青色申告とは何か?~制度の内容とメリット・デメリット~

2021.03.05

青色申告

個人事業主の方は、毎年2月半ばから3月半ばにかけて大きなイベントが待っています。それが、確定申告です。確定申告には青色申告と白色申告があります。しかし、言葉は知っていても、その違いについて聞かれると意外と答えられないのではないでしょうか。今回は青色申告と白色申告の違いや、青色申告をするメリット・デメリットについて知り、青色申告を選択すべきケースを理解していきましょう。

青色申告とはどのような制度か

確定申告をしなければならない人の中で、青色申告の対象となるのは不動産所得や事業所得、山林所得のある人です。サラリーマンの場合は勤め先で年末調整がなされているため、ほかに収入がない場合には確定申告の必要はありません。ただし一定以上の収入がある人や、高額の医療費を支払った場合には、確定申告をする必要が出てきます。また、先に挙げたような所得がない場合、一般的には白色申告で確定申告をします。

青色申告と白色申告の違い

青色申告と白色申告の主な違いは、以下の3つです。

  • 申告承認の要・不要
  • 簿記の形式
  • 特典の有無

白色申告は特に届け出を必要とせず、簡便な帳簿の提出で済ませられます。一方で節税効果が得られる青色申告者のような特典はありません。青色申告と白色申告の大きな違いに、帳簿書類があります。青色申告では複式簿記による記録と貸借対照表損益計算書の添付が求められ、これらの帳簿に対しては、7年間の保管義務があります。

青色申告に必要な手続き

新規に開業した場合も、何もせずにいれば白色となります。青色申告を希望する場合には、開業届と同時に所轄の税務署長宛てに「青色申告承認申請書」を提出します。すでに事業を開始している場合は、青色申告に変更する年の3月15日までが申請書の提出期限です。また、相続により不動産所得を受け継ぎ、故人が青色申告をしていた場合には、4ヵ月以内に手続きをする必要があります。

青色申告のメリット・デメリット

個人事業者でも白色申告で確定申告をする人と、収入がそれほどなくても青色申告をする人がいます。某会計ソフトメーカーが平成26年に実施したアンケート結果では、収入による申告方法の違いはほとんど見られなかったようです。しかし、青色申告の場合は、税金の軽減効果が得られるというメリットがありますので、多くの事業者が青色を選択していることに間違いはありません。

一方、青色申告をするデメリットとしては、複式簿記による帳簿づけには手間がかかる、確定申告の提出書類の種類が多いなどが挙げられます。このため事業が大きくなると、税理士などの専門家への依頼が必要となります。

青色申告の特典の詳細

青色申告者に与えられる主な4つの特典を詳しく見ていきましょう。

青色申告特別控除

基礎控除に加えて10万円、55万円、65万円のいずれかの特別控除が受けられます。これらにはそれぞれ次の条件があります。

青色事業専従者給与

これは家族を従業員している場合にも給料を経費として計上できることを指します。事業の専従者であり、15歳以上の生計を同じくする配偶者や親族が対象となります。

貸倒引当金の計上

これは年末の時点で売掛金や貸倒れによる損失の見込額を、必要経費として計上できる特典となります。

純損失の繰越しと繰戻し

赤字になった部分を、翌年以後3年間にわたって、各年分の所得金額から差し引けます。 所得金額を少なくすることで、各年の税負担の軽減にもつなげられるのです。

青色申告控除の条件

前述の控除には、以下の条件があります。

10万円控除の場合

  • 単式簿記による記帳をする
  • 収支内訳書を作成する

55万円控除の場合

  • 複式簿記による記帳をする
  • 青色申告決算書(損益計算書、貸借対照表)を作成する

65万円控除の場合

  • 複式簿記による記帳をする
  • 青色申告決算書(損益計算書、貸借対照表)を作成する
  • e-Taxで確定申告をする(又は、帳簿を電子保存する)

対象なら青色申告がおすすめ

先述の通り、青色は白色よりも控除額が多くなります。もし白色の場合は、青色に変更すれば、税金を大幅に減らせる可能性があります。複式簿記に抵抗を持つ人もいるかもしれませんが、今や会計ソフトの機能は大きく向上していますので、毎日のお金の出入りを管理できればそれほど難しいものではありません。この機会に申告方法や会計ソフトを見直してみてはいかがでしょうか。

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