配当性向は高いほど良い!?

配当性向とは、会社が事業によって得た利益を、どのくらい株主に還元しているかを表す指標です。財務分析の指標の1つになります。 ※2017年7月13日に更新

配当性向の求め方

配当性向(%) = 配当金支払総額 ÷ 当期純利益 × 100

配当性向(%) = 1株当たり配当金 ÷ 1株当たり利益(EPS) × 100

上の式で見ると、純利益が1000万円の会社の配当金支払総額が200万円だったとしたら、配当性向は20%(200万円 ÷ 1000万円 × 100)となります。配当金支払総額と当期純利益を、発行済株式総数で割ると、それぞれ1株当たり配当金、1株当たり利益になるため、下のような式に書き換えることができます。結果は同じです。なお、無配の会社は、配当性向もゼロになります。

配当性向から何が分かる?

配当性向が高い会社は、株主に多くの利益を還元していると言えます。ここで注意したいのは、配当性向はあくまで配当に対する会社の姿勢であるということです。配当性向の高低は、実際の配当金の額に比例しません。たとえば、以下の場合などは、配当性向の低いA社のほうが配当金支払総額は大きくなります。

  • A社 利益4000万円 × 配当性向30% = 配当金支払総額1200万円
  • B社 利益2000万円 × 配当性向50% = 配当金支払総額1000万円

配当性向は高いほど良い?

配当性向が高い会社は、株主への配当は多くなりますが、会社に残る資金は少なくなります。たとえば、株主にアピールするためだけに配当を多くしているような会社は、研究開発や人材確保にコストをかけられず、事業拡大の好機を逃しているかもしれません。

配当性向を低くして投資にまわす選択肢

株主への還元が少ない会社は、もちろん還元できるだけの利益がないというケースもありますが、配当性向が低い理由はそれだけではありません。配当性向が低い会社は利益の配分が少ない分、会社に残る資金の割合も大きくなります。その資金を事業拡大のための投資に使っていれば、これは株主にとってマイナスのこととは言えません。

成長期の会社なら配当性向は低くなることも

特に、成長期にある会社は利益を株主に還元するよりも、新たな事業を創出したり、人材や設備に投資したりするために利益を使ったほうが良いケースは多々あります。積極的な投資によって会社が成長していけば、株主はいずれ大きなリターンを受けることができるのです。成長期の会社であるにもかかわらず配当性向が高い場合は、適切な投資ができておらず、将来性に不安があると見ることもできます。

まとめ

  • 配当性向とは、会社が事業によって得た利益をどのくらい株主に還元しているかを表す指標である。
  • 配当性向は以下の算式によって求められる。 配当性向(%) = 配当金支払総額 ÷ 純利益 × 100
  • 配当性向が高い会社は株主に多くの利益を還元しているが、反面、会社に残る資金が少なくなり、積極的な投資ができていない可能性がある。

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