青色申告とは?白色申告との違いや確定申告のやり方、事業者が行うメリット

更新日:2026年03月22日

青色申告

青色申告とは、個人事業主やフリーランスが確定申告を行う方法の1つです。青色申告には特別控除を受けられるなど税制上のいくつかのメリットがある一方、白色申告と比較して申告手続きに手間がかかるといった注意点があります。制度の概要および手続き方法を確認し、青色申告による納税にチャレンジしましょう。

目次

青色申告とは?白色申告との違い

青色申告は所得金額と税額を正しく算出し、スムーズに納税を行うための申告納税制度の1つです。青色申告以外には、白色申告があります。青色申告と白色申告では、申告方法や控除額が大きく異なります。

確定申告による納税を予定している場合は、まずはそれぞれの概要や違いを確認しどちらの申告方法を選ぶかを決めましょう。

青色申告制度について

青色申告は、一定水準の帳簿作成が求められる申告方法です。不動産所得または事業所得、山林所得がある人が対象となります。青色申告の大きな特徴は、以下の3点です。

  • 事前の届出が必要
  • 最大65万円の特別控除を受けられる
  • 帳簿の作成が必須

青色申告は最大65万円の特別控除を受けられるため、所得税の節税ができます。特別控除を受けるには、1月1日~12月31日に生じた収入金額や必要経費に関する日々の取引を、複式簿記で記帳する必要があります。

青色申告と白色申告との違い

白色申告は、青色申告と比べ確定申告の事務負担が少ない申告方法といわれます。青色申告と白色申告の違いを以下で確認しましょう。

項目 青色申告 白色申告
帳簿方式 複式簿記 単式簿記
特別控除 最大65万円 なし
確定申告時の提出書類 青色申告決算書(貸借対照表・損益計算書) 収支内訳書
事前の届出 「所得税の青色申告承認申請書」および「開業届」を税務署に提出 不要
赤字の繰越 翌年から3年間 原則不可

白色申告の特徴は、帳簿が単式簿記であることです。青色申告で必要な複式簿記と比べるとシンプルで、経理作業に不安がある人でも少ない負担で記帳できます。

一方で白色申告には、特別控除がない点に注意が必要です。所得が少なく納税の手間をできるだけ減らしたいと考えるのであれば白色申告も選択肢となりますが、節税を重視するなら青色申告の利用を検討したいところです。

青色申告のメリット

青色申告で確定申告をすると、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、5つのメリットを紹介します。

最大65万円の青色申告特別控除が受けられる

メリットの1つ目は、最大65万円の青色申告特別控除が受けられる点です。特別控除を受けるには4つの要件があり、そのうちいくつ満たしているかで控除額が変わります。

青色申告特別控除 要件
複式簿記の作成 貸借対照表および損益計算書の提出 期限内の申告 e-Taxによる申告または優良な電子帳簿の保存
65万円
55万円 ×
10万円 簡易な記帳 損益計算書のみ提出 × ×

65万円の控除を受けるには、すべての要件を満たす必要があります。とくにe-Taxによる申告または優良な電子帳簿の保存が必須な点は注意が必要です。e-Taxの利用にあたっては、利用者識別番号や電子証明書を事前に取得しなければなりません。65万円の控除を考えている場合は、あらかじめ準備を進めることが肝心です。

赤字を最大3年間繰り越せる

メリットの2つ目は、損失(赤字)を最大3年間繰り越せることです。繰り越した赤字は、翌年以降の損益通算でも利用できます。

損益通算とは、不動産所得および事業所得、山林所得、譲渡所得において、同一年に発生した利益と損失を合算できる制度です。損益通算をすることで、所得の圧縮による節税が図れます。

例えば、ある年に200万円の利益と50万円の損失が出たとしましょう。損益通算をしなければ、200万円の利益すべてが所得税の対象です。一方で損益通算をした場合、所得税の対象となるのは150万円(200万円-50万円)のみです。

利益と損失の額によっては、その年だけでは損失を使い切れない場合もあるでしょう。そのようなときに、損失を最大3年間繰り越すことができ、翌年以降の利益との損益通算が可能になるのが青色申告の大きなポイントです。

