管理会計と制度会計の違いとは?

「そもそも、会計って何?」で、 会計はある種の「説明責任」だと書きました。今回は、説明を受ける側の視点も取り入れた、制度会計と管理会計の違いについて。※2017年8月28日に更新

なぜ、説明しなければならない?

たとえば株式会社の場合は、お金を出す人(株主)と,会社を経営する人が別です(所有と経営の分離)。別だということは、経営者は株主から「経営を任されている」ことになります。皆さんも、任された仕事があったら、その進捗や結果を報告しますよね。それと同じように、経営者は、自分の成績(会社の業績など)がどうだったのかを、株主に説明しなければならないわけです。

制度会計は義務

説明すれば何でもいい、ということではありません。株主は、投資先の業績が不振であれば、他の会社へ資金を移すかもしれません。そのとき、会社ごとに説明が異なれば、比較できなくなります。通信簿が学期ごとに変わったら、親に成績を説明できません(その方が助かる場合もありますが)。

このように、会社の外部にいる利害関係者に説明するときに用いる会計を、制度会計と呼びます。同じ条件の会社であれば、同じ制度に従わなければなりません。上場企業には上場企業の制度、中小企業には中小企業の制度がある、とイメージしておいてください。

制度会計は、財務会計と税務会計に分かれる

なお、制度会計は「財務会計」と「税務会計」に分かれており、それぞれ目的が異なります。財務会計の目的は会社外部の利害関係者への説明で、税務会計の目的は税金の申告です。その両者の違いを理解するよりも、もっと重要な「制度会計と管理会計の違い」を押さえましょう。

管理会計は義務ではない(でも重要)

会社の内部の人が意思決定をするときの参考にする会計を、管理会計と呼びます。基本的に内部の関係者のみが見るため、管理会計は制度に縛られません。実践するもしないも自由ですから、必要ないと考えることもできます。しかし、管理会計は重要なのです。

管理会計は自社に最適化できる

もちろん、制度会計から得られる情報が意思決定に役立たないわけではありません。問題は、すべての会社を一律で同じものとして扱っていることです。業種業態によっても会社は多種多様。会社の中の様々な立場の人が意思決定に携わります。経営者が求める情報と、部門長が欲しい情報は異なることも多々。そういった中で、自社の意思決定に最適な情報を集めるには、自由にカスタマイズできる「管理会計」が必要になるのです。

管理会計の分析は難しくない

「で、管理会計で何をすればいいの?」と思った皆さん、安心してください。管理会計には、すでに確立された分析手法が多数、存在します。しかも、難しい知識は必要なく、足し算、引き算、掛け算、割り算ができれば十分な分析方法が大多数です。知りたい情報に合った方法を活用して、管理会計に取り組んでみてください。

管理会計はPDCA

管理会計の分析は、社内の誰かの意思決定のために使われます。たとえば、海外への工場移転を検討している経営者がいるとします。その経営者は、設備投資した金額を何年で回収できるのかによって意思決定の内容を変えます。管理会計は、設備投資した資金の回収期間をシミュレーションした結果を経営者に提供します(ここまでがPlan)。そして、経営者は工場移転を決めて実行しました(Do)。その後の進捗が当初のシミュレーションどおりなのかを、また管理会計が教えてくれます(Check)。場合によっては、海外工場を閉鎖するといった意思決定を下すかもしれません(Action)。そういった判断をするときに、客観的な情報を出してくれるのが管理会計であり、管理会計はPDCAサイクルを回すことなのです。

まとめ

制度会計と管理会計の違いは、色んな点から説明できます。説明相手が社外なら制度会計、社内なら管理会計。制約があるのが制度会計、自由なのが管理会計。大切なのは、違いを知った上で使い分けることです。使い分けが不要であれば、制度会計だけで十分です。

管理会計は何もかも自由な分、明確な目的をもって分析する必要があります。分析することが目的になるような事態は避けましょう。どういった意思決定なのか。誰が情報を必要としているのか、それによって分析内容も異なるかもしれません。

ちなみに、管理会計に取り組む場合は、手書きの帳簿では作業負担が大きくなり、挫折してしまいます。Excelか業務効率化できる会計ソフトを利用しましょう。

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