埋没費用と機会費用のどちらを考える?

埋没費用とは、意思決定の内容に関わらず、回収できないコストのことです。サンクコスト、埋没原価、埋没コストとも呼ばれます。埋没費用が特徴的なのは、すでに投下したコスト(資金・時間・労力)があるために、「もったいない」「元をとらないと」「損をしたくない」というように感じる点です。このような心理を「サンクコスト効果」といいます。※2017年11月13日に公開

新規事業と埋没費用

新規事業に投資したA社を例に、埋没費用について理解しましょう。A社は、新規事業を立ち上げるために、3,000万円の設備投資をしました。ところが、この事業が赤字続きのため、中止を検討しています。この場合、新規事業を中止しても設備投資した3,000万円は戻ってきません。一方、事業を継続しても3,000万円は返ってきません。つまり、この3,000万円は、A社にとって埋没費用になります。

埋没費用に囚われると意思決定を間違えやすい

上述のA社のような状況では、「もう3,000万円も使ってるんだから、後には引けない」と考える意思決定者(経営者など)は少なくありません。投下コストが大きいほどサンクコスト効果も大きくなります。サンクコスト効果に囚われてしまうと、、意思決定が歪められて誤った判断をしがちです。すでに投資したコストを惜しんで赤字の事業を強引に継続すれば、さらなる損失を生むリスクがあります。意思決定にあたってはサンクコストは無視。今後の投資額と期待できる利益をもとに判断するのが、賢明だとされています。このときに役立つのが機会費用の考え方です。

機会費用とは?

機会費用とは、同時に選べない選択肢の一方を選んだことによって失われた、もう一方の選択肢なら得られたであろう利益のことです。オポチュニティーコスト、機会原価、機会コストとも呼ばれます。

「1日の過ごし方」で機会費用を理解する

学生のBさんの1日の過ごし方を通じて、機会費用について理解しましょう。Bさんは、コンビニでアルバイトをしています。ある日、バイトのシフトを入れられたものの、それをやめて家で過ごすことにしました。このときの機会費用は、その日に稼げたはずのアルバイト代です。家に過ごすことを選んだ結果として、バイト代という利益を失ったと考えます。これは、「シフトを入れて働けばよかった」という話ではありません。もしバイトしていた場合には、家で過ごすことで得られたかもしれない「休息」などが、機会費用になりえます。

意思決定では「埋没費用」ではなく「機会費用」を考慮する

ビジネス上に関わらず、意思決定のときには「埋没費用」を無視しなければなりません。どちらにしても取り戻せないコストについては、考えても次に繋がらないのです。本来、検討すべきは「機会費用」です。A社にとっての機会費用は、新規事業に今後も費やすコストを他の事業に振り分けた時に得られる利益です。

まとめ

  • 埋没費用(埋没原価、サンクコスト、埋没コスト)とは、意思決定の内容に関わらず回収できないコストのことである。
  • 機会費用(機会原価、オポチュニティーコスト、機会コスト)とは、同時に選べない選択肢の一方を選んだことによって失われた、もう一方の選択肢なら得られたであろう利益のことである。
  • 意思決定で大切なのは、「埋没費用は意識せず、機会費用トを意識することが大切である」といわれる。

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