まれます。また、通勤定期代や社宅などの現物給付も給与手当に該当します。パートやアルバイトの従業員に支払われる給与は、雑給として処理されるケースもありますが、基本的には給与手当と考えることができます。
役員報酬
役員報酬は、取締役や監査役などに対して定期的に支払われる報酬のことを指し、従業員に対して支払われる給与とは区別されます。役員報酬を決めるには、定款による規定、もしくは株主総会による承認が必要です。なお、役員は従業員と違い、残業代や諸手当などが支給されることはありません。
法定福利費・福利厚生費
健康保険・介護保険・厚生年金保険といった社会保険、ならびに労災保険や雇用保険といった労働保険の費用は、一部もしくは全額を雇用主である企業が負担します。これらは法律に基づき企業が負担することから「法定福利費」と呼ばれます。また、従業員の慰安や冠婚葬祭などの福利厚生を目的とする任意の費用は、法定福利費とは別に「福利厚生費」として処理されます。具体的には社員旅行費やサークル活動費、結婚・出産時のお祝い金や慶弔金などが該当します。※参照:法定福利費と福利厚生費の違いとは?
退職金
退職金とは、従業員や役員が退職する際に、過去の勤務に対する慰労として支払われる金額を指します。退職時に一括して支払われる「退職一時金」、年金として支払われる「退職年金」がこれに当てはまります。従業員の退職金については退職金の規程に準拠しますが、役員の場合は株主総会で決議するなどして別途定める必要があります。
会社の生産性や収益性をはかるには人件費が重要
このように、一口に人件費と言っても給与以外にも多くの費用が含まれるため、企業の生産性や収益性を判断する場合には、この点に留意しなくてはなりません。企業の生産性の指標となる労働分配率や収益性の指標となる売上高人件費比率を知るときも、人件費を参照する必要があります。すなわち人件費を正しく管理し、コントロールすることが、会社の経営状況を把握するためにも重要です。
まとめ
- 人件費とは、企業が人を雇用することによって発生する費用全般のことである。
- 人件費には給与手当をはじめ、役員報酬や法定福利費、退職金などが該当する。
- 会社の生産性や収益性をはかるには、人件費の正確な管理が重要である。
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