免税事業者とは?消費税を請求できる?

menzeijigyousya-02

消費税は、消費者が負担し、事業者は消費者から預かった消費税を納付する仕組みです。国内で取引を行う事業者は、原則として、消費税の納税義務者になります。では消費税を納める義務が免除される免税事業者は、消費者から消費税を請求できないのでしょうか?今回は、免税事業者における消費税の扱いについて解説します。※2020年6月4日に更新

消費税の免税事業者とは?

消費税の免税事業者は、一定の条件を満たす場合に消費税を納める義務が免除されています。免税事業者になるかどうかは、基準期間の課税売上高により判定されます。

免税事業者の要件

消費税では、その課税期間に係る基準期間における課税売上高が1,000万円以下の事業者は、消費税の納税の義務が免除されます。

基準期間における課税売上高とは、個人事業主の場合は前々年、法人の場合は前々事業年度の課税売上高のことをいいます。基準期間が1年でない法人の場合は、1年相当に換算した金額で判定します。従って、新設法人で、設立1年目や2年目で基準期間がない場合は、原則として消費税の納税義務はありません。ただし、基準期間のない事業年度であっても、その事業年度の開始の日における資本金の額、または出資の金額が1,000万円以上である場合や、特定新規設立法人に該当する場合は、消費税の納税義務が生じます。また、平成25年1月1日以後に開始する年又は事業年度については、その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても、特定期間における課税売上高が1,000万円を超えた場合、その課税期間から課税事業者となるため、注意が必要です。(特定期間とは、個人事業者の場合は、その前年の1月1日から6月30日までの期間をいい、法人の場合は、原則としてその事業年度の前事業年度開始の日以後6ヶ月の期間をいいます)

女性

免税事業者の消費税請求について

免税事業者は、消費税を納付する義務がないため、商品の販売やサービスの提供をしたときに顧客に対して消費税を請求できないようにも思えますが、もちろん免税事業者であっても、消費税を請求することができます。

免税事業者も消費税を請求できる

たとえ自分に納税義務がないとはいえ、仕入れ時等には消費税を支払っているわけなので、もし顧客より消費税を請求できなければ支払った消費税を自己負担しなければならないことになります。よって、免税事業者も顧客から消費税を請求することができます。

免税事業者は消費税を請求できる一方、消費税の納税が免除されているため預かった消費税がそのまま利益になります。これを益税といいます。多くの場合、免税事業者を選択すれば、有益になります。

課税事業者を選択したほうが良い場合

免税事業者は消費税の納付義務がないため、還付を受けることもできません。そのため、輸出業者などは経常的に消費税が還付されるため、課税事業者となったほうが良い場合があります。

課税事業者となるには「消費税課税事業者選択届出書」を税務署長に提出する必要があります。適用する課税期間の開始の日の前日までに提出することが求められ、この届を提出した場合には適用を開始した初年度を含む2年間は免税事業者にはもどれません。

小銭

インボイス方式導入による影響は?

2023年10月1日から導入予定のインボイス制度(適格請求書等保存方式)はすべての事業者に関係してきます。特に免税事業者にどのような影響があるのかについて説明します。

インボイス制度とは

インボイス制度とは、税務署長に申請して登録を受けた課税事業者が発行するインボイス(請求書や納品書)に記載された税額のみを仕入税額控除できる方式をいいます。この登録を受けられるのは課税事業者のみで、登録を受けた課税事業者のことを「適格請求書発行業者」といいます。

インボイスは、原則として消費税の免税事業者は発行できないため、仕入れ先からみると「免税事業者に支払った消費税は控除できない」ことになります。そうなると、同じ仕入れをするなら仕入税額控除が適用される課税事業者から仕入れたいと考えるはずです。よって免税事業者は顧客から取引を見合わされたり、その控除分の値下げを要求されることが予想されます。

インボイス発行事業者になる場合

インボイスを発行するためには、課税事業者になり、登録事業者となることが必要です。課税事業者になれば今まで免除されていた消費税の納税義務が発生します。どのくらいの消費税負担が生じるのかは事業者によって異なるものの、取引相手に交付義務があり、発行したインボイスの保存も義務づけられているなど、経理負担が増えることは間違いないでしょう。

インボイス発行事業者にならない場合

主たる顧客が一般消費者の場合であれば、仕入税額控除のことを考慮する必要がないと考えられるので、インボイスの発行事業者として登録する必要はないように思われます。 消費者に対して発行するレシートは区分記載請求書等の要件が整っていれば問題ないからです。

免税事業者のままでいるか検討を

制度導入まで時間はあるものの、インボイス制度は、免税事業者にとっては厳しい制度になることが予想されます。免税事業者のままでも従来どおりの事業が継続できるのか、メイン顧客との信頼関係などのバランスで見極めることが必要となるでしょう。現在、免税事業者である事業者の方は、今後の動向に注意し、対策を考えておきましょう。

この記事を制作しているのは、株式会社フリーウェイジャパンです。当社は、永久無料の会計ソフト「フリーウェイ経理Lite」を提供しています。フリーウェイ経理Liteは、Windowsのパソコンがあれば、ずっと0円で使える経理ソフトです。詳しくは、こちら↓

ずっと無料の会計ソフト

このエントリーをはてなブックマークに追加
そもそも、会計とは何か?
経理とは何か?~会社の意思決定を助ける重要な役割~
管理会計と制度会計の違いとは?
法人税等って何?
粉飾決算すると何が問題なの?
税効果会計の「一時差異」と「永久差異」
粗利(売上総利益)とは何か?
営業利益と経常利益の違いとは?
特別利益と特別損失って何が特別なの?
決算書とは何か?
貸借対照表の見方
資産とは何なのか?
負債とは何を意味するのか?
純資産とは何を意味するのか?
損益計算書の項目
キャッシュ・フロー計算書
個別注記表
株主資本等変動計算書
附属明細表(附属明細書)
減価償却で固定資産を費用にする
のれんとは、目に見えない資産価値のこと
製造原価報告書
当期純利益の求め方
租税公課とは何か?
交際費は損金算入できない?
役員報酬は経費になる?
法定福利費とは?福利厚生費との違い
人件費とは何か?
ひとり5,000円以下でも会議費にならない?
債務超過とは?赤字になったらすぐ倒産?
現金主義とは?発生主義との違いは何?
修繕費と資本的支出の見分け方
黒字倒産とは?大切なのは現金です
税務調査とは何なのか?もしもに備えて必ず知っておきたいこと
トランザクションレンディングのメリット
ソーシャルレンディングとは何なのか?
ブロックチェーンの仕組み
ビットコイン(Bitcoin)
クラウドファンディングの種類~投資タイプと非投資タイプの特徴まとめ~
クラウドファンディングの会計処理~3つの注意点~
税理士に頼める仕事内容とは?
破産と倒産の違いとは何か?
青色申告とは何か?~すべての人が知っておくべき基礎知識~
白色申告って誰がするの?申告が必要なケースとメリット・デメリットを知る
事業所得とは?ほかの所得との違いと申告のメリット
雑所得とは?サラリーマンの副収入は?
不動産所得って何が対象?
譲渡所得には確定申告が必要?
配当所得は確定申告で税金が戻る?
インボイス方式(制度)とは?
棚卸資産とは何か?
e-Tax(イータックス)とは?
eLTAX(エルタックス)とは何か?
消費税とは?~仕組み、申告と納税、課税対象の取引~
軽減税率とは?迷いやすいケースをQ&Aで解説!
免税事業者とは?消費税を請求できる?
簡易課税制度とは?お得になる?
リースとは?~メリット、デメリット、会計処理~