印鑑届出書とは~必要なときと注意点~
2018.03.05

会社を設立する際には、代表者の印鑑を用意し、法務局に登録しなければなりません。その手続きにおいて必要となるのが、印鑑届出書と呼ばれる書類です。印鑑届出書は、会社の実印(代表者印)を法務局に登録する際に必要となる書類のことです。意味合いとしては、個人が市区町村に実印を登録するのと同じ。印鑑届出書を提出するときには、代表者個人の印鑑証明書が必要になります。※2018年3月5日に公開
印鑑届出書の3つのポイント
- 印鑑届出書とは、会社の実印を法務局に印鑑登録するために必要な書類である。
- 印鑑届出書は、会社設立時や代表者が変更になった場合などに申請しなくてはならない。
- 印鑑届出書を作成する際は、押印する印鑑の種類に注意する必要がある。
代表者が2名以上いる場合は?
株式会社の代表取締役や合同会社の代表者が2名以上いる場合には、それぞれが印鑑届出書を提出しても、1人だけが印鑑届出書を提出しても問題ありません。ただし、それぞれが印鑑届出書を提出する場合には、印鑑は別のものを使用し、1人1枚印鑑届出書を作成することが求められます。印鑑届出書に使用する実印は、領収書や見積書に使用する社印とは別のものを用いてください。
印鑑届出書が必要になるのは?
印鑑届出書は、主に以下のような登記申請で必要になります。
- 会社を設立したとき
- 提出していた印鑑届出書に記載されている代表者が変わったとき
- 管轄外の本店移転登記をするとき
- 何らかの理由で会社が解散し、清算人が選任されたとき
上記のいずれかに該当する場合は、必ず印鑑届出書を提出してください。この他に、「会社の商号が変わる」「会社で使用する印鑑が変わる」などといった場合には、任意で印鑑届出書を提出することになります。
印鑑届出書を作るときの注意点
印鑑届出書を作成する際、間違えやすいのが押印する印鑑の種類です。書類の左上に押印するのは「代表者の実印」ですが、右下の押印に使用するものは印鑑届出書を届け出る人によって異なります。代表者本人が届け出る場合は個人の実印(印鑑登録済みのもの)、代理人が届け出る場合には、その代理人個人の認め印が必要です。
参考:印鑑届出書の記入例
代表社員が「法人」の場合の注意点
合同会社を設立する場合、代表社員を法人にすることができますが、その際は印鑑届出書の書き方が異なるため注意が必要です。印鑑提出者本人が届出るとき、その法人の代表者が職務執行者である場合は、届出人の住所欄には法人の住所、氏名欄には役職を含む代表者の名前を記入し、右下に法人の代表者の印鑑を押します。職務執行者が法人の代表者以外である場合は、届出人の住所欄に記入するのは職務執行者の住所です。また、氏名欄に役職を記入する必要はありません。右下には職務執行者の認め印を押印しましょう。
印鑑証明書の交付申請前にも必要
印鑑届出書を法務局に提出し、実印の登録が完了した後であれば、印鑑証明書を法務局などで発行してもらうことができます。まずは法務局に印鑑カード交付申請書を提出。印鑑カードを受け取ることで、印鑑証明書の交付申請が可能になります。 会社設立に際して銀行で口座を開設する場合、印鑑証明書は必須です。他にも何らかの契約時に実印を求められたときや不動産を売買するとき、所有権の移転登記を行うときなどに印鑑証明書が必要となるため、なるべく早めに印鑑カードの交付を受けるようにしておきましょう。
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