配偶者や親族の給与を必要経費にできる

メリットの3つ目には、青色事業専従者給与の特例を利用できる点が挙げられます。青色事業専従者給与の特例とは、事業を手伝ってくれる家族に支払った給与を経費として計上できる制度です。青色事業専従者と認められるには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族である
  • その年の12月31日時点に15歳以上である
  • その年を通じて6ヵ月を超える期間(一定の場合には事業に従事することができる期間の2分の1超の期間)、青色申告者の営む事業に専ら従事している
  • 「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出している
  • 労務の対価として妥当な金額である

家族への給与を必要経費にできれば、所得額の圧縮につながります。事業を家族に手伝ってもらう予定があるなら、ぜひ活用しましょう。

少額減価償却資産の特例がある

メリットの4つ目には、少額減価償却資産の特例が挙げられます。少額減価償却資産の特例とは、価格が30万円未満の減価償却資産を購入したときに、合計300万円を限度として一括で経費にできる制度です。

通常、減価償却資産は耐用年数に応じて1年ずつ分割し経費計上しますが、特例により一括計上することでその年の経費額を増やすことができます。経費の増加は、所得の圧縮と節税につながります。減価償却資産の例は、自動車やパソコン、事務用の机などです。なお、貸付に利用するために購入したものは少額減価償却資産の対象にはなりません。

参考)減価償却とは

貸倒引当金を経費として計上できる

メリットの5つ目は、貸倒引当金を経費として計上できる点です。貸倒引当金とは将来発生するかもしれない貸倒れに備えるための勘定項目です。貸倒引当金には、以下のものが認められます。

  • 売掛金
  • 受取手形
  • 事業上の貸付金

事業を行っていると、販売した商品やサービスの対価として売掛金や受取手形を利用することもあるでしょう。通常これらの代金は後日支払われますが、何らかの理由で資金を回収できないケースもあります。そのような事態に備えて、売掛金や受取手形などの残高に対し一定額を引当金として計上するのが貸倒引当金です。

青色申告をしている人は、12月末時点の売掛金や事業上の貸付金などの債権残高の5.5%(金融業は3.3%)を、貸倒引当金繰入として必要経費に計上可能です。この制度を利用すれば、経費が増えることによる所得額の圧縮と節税が図れます。

参考)約束手形とは

青色申告のデメリット

青色申告を利用するときに、知っておきたいデメリットもあります。ここでは、主な2つのデメリットを解説します。

事前に申請書の提出が必要

デメリットの1つ目は、期限内に青色申告承認申請書の提出が必要なことです。提出の期限は以下のように決まっています。

ケース 提出期限
新たに事業をスタートするとき ・その年の1月1日~1月15日に開業した場合は、3月15日まで
・その年の1月16日以後、新たに事業を開始または不動産の貸付をした場合には、事業開始等の日から2ヵ月以内(非居住者の場合には事業を国内において開始した日から2ヵ月以内)
白色申告から青色申告に変更するとき 青色申告をしようとする年の3月15日まで
青色申告の承認を受けていた事業を相続により承継したとき 死亡の日により異なる
・1月1日~8月31日:死亡の日から4ヵ月以内
・9月1日~10月31日:その年の12月31日まで
・11月1日~12月31日:その年の翌年の2月15日まで

期限内に申請書の提出がされない場合、青色申告による確定申告はできません。青色申告による納税を検討しているなら、計画的に申請書の提出を済ませておくことが重要です。

複式簿記による帳簿付けが必要

デメリットの2つ目には、「複式簿記」による帳簿付けが必要な点が挙げられます。白色申告にはない控除があるなど税制上のメリットが多い青色申告は、より経営状況を明確にできる複式簿記での記帳が義務付けられているのです。

複式簿記は、1回の取引を原因と結果にあたる複数の科目で記録する記帳方法です。記帳(仕訳)の例を以下で確認しましょう。

【例1:商品を2万円で販売し現金2万円を受け取った場合】

借方 貸方
現金2万円 売上2万円

【例2:水道光熱費として現金1万2,000円を支払った場合】

借方 貸方
水道光熱費1万2,000円 現金1万2,000円

このように複式簿記は原因と結果がまとめて記帳されるため、お金の流れや資産の動きを把握しやすくなります。作成には簿記や会計の知識が必要ですが、健全な経営を目指すためにもぜひチャレンジしたいところです。記帳に不安がある場合は、税務署窓口や税理士などに相談してみてください。

