法人口座の開設までの流れや金融機関を選ぶポイントを解説
2023.10.10

新たに法人を立ち上げる際にやっておきたいことの一つが、法人口座の開設です。法人口座を持っておくと、社会的信用を獲得しやすくなったり、法人全体の経営状況を把握しやすくなったりと、多くのメリットを得られます。
法人口座を開設できる銀行はメガバンクからネット銀行まで幅広いです。金融機関によって審査の厳しさや開設までにかかる時間などが異なるため、どこの金融機関で開設するのが良いか、判断に迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。また、法人口座までに必要な準備やかかる時間の目安など、今一度確認しておきたい方もいるでしょう。
この記事では、法人口座を持つメリットや開設先ごとの特徴、開設までの流れを解説します。
目次
法人口座の開設で得られる3つのメリット
法人口座の開設は法で定められておらず任意であるため、法人設立後に個人口座を使い続けることも可能です。しかし、法人口座を作っておくことで得られるメリットは多いです。
社会的信用を獲得できる
法人口座の開設には厳しい審査を通る必要があります。法人口座を持っているということは審査に通ったことの証明になるため、社会的信用を得られます。
先述の通り、法人化した後も個人口座を使い続けることはできますが、公私混同していると捉えられてしまい、取引先からの信用を得づらく不利になる可能性もあります。また、大口の融資を受けづらくなってしまうことも考えられます。
キャッシュフロー把握が容易になる
個人口座で事業資金を管理していると、プライベートの収支と混同するおそれがあるため、資金の把握が複雑になってしまうことがあります。また、万が一税務調査が行われた場合、事業の収支と個人の収支を確認しなければならず、多くの手間を要することになります。
しかし法人口座で事業資金を一元管理しておけば、財務状況の把握が容易になるため、将来的な事業計画の見通しも立てやすくなります。
また、法人口座を持っていれば、法人向けのクレジットカードも作ることができます。法人名義のクレジットカードで経費支払いを行えば、会計処理にかかる時間や手間を削減することも可能です。
融資や手数料の点で有利になる
融資を受ける際、振込先を法人口座のみとする金融機関も多いです。法人口座の有無が融資を受けられるかどうかに影響することがあります。
また、個人口座と比べると、法人口座の方が借入金額が高くなることもあります。法人設立後、時にはまとまった資金が必要になるシーンもあるかもしれません。資金調達のしやすさからも、法人口座を開設しておくことが大切です。
さらに、利用頻度に応じて手数料が割引されたり、同行宛の振込は他行宛よりも手数料が安くなったりと、手数料の節約ができる金融機関もあります。やりとりの多い取引先と同じ金融機関の法人口座を持っておけば、手数料を抑えることもできます。
法人口座はどこで開設する?
法人口座を開設できる金融機関は数多く存在しますが、主に5つに分けることができます。それぞれ審査にかかる期間や口座維持手数料など異なる特徴があるため、自社の事業形態やコストから最適な金融機関を選ぶことが大切です。
都市銀行
都市銀行は、大都市に本店を持ち、全国展開している大手銀行を指します。
海外の振込にも対応していたり、高額な融資にも対応できるため、事業規模が大きい企業にはおすすめの開設先です。また、口座開設の審査も厳しいため、都市銀行の法人口座を持っておけば、取引先からの信用も得やすいです。
しかし、他の金融機関と比較すると、口座維持手数料が高額になります。あまりコストをかけたくない場合は、別の金融機関での口座開設がおすすめです。
地方銀行
地方銀行は、都道府県単位を中心に展開する銀行で、特定の地域内に支店やATMが集中しています。地域ビジネスに関する知識や情報を多く有するため、地域に根ざした事業を行うのであれば、親身に相談に乗ってもらえます。
ただ、今後の事業拡大で他地方にも展開する見込みがある場合は、展開先に銀行がない可能性もあるため、注意が必要です。
信用金庫
信用金庫は、特定地域の会員出資で作られている金融機関です。
