定款とは~記載事項、公証人の認証、電子定款について~

更新日:2019年09月13日

定款

会社を設立する際には、定款(ていかん)を作らなければなりません。定款とは、会社設立の手続きにおいて、必ず作成しなければならない規則のことです。就業規則が従業員の働き方の指針となるのと同様に、定款は組織を運営する上で指針となる事項をまとめたものになります。定款の策定は、法人登記をする前に欠かせない過程です。※2019年9月13日に更新

定款の3つのポイント

  • 定款とは、会社設立の手続きにおいて必ず作成すべき規則のことを指す。
  • 作成した定款は公証人による認証が必要であり、認証されていないと登記申請の際に受理されない。
  • 紙でなく電子定款でも認証を受けることは可能だが、「データはPDF形式」「電子署名が必須」という条件がある。

定款に記載すること

定款の内容は「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」の3つに分類できます。いずれも会社法で定められています。

絶対的記載事項

絶対的記載事項は、必ず記載しなければならない事項を指します。具体的には商号、事業目的、本店の所在地、資本金額、発起人の氏名と住所、発行可能株式総数(株式会社であれば)が該当します。

相対的記載事項

相対的記載事項とは、必ずしも記載する必要はないものの、定款に定めておくことで効力を発揮する事項のことです。これには、取締役会の期間や株主総会の招集期間の短縮などが挙げられます。

任意的記載事項

任意的記載事項は、記載しなくても効力が否定されることはないため、その判断が委ねられている事項を指します。

定款は公証人による認証が必要(株式会社の場合)

作成した定款は、公証人による認証を受けることで法的な効力を持ちます。認証を受けていない定款は法人登記の際に受理されないため、必ず公証役場に提出しなければなりません。公証人は提出された定款を確認し、その内容に問題がなければ正当な手続きによって定款が作成されたことを証明します。原始定款(会社設立時の定款)が発起人にあたる人物によって作成されたこと、そして私的紛争や不正行為を未然に防ぐために、内容が明確であるかを確認します。なお、持分会社(合資会社・合同会社)を設立する場合は、株式会社のときとは異なり、例外的に公証人による定款の認証を受ける必要がありません。

電子定款を作成する場合の注意点

紙の書面でなく、データ化された電子定款でも認証を受けることは可能です。紙の定款の場合は印紙代がかかりますが、データ管理の場合は印紙が不要のため、コストを抑えられるというメリットがあります。ただし、電子定款の作成手順においては注意しなければならない点があります。まず、データはPDF形式で保存しなくてはなりません。また、改ざん防止のために電子署名が必須です。

定款を変更する場合

定款を認証された後で内容を変更する場合、軽微であれば、あらためて認証を受ける必要がない可能性もあります。変更が必要となったら認証を受けた公証役場に問い合わせて、認証の必要性の有無を確認しましょう。

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この記事の監修者

牛崎 遼 株式会社フリーウェイジャパン 取締役

2007年に同社に入社。財務・経理部門からスタートし、経営企画室、新規事業開発などを担当。2017年より、会計などに関する幅広い情報を発信する「会計ブログ」の運営責任者を継続している。これまでに自身で執筆または監修した記事は300本以上。

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