青色申告が適している人

青色申告と白色申告には、それぞれメリットとデメリットがあります。どちらを選ぶべきかは、事業年数や所得の大きさなどによって変わります。ここでは、青色申告が適している3つのケースをみていきましょう。

白色申告で確定申告をしている人

すでに事業をスタートしており白色申告で確定申告をしている人は、青色申告への切り替えを検討してもよいでしょう。もともと白色申告は、利益が300万円以下なら帳簿作成が不要でした。しかし、2014年の税制改正以降は、帳簿付けや帳簿・請求書などの書類の保存が義務付けられています。

青色申告よりも簡易な帳簿でいいとはいえ、白色申告でも帳簿の作成が必要なら、青色申告も選択肢となるでしょう。青色申告にすることで、特別控除や赤字の繰越など節税に有効な制度を活用できるようになります。

起業を検討している人

これから起業を考えている人も、青色申告は有力な選択肢です。起業にあたっては、主に以下の費用がかかります。

  • パソコンやプリンターなどの購入費用
  • Wi-Fiの契約料
  • オフィス用品の購入費用
  • オフィスや事務所といったテナント契約料
  • 仕入れ費用
  • 広告費

事業内容や事業規模にもよりますが、起業する際には一般的に大きな費用がかかります。本来であればかかった経費は、損益通算で有効活用できるはずです。しかし起業初年度は、予定したとおりの利益を得られないケースも少なくありません。その場合、起業にかかった費用を損益通算で使い切ることが難しくなります。

ここで活用したいのが、青色申告における赤字の3年繰越です。使い切れなかった損失を翌年以降も利用できるようにしたいのであれば、青色申告での確定申告がおすすめです。

節税方法を探している人

できるだけ所得税額を抑えたい人も、最大65万円の特別控除が利用できる青色申告が適しています。すでに事業を行っており最近所得が増えてきた場合、または今後増える見込みのある場合は、ぜひ青色申告を検討しましょう。

そのほか、家族に事業を手伝ってもらっている人や、手伝ってもらう予定がある人も青色申告がおすすめです。

参考)No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度|国税庁

青色申告の申請時に必要な書類

青色申告をするにはいくつかの書類の提出による申請が必要です。あらかじめ必要書類を確認し、期限内のスムーズな申告を目指しましょう。

開業届

新しく事業をスタートするときには、「開業届」を提出しましょう。開業届とは、個人事業を開いたことを税務署に申告するための書類で、正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」といいます。開業届は必ず提出しなければならない書類ではありませんが、青色申告をするなら提出は必須です。事業開始等の事実があった日から、1ヵ月以内に提出しましょう。

開業届は、e-Taxまたは税務署窓口への持参、もしくは郵送による提出でも可能です。郵送により提出する場合は、期限内に窓口に届くよう早めに送付すると安心です。

所得税の青色申告承認申請書

「所得税の青色申告承認申請書」は、青色申告をしたい旨を所轄の税務署に届け出るための書類です。青色申告は、青色申告の形式で申告するだけでは受理されません。青色申告での納税を希望するなら、あらかじめ青色申告承認申請書を忘れずに提出することが重要です。

青色申告承認申請書の提出期限は、青色申告による確定申告を希望する年の3月15日までです。その年の1月16日以後に開業した場合は、事業開始日から2ヵ月以内に提出すれば間に合います。

青色申告承認申請書はe-Taxまたは税務署窓口への持参、郵送で提出可能です。持参や郵送を選ぶなら、国税庁ホームページまたは税務署窓口で書類を入手しましょう。開業届を提出する場合は、同時に提出を済ませると安心です。

青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書

青色事業専従者給与の特例を利用する際は、「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出しましょう。提出期限は、青色申告による確定申告を希望する年の3月15日までです。その年の1月16日以後に開業した場合や、新たに専従者が加わったときには、事業開始日(専従者がいることとなった日)から2ヵ月が期限です。

