事業所得とは?他の所得との違いと申告のメリット

2018.11.29

事業所得

事業所得とは、事業で得た収入から必要経費を引いたものです。個人事業主の所得税は、この事業所得をもとに計算されています。この事業所得は、ほかの所得とどのように違うのでしょうか。例えば、サラリーマンが副業で仕事をしたときに、事業所得として扱えるのかも気になります。今回は、事業所得の基本的な考え方と申告方法、事業所得で申告するメリットについて解説していきます。

事業所得の基礎知識

国税庁のホームページには、事業所得について次のように記述されています。

“事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得をいいます。”

所得の種類には利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得の10の区分があります。サラリーマンが何らかの副業をしたときには、雑所得か事業所得のいずれかに当たります。ただし事業所得として扱われるためにはいくつかの条件があり、副業による収入を事業所得として申告しても税務署から認められない場合もあります。

事業所得として認められるには

事業所得の条件

事業所得か雑所得かという点については、実は明確な区切りがありません。そのため判断がつかずに事業所得として申告し、税務署から修正を求められることもあります。実際に申告内容が事業所得と認められず、それを不服として訴訟となった例 もあるようです。事業所得として以下のような定義が設けられています。

  • 営利性・有償性の有無
  • 継続性・反復性の有無
  • 自己の危険と計算における事業遂行性の有無
  • その取引に費やした精神的・肉体的労力の程度
  • 人的・物的設備の有無
  • その取引の目的
  • その者の職歴・社会的地位・生活状況

上記の点を基準とし、社会的に事業といえるのかどうかが、それぞれのケース別に判断されます。サラリーマンの副業の場合でも、独立・継続・反復が認められ継続的な収入があると予測されれば、事業所得と認められ個人事業主の扱いとなります。

事業所得で申告するメリット

事業所得のメリット

事業所得として確定申告をすると、どのようなメリットがあるのでしょうか。確定申告には白色申告青色申告の2つの方法がありますが、青色申告にできるのは、事業所得と不動産所得だけです。事業所得として認められ、青色申告にできれば雑所得として申告するよりもお得な制度があります。

以下はいずれも事業所得で青色申告したときに適用される優遇制度です。

  • 給与所得等との損益通算
  • 青色申告特別控除
  • 青色事業専従者給与
  • 純損失の繰り越しと繰り戻し
  • 30万円未満の少額減価償却資産の特例

給与所得等との損益通算とは、副業で赤字になった場合に給与所得からマイナス分を引いて、所得税が算出される制度です。青色申告特別控除では、最大で65万円までの特別控除を受けることができます。青色事業専従者給与を活用すれば、家族を従業員としてその給与を必要経費に算入することが可能となります。

純損失の繰り越しと繰り戻しでは、赤字で出た損失を3年間繰り越して控除してもらうことができます。また逆に、前年の所得から繰り戻して還付を受けることも可能です。青色申告では、通常は1年の経費にできない取得時10万円以上の資産であっても、平成32年3月31日までに取得したものについては、一括で経費と認められます。この特例では、合計額300万円が上限とされています。

事業所得の確定申告時の注意点

事業所得として確定申告をする際には、計上漏れに注意が必要です。例えば、事業所得の場合、棚卸資産の損害で発生した保険金や事務所の火事などで下りた事業用固定資産の保険金などは、収入として扱います。保険金は売上などの補てんと見なされるため、収入として計上しなければなりません。

休廃業に伴う補償費なども、同様の扱いとなります。雑所得では計上の義務がない項目についても、事業所得とすることで計上が必要となる場合があります。特典が多い事業所得ですが、給与所得者が副業を事業所得とするのはかなりハードルが高いと言われています。先にもあったように継続性や反復がなければ、事業所得ではなく雑所得として扱われます。例えば、FXで定期的に高額の収入を得ていたとしても、投機性が高いと判断されることから、それを専業としていない限りは雑所得扱いとなります。

事業所得にできれば有利だが判断が難しい

事業所得として認められれば、青色申告の優遇が受けられます。しかし、実際には副業を事業所得として申告するのは、なかなか難しいようです。不動産投資や株の売買など、一見すると事業所得と思われるものも、別の所得となるケースは少なくありません。収入がどの所得にあたるのか自分で判断が難しい場合は、最寄の税務署に相談しましょう。

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