譲渡所得とは何か~申告しないと損をする?~
2019.03.13

土地や建物などの不動産を譲渡した際には、譲渡所得の「確定申告」が必要なことをご存知でしょうか。なんとなく課税対象となるイメージはあるものの、どのような譲渡が発生した場合に当てはまるのか、詳しく理解している人は少ないかもしれません。そこで今回は、資産の譲渡所得の対象となるものについてご紹介し、確定申告をしないときの罰則などについても詳しく見ていきます。
譲渡所得の対象となるものとは
まずは、譲渡所得についてその対象を確認しましょう。譲渡所得とは、土地や建物、株式などを含む「資産」となるものを譲渡したときの所得です。ただし、「譲渡」の定義は有償無償に左右されないことがポイントになります。そのため、一般的な売買はもちろん、法人などに対する現物出資も譲渡所得となり、課税の対象となることに気をつける必要があります。譲渡所得の対象となるものは、次のような資産です。
- 土地、借地権、建物
- 株式等、金地金
- 宝石、書画、骨董
- 船舶、機械器具
- 漁業権、ゴルフ会員権、特許権、著作権、鉱業権
- 土石(砂) など
貴金属や宝石など
生活用動産のうち貴金属や宝石などは、1個または1組の譲渡価格が30万円以上になる場合に限り、譲渡所得として課税の対象となります。
譲渡しても課税対象外のもの
譲渡所得には、土地、建物などの不動産や株式などはもちろん、一部の権利関係や土石なども含まれるので気をつけなくてはなりません。なお、貸付金や売掛金等の金銭債権は、権利関係であっても対象外になります。また、資産を譲渡しても、課税の対象外なのは次のようなものも含まれます。
- 家具、通勤用自動車、衣類など生活用動産(一部の高額なものを除く)
- 強制換価手続きや競売などで譲渡したもの
- 貸付信託の受益権等の譲渡 など
不動産の譲渡所得の注意点
不動産の場合、土地や建物の売却額から取得費(購入代金・建築代金)と譲渡費用(売却の仲介手数料等)を差し引いた金額が譲渡所得になります。また、不動産の所有期間が、売却した年の1月1日の時点で5年以下もしくは5年超えかにより「短期譲渡所得」と「長期譲渡所得」に区分され、それぞれ所得税と住民税の税率も異なってきます。
譲渡所得を申告しないと損をする?
課税対象となる譲渡所得がある場合に「確定申告」をしなければ損をすることがあります。確定申告をすると課税されるため、税金の支払いが発生すると考えるかもしれませんが、後々の申告漏れが発生した場合に、罰則になる可能性があるため、十分に注意しなければなりません。
無申告加算税
対象となる取引があったにもかかわらず、確定申告を忘れてしまった場合には、通常の申告で発生する税額に加えて、「無申告加算税」という税金が加算される罰則があります。通常の課税率15%を20%で適用されることになりますので、注意が必要です。
重加算税
対象となる取引があったにもかかわらず、隠ぺいしようとした場合は、通常の申告で発生する税額に加えて、「重加算税」という税額が加算されます。重加算税は通常の税率分とは別途に最大40%の課税があります。重加算税は、悪質なものと判断されるときに適用される重い罰則ですので、十分に注意しなければなりません。
延滞税
原則的には、申告しなかった期間の延滞税が加算されますので、通常納税すべき税額よりもかなり負担が増えることになります。そのため、申告を忘れてしまわないように早めに行動することをオススメします。
【記事の執筆と監修について】
この記事は、株式会社フリーウェイジャパンが執筆および監修をしています。当社は1991年に創業し、税理士事務所向けの会計ソフトの販売からスタートした会社です。2009年から中小企業・個人事業主の方向けにクラウド型の業務系システムの開発・販売を開始しました。当メディアは2012年から運営しており、会計や金融など経営に関する幅広い情報を発信しています。また、当社は本当に無料で使える会計ソフト「フリーウェイ経理Lite」を提供しており、ご利用いただければ費用をかけずに業務効率化が可能です。詳しくは、こちら↓↓
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