また、すでに届け出た専従者の給与の支給に関して変更があったときには、「青色事業専従者給与に関する変更届出書」を提出します。給与の水準を上げる場合や新たな専従者が加わる場合は、この手続きが必要です。

提出期限は明記されていませんが、遅滞なく提出することとされています。この書類も、e-Taxもしくは税務署窓口、郵送で提出可能です。

所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書

「所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書」は、納税地に異動があった場合などに必要な届出書類です。提出が必要なケースには以下があります。

  • 住所以外の居所地を納税地とする場合
  • 自宅以外の場所を事業所とし納税する場合
  • 自宅以外の事業所を納税地としていたが、自宅に変更する場合

「所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書」には異動後の納税地を記載し、異動前の納税の所轄税務署に提出します。提出期限は明示されていませんが、変更があったときには速やかに届出をしましょう。

給与支払事務所等の開設届出書

「給与支払事務所等の開設届出書」は、従業員を雇用して給与を支払う場合に提出する書類です。提出期限は事務所開設から1ヵ月とされています。

なお、個人が新たに事業を始める場合や事業を行うために事務所などを設ける場合は、先述の「個人事業の開業・廃業等届出書」を所轄税務署長に提出します。その書類に従業員に関する記載欄があるため、別途給与支払事務所等の開設届出書を提出する必要はありません。

参考)A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁
参考)所得税の青色申告承認申請書|国税庁
参考)A1-11 青色事業専従者給与に関する届出手続|国税庁
参考)A1-6 所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する手続|国税庁
参考)A2-7 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出|国税庁

青色申告に必要な書類と提出方法

青色申告では、「確定申告書」および「青色申告決算書」の提出が必要です。書類の不足や内容に不備があった場合、期限内の申告ができなくなる可能性があります。必要書類を事前に確認し、スムーズな申告を目指しましょう。

確定申告書

「確定申告書」は、申告する対象年度の1月1日~12月31日までの所得額を明らかにする書類です。収入金額や各種控除額などをまとめて記載することで、納税額を明確にできます。

確定申告書は用紙に手書きで記入したものを提出することもできますし、国税庁の確定申告書等作成コーナーでオンライン作成も可能です。オンライン作成なら、必要項目を入力するだけで自動的に税額の計算が完了します。申告の手間を抑えたいなら、オンライン作成を利用するとよいでしょう。

確定申告書の書き方

確定申告で使用する申告書には、第一表・第二表・第三表・第四表の4種類があります。このうち、第一表と第二表(下図)は、すべての申告者が提出する基本の用紙です。

用紙 主な記載内容
第一表 収入金額や所得金額、各種控除、税額などの主要項目
第二表 所得の内訳や控除の詳細など第一表の補足情報
第三表 株式等や不動産の譲渡所得など分離課税の対象所得
第四表 純損失や雑損失を翌年以降に繰り越す場合など

申告書の様式は、国税庁のWebページからダウンロードできます。また、税務署の窓口や申告相談会、郵送でも入手が可能です。

国税庁「申告書第一表・第二表【令和7年分用】」を引用して加工

参考)国税庁「確定申告書等の様式・手引き等(令和7年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)」

青色申告決算書

「青色申告決算書」は、決算書の形式で帳簿の内容を記入する書類です。青色申告決算書の内容を基に確定申告を作成するため、帳簿を参考に正しく記入することが肝心です。青色申告決算書は、以下の4枚で構成されます。

  • 損益計算書×1枚
  • 損益の内訳の記入書×2枚
  • 貸借対照表×1枚

損益計算書は、対象年度の1月1日~12月31日までにどのくらいの所得があったかを記すものです。売上金額から売上原価や経費、控除などを差し引くことで、所得税計算の基となる所得合計額が算出されます。

損益の内訳の記入書は2枚あります。1枚目に記入するのは、月別の売上額です。専従者への給与の支払いや貸倒引当金がある場合も、ここで記入します。2枚目では、減価償却費の計算を行います。税理士や弁護士への報酬の支払いは、この書類に記入しましょう。

貸借対照表は、資産の部(借方)と負債・資本の部(貸方)を記載することで財政状態を把握しやすくする書類です。資産の部(借方)と負債・資本の部(貸方)に分けて記入することで、調達したお金の流れがわかりやすくなります。