都市銀行と比べると口座を開設しやすいだけでなく、返済のリスケジュールにも対応してもらえる場合があるため、今後融資を受けたい場合におすすめです。
しかし、従業員300人以上または資本金が9億円を超過した場合には、脱退しなければなりません。
ネットバンク
ネットバンクはインターネット上での取引が主戦場で、24時間365日、振込や決済ができます。申込から口座開設までの手続きもすべてネット上で行えるため、店舗へ出向く手間も省けます。
一方で、国や地方自治体の補助金・助成金の受取先として指定できなかったり、ネット銀行によっては海外送金ができない場合もあります。
その他
ゆうちょ銀行や労働金庫、JAバンクなどでも法人口座を開設できます。
▼ゆうちょ銀行、労働金庫、JAの特徴
ゆうちょ銀行 |
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労働金庫 |
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JAバンク |
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法人口座を開設するまでの4ステップ
法人口座の開設は必要な書類を提出したり、金融機関の審査を受けるなど、複数の手順を踏む必要があります。審査に1ヶ月ほど要することもあるため、手順を把握したうえで、計画的に開設準備を進めることが重要です。
本章では、法人口座を開設するまでの4ステップを解説します。
【法人口座開設までの4ステップ】
- 法人口座を開設する金融機関を選択する
- 必要書類を揃え、金融機関に提出する
- 金融機関による審査を受ける
- 法人口座の開設が完了
1.法人口座を開設する金融機関を選択する
まずは、法人口座を開設する金融機関を選択しましょう。金融機関ごとに強みや重視する審査基準、付帯サービスが異なります。「多くの企業が使っているから」といった理由で決めるのではなく、自社の事業の特徴や口座の使用用途に合わせて選定することが大切です。
もし1つの口座に決め切れない場合は、複数の法人口座を開設することも一手です。複数口座をもつことで、使用用途に応じて使い分けることができるようになります。例えば取引先とのやりとりを信用力のある都市銀行とし、振込や細かな入出金はネット銀行を使うのもおすすめです。
2.必要書類を揃え、金融機関に提出する
どの金融機関で口座開設するか決めたら、必要書類を準備します。
▼金融機関に提出が必要な書類の例
会社の商業登記簿謄本 (履歴事項全部証明書) |
社名や本店所在地、役員氏名などが明記されたもの |
会社の定款 | 会社の憲法とも言え、社名や資本金などの情報が明記されたもの |
会社の印鑑証明書 | 全国の法務局窓口だけでなく、印鑑カード交付申請書(法務省)より手続きし、郵送やオンラインで入手することも可能 |
会社のリーフレットや 事業計画書など |
会社の実態がわかる資料 |
金融機関によって必要な書類が異なる場合もあるため、詳細はホームページや窓口などで確認しておくことが大切です。
事業計画や会社の実態が不明瞭だと、審査落ちしてしまう可能性があります。必要書類を整えるだけでなく、記載内容に間違いや不明点がないかも確認したうえで提出することが重要です。
3.金融機関による審査を受ける
書類を提出したら、金融機関による審査を受けます。
審査では、提出した書類に加え、事業内容や株主情報の確認が入るケースもあります。これは、マネーロンダリングなどの不正利用リスクへの対応として、審査が厳しくなっていることが要因です。金融機関ごとの審査基準や目安となる期間も事前に調べておきましょう。
▼金融機関の審査でよく見られるポイントの例
- 事業内容、目的のわかりやすさ
- 固定電話回線やオフィス、公式ホームページなど、自社の実態を示す材料
- 資本金の金額
- 取引先との契約書・領収証
- 代表者の素行
- 必要書類の不備の有無
4.法人口座の開設が完了
審査が無事に通れば、法人口座が開設されます。実際に口座が開設するまでの期間は金融機関によって異なっており、都市銀行などの信頼性が高い金融機関は、審査に要する時間が長くなりがちです。
法人口座はどの金融機関で開設すればよい?
