社団法人とは~一般と公益の区別、設立条件~

更新日:2018年07月17日

仲間

「社団法人」は法人形態の一つであり、共通の目的を持って集まった非営利の団体を指します。「株式会社」などの企業とは異なり、剰余金は団体の活動の用途にのみ使用することができます。※2018年7月17日に公開

社団法人の3つのポイント

  • 「社団法人」とは法人形態の一つであり、共通の目的を持って集まった非営利の団体のこと。事業利益の配当は禁止されているが、構成員への給与支払いは認められている。
  • 「一般社団法人」は登記のみで設立可能。公益認定を受ければ「公益社団法人」になることができ、税制上の優遇措置が受けられる。
  • 一般社団法人は構成員2名(法人を含む)から設立でき、出資金の代わりに構成員などからの財産拠出を受ける基金制度を採用できる。

社団法人の非営利性とは

社団法人の成立条件として「非営利であること」があげられますが、非営利とは「事業による収益を団体の構成員に分配してはならない」という意味です。つまり、事業によって収益を上げること自体に問題はないということです。むしろ、社会貢献活動を長く継続していくなら、事業利益を得ることは必須と言えます。

これは同じく非営利の団体であるNPO法人も同様ですが、公益性のある事業に限定されているNPO法人とは異なり、社団法人の場合は原則的に事業目的の制限がありません。

構成員に給与を支払うことはできない?

社団法人の構成員は給与や報酬を受け取ることができないと思われるかもしれませんが、実はそうではありません。株式会社などと同じように、社団法人にも構成員に対する給与の支払いは認められています。ただし事業で得られた売上から経費を差し引いた剰余金については、株式会社とは異なり、株主への配当が禁止されています。

「一般社団法人」と「公益社団法人」の区別

社団法人は、財団法人と同じように「一般社団法人」と「公益社団法人」に分類されます。後者は、非営利性に加えて事業内容の公益性が認められることで、税制上の優遇措置が受けられる仕組みです。公益社団法人に認定されるには、まず一般社団法人を設立し、公益社団法人として登記するという手順を踏みます。

現行の制度は平成20年の法改正によって決められ、そのときに「一般社団法人」と「公益社団法人」が区別されるようになりました。法改正以前の社団法人には必ず事業の公益性が求められていたため、現在の「公益社団法人」のあり方はかつての社団法人のかたちに近いと言えるでしょう。一方、登記のみで設立が可能な「一般社団法人」の登場により、協会や互助会といった任意団体の法人化が実現しやすくなりました。

一般社団法人を設立するには

前述の通り、一般社団法人は登記によって簡単に設立できるようになりました。構成員2名以上で設立が認められますが、個人だけでなく法人も構成員として認められます。また設立後に構成員が1名になったとしても存続は可能であり、解散する必要はありません。

設立時の出資金などは不要ですが、活動資金を調達する手段として基金制度を採用できます。構成員などから財産の拠出を受け、一般社団法人の基礎財産とする方法です。しかしこれらは一定要件や合意のもとに返還義務を負うものとして扱われるため、一般社団法人の解散時には返還しなくてはなりません。

この記事の監修者

牛崎 遼 株式会社フリーウェイジャパン 取締役

2007年に同社に入社。財務・経理部門からスタートし、経営企画室、新規事業開発などを担当。2017年より、会計などに関する幅広い情報を発信する「会計ブログ」の運営責任者を継続している。これまでに自身で執筆または監修した記事は300本以上。

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