青色申告決算書は、普段の生活ではあまり縁がないものです。そのため、起業して間もないうちは作成が難しいと感じる人もいるでしょう。記入に不安がある場合は、税務署で相談してください。

青色申告決算書の書き方

青色申告特別控除で最大65万円を受けるには、正しい帳簿付けと期限内申告に加え、電子申告などの要件を満たす必要があります。

具体的には、複式簿記で記帳し、貸借対照表と損益計算書を添付したうえで期限内に申告し、e-Taxで申告するか優良な電子帳簿保存を行うことが条件です。これらを満たさない場合は、控除額は55万円または10万円に減額されます。

【決算書1ページ】
青色申告決算書は4ページ構成です。1ページ目の損益計算書では、1年間の売上と経費をまとめて所得を計算します。売上金額と仕入金額は、2ページ目の月別売上仕入金額の計を記入し減価償却費は3ページ目で算出した本年分の必要経費算入額の計を記入します。

給料賃金は従業員への給与を記入し、青色事業専従者である家族への給与は専従者給与欄(2ページ)に内訳を記入し、合計額を専従者給与欄に転記してください。

引用)国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」

【決算書2ページ】
月別の売上や経費の内訳を記入します。1月1日から12月31日までの金額を月別に記入し、給料賃金や専従者給与の内訳として従事月数や源泉徴収税額を記入します。

地代家賃の内訳では、支払先の住所や氏名、本年中に支払うことが確定した賃借料を記入してください。

引用)国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」

【決算書3ページ】
上の段では、売上と仕入金額の明細を記載します。

下の段は、減価償却費の計算です。パソコンや車両などの固定資産の減価償却費を計算します。取得価額は資産を購入した金額を記入し償却方法は税務署に届け出ている定額法や定率法などを記入してください。

引用)国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」

【決算書4ページ】
貸借対照表では、年末時点での資産と負債の状態を記載します。

資産の部には現金や預金、売掛金、棚卸資産などを記入し、負債と資本の部には買掛金や借入金、元入金などを記入してください。

事業主貸は生活費としての支出を、事業主借は個人の資産を事業に組み入れた額を記載します。

引用)国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」

参考)国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」

青色申告に必要な書類の提出方法

青色申告の書類の提出は、「手渡し」「郵送」「e-Tax」のいずれかで行います。それぞれのメリット・デメリットを確認しましょう。

提出方法 メリット デメリット
窓口で手渡し 不明点などをその場で確認できる ・税務署まで行く必要がある
・混雑時期は提出に時間がかかることも
郵送 税務署まで行かずに提出できる ・税務署に到着するまでに日数がかかる
・不備があった場合、やり取りに時間がかかる
e-Tax ・自宅や事務所からいつでも申告できる
・窓口に行く手間を省ける
・65万円の青色申告特別控除を受けられる
・利用前に登録が必要

提出方法には、それぞれ特徴があります。申告書の記入に不安がある場合は、初年度は窓口で相談しながら提出してもよいでしょう。できるだけ申告の手間を抑えて節税効果を得たいなら、e-Taxが選択肢です。

参考)e-Tax(イータックス)とは

確定申告で経費にできるもの・できないもの

確定申告において経費として認められるかどうかは、その支出が事業に直接関係しており、事業上の必要性を税務調査で論理的に説明できるかどうかで判断されます。

個人事業主は、事業のために必要となった費用を必要経費として収入から差し引くことで所得金額を算出し、納税額を決定します。

特に青色申告では、白色申告にはない経費計上に関する特例があり、制度を正しく理解することで、より高い節税効果が期待できるでしょう。ここでは、経費にできるものとできないものの考え方を整理して解説します。

青色申告で経費にできるもの

必要経費の基本は事業に関連する支出であり、白色申告でも青色申告でも共通です。そのうえで青色申告では、一定の要件を満たすことで「青色事業専従者給与」や少額資産の特例など、有利な取扱いを受けられる場合があります。