自社の事業規模や取引先、重視したいポイントによって、おすすめの口座開設先が異なります。最後に、重視したいポイント別におすすめの金融機関を紹介します。
【信頼性をアピールしたいなら】都市銀行
都市銀行は、大手企業や公的機関との取引など、信頼性をアピールしたい場合におすすめです。ただし、他金融機関と比べて審査が厳しいことには注意しなければなりません。
また、全国や海外に事業を展開したい場合も、拠点が各地で見つけられる可能性が高いのでおすすめです。さらに、都市銀行は事業規模が大きいだけに、大口の融資を得たい場合にもおすすめできます。
【地域密着型事業なら】地方銀行
地域密着でビジネスを行いたい場合には、地方銀行がおすすめです。
地方銀行は、地域のブランド力とビジネス事情に関する情報を豊富に有しています。また、地域の人脈も豊富なので、地域密着でビジネスを行う際には、強力な味方になるでしょう。
取引先も同地域の企業の場合、同じ地方銀行を使っている可能性も高いので、同銀行間取引による手数料節約も期待できます。
【事業規模が小さいなら】信用金庫
信用金庫は、法人口座開設のハードルが低いので、事業規模が小さく、かつ地域密着でビジネスを行いたい場合におすすめです。地域密着でビジネスを行いたい場合には地方銀行も有力な選択肢ですが、信用金庫は起業アドバイスなど、地方銀行よりさらに細やかなサービスを期待できます。
ただし、従業員が300人以上、または資本金が9億を超えると信用金庫を脱退しなければならないので、今後事業規模を拡大したい場合には注意しなければなりません。
【はじめての法人口座開設なら】ネットバンク
ネットバンクは法人口座開設のハードルが低く手数料も安価なため、法人化して最初にもつ法人口座として特におすすめです。24時間365日対応してくれるため、時間を問わず入出金や振込などを行いたい場合にもおすすめできます。
最初に開設する法人口座としておすすめ!GMOあおぞらネット銀行
ネットバンクは、最初に開設する法人口座としておすすめですが、特におすすめのネットバンクが「GMOあおぞらネット銀行」です。GMOあおぞらネット銀行には、起業してすぐの方におすすめできるポイントが多数存在します。
【振込手数料が安い】
同行宛の振込は手数料無料で、他の金融機関宛も一律145円(税込)と、安価に設定されています。また、設立1年未満の場合は、他行宛の振込手数料が月20回まで無料です。
【振込入金口座が無料で使える】
振込入金口座とは、GMOあおぞらネット銀行が法人・個人事業主に提供している、振込入金専用の仮想口座です。注文ごと、顧客ごとに振込入金口座を割り当てると、入金データから注文内容や顧客をすぐ確認できるため、入金管理の手間が軽減されます。
【24時間365日いつでも取引できる】
口座開設のために銀行へ出向く必要もなく、Webサイト上ですべての手続きが完了します。また、専用のスマートフォンアプリやパソコン上でもスムーズに利用できます。
【利用金額の最大1%※がキャッシュバックされる】
GMOあおぞらネット銀行のビジネスデビットカードを使えば、利用金額の最大1%※が毎月キャッシュバックされます。
※税金や公共料金など、一部キャッシュバック率が異なるものもあり
最短即日で口座開設!GMOあおぞらネット銀行の法人口座
法人口座を開設できる金融機関は多数存在しますが、最初に開設する法人口座でおすすめしたいのが、GMOあおぞらネット銀行です。以下のとおりさまざまなメリットがある法人口座を、わずか3ステップで、かつ最短即日で開設可能です。
【GMOあおぞらネット銀行の特徴】
- オンラインで申し込み完結!「ハンコ」・「ペーパー」・「レター」不要!
- 24時間365日対応
- 税金の支払いにも活用可能
- デビットカード使用でよりお得に利用
- 操作画面は直感的操作が可能なUI
- 最大1%還元のクレジットカードを作ればよりお得
GMOあおