eLTAX(エルタックス)とは何か~利用方法とメリット~

更新日:2020年02月07日

eLTAX

eLTAX(エルタックス)とは、地方税ポータルシステムの呼称です。住民税や事業税などの地方税に関する各種の手続きを、書類の提出ではなく、電子データをインターネット経由で送信するためのシステムです。eLTAXは2005年に運用がスタートし、地方税共同機構が運営しています。

eLTAXで出来ること

eLTAXでは、地方税の電子申告、電子申請・届出、電子納税(共通納税)が可能です。

電子申告

法人県民税、法人事業税、特別法人事業税、法人市民税の確定申告、固定資産税の償却資産税申告、個人住民税について、電子的に給与支払報告などができます。

電子申請・届出

法人設立・設置届、異動届、申告書の提出期限の延長の承認申請などの申請・届出が、電子的な方法で可能です。

電子納税(共通納税)

法人県民税、法人事業税、特別法人事業税、法人市民税、個人住民税、事業所税について、電子的に納付手続きができます。令和元年(2019年)10月に地方税共通納税システムが稼働し、全ての地方公共団体に一括しての電子納税が可能になりました。電子申告データを元に納税手続きする方法と、納付団体、税目、納税額などの情報を入力して納税手続きする方法があります。

また、Pay-easy(ペイジー)を使うことで、インターネットバンキングからの納付も可能です。たとえばGMOあおぞらネット銀行なら、「eLTAX(地方税共通納税システム)の地方税お支払サイト」からネットバンキングにログインすると納付情報が連携されるため、そのまま簡単に納付できます。詳しくは、こちら↓↓

eLTaxを利用した場合のメリット

eLTAXを利用した場合の主なメリットは以下の通りです。

  • 窓口に出向くことなく、オフィスや自宅から申告や納付できる
  • 平日は24時まで申告や納付できる
  • 申告書などの印刷代や郵送代がかからない
  • 複数の地方公共団体へ一括で申告や納付ができる
  • 特別徴収税額の決定通知を電子データで受け取れる
  • 地方公共団体が指定する金融機関以外の金融機関からも納付できる

eLTAXの利用方法

eLTAXの利用方法と事前準備は、以下のとおりです。

事前準備

eLTAXを利用するためには、いくつかの事前準備が必要です。

  • パソコン環境の準備

    パソコン及びインターネットが利用できる環境、メールアドレスを準備します。

  • インターネットブラウザの設定

    PCdesk(WEB版)のサイトを、インターネットブラウザの信頼済サイトに登録します。

  • 署名用プラグインのインストール

    電子証明書を使用して署名するために必要なプラグインを、パソコンにインストールします。

  • 電子証明書の取得

    マイナンバーカードなどの電子証明書を取得し、必要に応じてICカードリーダーを準備します。

  • 利用者IDの取得

    PCdesk(WEB版)を使用して、利用届出を提出し、利用者IDを取得します。

  • PCdesk(ダウンロード版)のインストール

    PCdesk(ダウンロード版)を利用する場合は、PCdesk(ダウンロード版)をパソコンにインストールします。

利用方法

専用のソフトウェアで利用する方法と、eLTAXに対応した民間のソフトウェアで利用する方法があります。専用のソフトウェアには、以下の3種類が用意されています。

  • PCdesk(ダウンロード版)
  • PCdesk(WEB版)
  • PCdesk(SP版)※SPは、スマートフォンの略

参考サイト:PCdeskの特徴と取得方法

eLTAXに関連する改正情報

最近(2019年12月現在)のeLTAXに関連する改正情報を4つご紹介します。

大企業等でのeLTAX申告の義務化

平成30年度税制改正により、社会全体のコスト削減と企業の生産性向上を目的として、一定の法人においてeLTAXによる申告が義務化されました。

  • 対象税目

    法人事業税、特別法人事業税、法人住民税

  • 対象法人

    ①内国法人のうち、事業年度開始の時において、資本金の額等が1億円を超える法人

    ②相互会社、投資法人及び特定目的会社

  • 対象手続

    確定申告書、中間(予定)申告書、仮決算の中間申告書、修正申告書及びこれらの申告書に添付すべきものとされている書類

  • 適用日

    令和2年(2020年)4月1日以後に開始する事業年度から

給与支払報告書と源泉徴収票の提出一元化

平成29年1月から、給与支払報告書と源泉徴収票をeLTAXで一括して作成・送信できるようになりました。eLTAXで一括して作成・送信したデータのうち、給与支払報告書は各市区町村に、源泉徴収票は税務署にそれぞれ自動的に振り分けられます。

共通納税システムの稼働

従来のeLTAXの電子納税は、一部の地方公共団体でしか対応がなく、納税者の多くが紙の納付書により納税しなければならないという状況でした。このような中、電子納税への社会的な要請が高まり、令和元年(2019年)10月から、全ての地方公共団体に電子納税できる地方税共通納税システムの稼働が開始しました。

給与支払報告書のeLTAX等による提出義務化対象の拡大

給与支払報告書は、前々年に税務署に提出した源泉徴収票の枚数が1,000枚以上の場合、eLTAXまたは光ディスクによる提出が義務づけられています。しかし、平成30年度税制改正により、1,000枚以上が100枚以上に改正されました。この改正は、令和3年(2021年)1月1日以降提出分から適用されます。

eLTAXまとめ

共通納税システムが稼働し、今まで以上に利便性が向上しました。特に、複数の都道府県や市区町村に申告をしている企業には大きなメリットがあります。大企業での利用が義務化されますが、中小企業においても、これを機に業務効率化の一環としてeLTAXの利用を検討してみてはいかがでしょうか?

この記事の監修者

牛崎 遼 株式会社フリーウェイジャパン 取締役

2007年に同社に入社。財務・経理部門からスタートし、経営企画室、新規事業開発などを担当。2017年より、会計などに関する幅広い情報を発信する「会計ブログ」の運営責任者を継続している。これまでに自身で執筆または監修した記事は300本以上。

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