【代表例】

勘定科目 内容
地代家賃 事務所や店舗の家賃。自宅兼事務所の場合は、事業で使用する面積や時間などを合理的な基準で按分し、その事業使用分のみを経費とする。
通信費・水道光熱費 電話代、ネット料金、電気・ガス代など。事業で使用した割合分を計上する。
消耗品費 事業で使う文房具や備品など。比較的少額のものは、原則として購入した年に経費計上できる。青色申告では、一定の要件を満たす場合に30万円未満の資産を一括で経費化できる特例(年間300万円上限)もある。
旅費交通費 仕事のための電車・バス代、タクシー代、出張時の宿泊費など、純粋な私的使用部分を除いた事業使用分を計上。
接待交際費 取引先との飲食代やお歳暮などの「事業の継続・拡大に資する」目的で発生するものが対象。
広告宣伝費 不特定多数の消費者に対し、商品やサービスを宣伝するための費用。

青色申告で経費にできないもの

事業に関連がない個人的な支出や、事業主自身に課せられる特定の税金は、青色申告であっても経費として認められません。

分類 経費にできないものの具体例
事業主自身の税金 所得税、住民税、相続税、贈与税など。
個人的な生活費 プライベートな食費、家賃の個人使用分、趣味の娯楽費、家族との旅行代。
事業主の福利厚生 事業主自身の健康診断費用、スポーツジムの会費。
社会保険料等 国民年金、国民健康保険料(ただし、所得控除の対象)。
罰金・科料 交通違反の反則金や、税金の延滞税・加算税。

青色申告で確定申告を行う流れ

青色申告を行うには、事前の申請から日々の記帳、書類の提出まで計画的に進める必要があります。ここでは、以下の具体的な流れを解説します。

  1. 青色申告承認申請書を提出
  2. 確定申告書の作成方法を選択
  3. 青色申告の提出書類を準備・作成
  4. e-Taxや郵送で税務署に書類を提出

1.青色申告承認申請書を提出

確定申告の準備を始める前に、青色申告者として認められるための手続きが必要です。原則として、青色申告を希望する年の3月15日(提出期限が土・日曜日・祝日等に当たる場合は、これらの日の翌日)までに、「所得税の青色申告承認申請書」を所轄の税務署へ提出しなければなりません。

なお、その年の1月16日以降に新たに事業を開始した(開業した)場合は、事業開始日から2ヵ月以内が提出期限です。この期限を過ぎてしまうと、その年は青色申告ができず白色申告扱いとなるため、初めての場合は特に注意しましょう。

2.確定申告書の作成方法を選択

次に、日々の記帳や申告書の作成をどのような手段で行うかを決定します。主な方法は、以下の3つです。

方法 特徴 メリット・デメリット 向いている人
会計ソフトの利用 銀行口座やクレジットカードと連携し、仕訳を自動化 初心者でも使いやすい、業務効率化できる一方、ソフト利用料がかかる場合がある 初心者、効率よく記帳したい人
税理士に依頼 専門家が書類を作成 手間がかからず正確性が高い一方、費用がかかる 本業に集中したい人、正確性を重視する人
手書き 紙で帳簿や申告書を作成 コストを抑えられる一方、時間がかかり計算ミスが起こりやすい 簿記の知識がある人、費用を最小限にしたい人

3.青色申告の提出書類を準備・作成

申告方法を決めた後、実際の書類作成に向けて準備を進めます。

日々の記帳と証憑の保管

年間を通じて、日々の取引を会計ソフトなどに入力して帳簿を作成します。その際、領収書や請求書などの証憑書類(取引の証拠となる書類)を整理・保管しておくことが不可欠です。

書類の作成

確定申告期間(原則として2月16日〜3月15日)に近づいた段階で1年間の帳簿を締め、会計ソフトやe-Tax上で「青色申告決算書」と「確定申告書」を作成します。青色申告決算書には、損益計算書と貸借対照表が含まれます。

4.e-Taxや郵送で税務署に書類を提出

作成した書類は、期限内に税務署へ提出します。提出方法には、e-Tax(電子申告)や郵便、税務署窓口への持参があります。

特に65万円の青色申告特別控除を受けたい場合は、e-Taxによる申告または優良な電子帳簿保存が必須条件となるため、電子申告がおすすめです。

確定申告では、日々の取引を正しく申告しなければなりません。申告の内容を明確にするためにも、決められた書類の一定期間の保管が義務付けられています。書類の種類と保存期間を以下で確認しましょう。

書類の種類 保存期間
帳簿 仕訳帳・総勘定元帳・現金出納帳・売掛帳・買掛帳・経費帳・固定資産台帳など 7年
その他書類 決算関係書類 損益計算書・貸借対照表・棚卸表など 7年
現金預金取引等関係書類 領収証、小切手控、預金通帳、借用証など 7年(※)
その他 請求書、見積書、契約書、納品書、送り状など 5年

※前々年分の事業所得および不動産所得の金額が300万円以下の場合は5年 上記のほか、インボイス(適格請求書等)に該当する請求書や領収書などの証憑書類も適切な保存が必要です。なお、2024年1月1日以降にデータで受け取った適格請求等は、データのまま保存することと決められています。

参考)記帳や帳簿等保存・青色申告|国税庁

白色申告・青色申告を変更する方法

個人事業主が白色申告と青色申告を切り替える場合は、税務署へ所定の書類を提出する必要があります。白色申告から青色申告へ変更する場合、または青色申告から白色申告へ戻す場合でも、手続きや提出期限が定められているため注意が必要です。

ここでは、申告方法を変更する際に必要な書類と期限について解説します。

白色申告から青色申告に変更する場合

白色申告者が青色申告の適用を受けようとする場合は、所轄の税務署長に対して「所得税の青色申告承認申請書」を提出し、承認を受ける必要があります。

提出期限
原則として、青色申告を開始しようとする年の3月15日(提出期限が土・日曜日・祝日等に当たる場合は、これらの日の翌日)までに提出する必要があります。ただし、その年の1月16日以降に新規開業した場合は、事業開始日から2ヵ月以内に提出してください。

継続性
青色申告の承認は一度受ければ、自ら「取りやめの届出」を提出したり、税務署から承認の取消通知を受けたりしない限り、翌年以降も自動的に青色申告の適用が継続されます。

青色申告から白色申告に変更する場合

青色申告の承認を受けている人が、青色申告をやめて白色申告に変更したい場合には、「所得税の青色申告の取りやめ届出書」を提出する手続きが必要です。

提出期限
青色申告を取りやめようとする年分の所得税の確定申告期限である3月15日(提出期限が土・日曜日・祝日等に当たる場合は、これらの日の翌日)までに、所轄の税務署長へ提出してください。

提出方法
パソコンやスマートフォンを利用してe-Taxで送信するか、書面を作成して税務署へ持参または送付にて提出できます。

青色申告に関する相談先

確定申告、特に青色申告を進める中で、帳簿の付け方や控除の適用ルールについて疑問が生じることは珍しくありません。青色申告を正しく有利に進めるために活用できる主な相談窓口は、以下のとおりです。

  • 税務署
  • 青色申告会
  • 税理士・税理士会
  • 商工会・商工会議所

ここでは、それぞれについて見ていきます。

税務署

税務署は最も身近な相談窓口であり、国税に関する一般的な質問や、確定申告書の書き方について無料で相談が可能です。

電話相談と窓口相談

「電話相談センター」では、国税局の職員に制度や手続きの質問に対しての回答がもらえます。具体的な書類を確認しながらの相談が必要な場合は、所轄税務署の窓口で面接相談(予約制)も受け付けています。

確定申告時期のサポート

確定申告期間中には、特設の無料相談会場が設置されます。ただし、混雑緩和のために「入場整理券」が必要となる場合があることから、あらかじめ混雑状況を確認しておきましょう。

記帳指導

初心者を対象に、外部委託による「記帳指導」も実施しており、帳簿の付け方から申告書の作成まで一貫したサポートが受けられます。

注意点

税務署は「正しい申告」をサポートする場所であり、原則として節税のアドバイスは行いません。節税については、自分である程度調べたうえで具体的に質問するのが効率的です。

青色申告会

青色申告会は、青色申告を行う個人事業主などで組織された納税者協力団体です。全国の主要都市(税務署の管轄地域ごと)に設置されています。

手厚いサポート

比較的安価な会費(入会金や月会費など)を支払って会員になることで、複式簿記の記帳指導や決算、申告のサポートが受けられます。

経営・節税アドバイス

地域の事情や業種の特徴を踏まえた相談が可能で、経営相談や融資の斡旋、福利厚生(共済)の利用、異業種交流などのメリットもあります。

注意点

税理士などの職業専門家ではないため、税務相談の内容は一般的な範囲に留まる場合があります。

税理士・税理士会

税務の専門家である税理士には、確実で個別の事情に即したサポートを期待できます。

フルサポートと節税対策

日々の記帳から申告書の「代理作成」まですべてを任せられます。個別の事情に応じた具体的な節税対策の相談も受けられます。

費用面

専門家に依頼する場合、売上規模にもよりますが、確定申告のみの依頼でも数万円〜十数万円程度の報酬が必要となるのが一般的です。

無料相談会の活用

確定申告時期には、税理士会や税務署が主催する無料相談会が各地で開催されます。ただし、これらは「一般的な質問」が対象で時間制限(30分以内など)があることが多く、継続的なサポートや責任ある処理を求める場合は、個別の有料契約が基本です。

商工会・商工会議所

商工会や商工会議所は、地域の小規模事業者を支援する経済団体です。

記帳・税務指導

地域の中小事業者を対象に「記帳指導」を行い、事業主が自力で正しく申告書を作成できるようサポートしてくれます。

利用コスト

利用には入会が必要で年会費などがかかりますが、日々の記帳や決算の相談自体は原則として無料で行っていることが多いです。

多角的な支援

税務だけでなく、経営相談や融資、補助金の活用、ビジネス交流など多岐にわたる支援を受けられます。

注意点

税理士による「代理作成」とは異なり、あくまで「自力での作成」を前提とした指導が中心となるため、書類作成自体の依頼はできません。

青色申告まとめ

青色申告とは、所得金額と税額を正しく算出し納税を行うための申告納税制度の1つです。

複式簿記による帳簿付けが必要で白色申告と比較して申告の手間はかかりますが、最大65万円の青色申告特別控除が受けられるなど節税効果が高い申告方法です。所得税額をできるだけ抑えたい人やこれから起業を考えている人、現在は白色申告をしている人は、青色申告を検討しましょう。

青色申告をするには、事前に「所得税の青色申告承認申請書」および「開業届」を提出する必要があります。また、申告では確定申告書とあわせて青色申告決算書も提出しなければならないなど、提出書類が多めな点に注意が必要です。青色申告を希望する場合は、手続きの流れや必要書類をあらかじめ確認しスムーズな申告を目指しましょう。

このメディアの監修者

元吉 孝子

元吉 孝子 元吉孝子税理士事務所 代表
大学卒業後、一般事業会社の経理部門にてキャリアをスタート。その後、大手会計事務所にて15年間、医療機関に特化した会計・税務支援に従事し、開業から法人化、事業承継、相続対策まで、クライアントに寄り添う伴走者として経験を積む。
その後、千代田区の税理士法人に勤務し、EC事業や個人の相続案件に携わる。平成30年11月20日に税理士登録後も同法人でパートナー税理士を務め、通算16年間の勤務を通じて幅広い分野の専門知識を習得。
これまでの30年以上の経験を活かし、現在は自身の会計事務所を開設。お客様一人ひとりの視点に立ち、共に課題を解決していくことを目指している。

運営企業

当社、株式会社フリーウェイジャパンは、1991年に創業した企業です。創業当初から税理士事務所・税理士法人向けならびに中小事業者(中小企業および個人事業主)向けに、会計ソフトなどの業務系システムを開発・販売しています。2017年からは、会計・財務・資金調達などに関する情報を発信するメディアを運営しています。

項目 内容
会社名 株式会社フリーウェイジャパン
法人番号 1011101045361
事業内容
  • 会計・財務・資金調達に関するメディア運営
  • 中小事業者・会計事務所向け業務系システムの開発・販売
本社所在地 〒160-0022
東京都新宿区新宿3-5-6 キュープラザ新宿三丁目5階
所属団体 一般社団法人Fintech協会
顧問弁護士 AZX総合法律事務所

弊社では、正確かつ有益な情報発信を実践しており、そのために様々な機関の情報も参照しています。


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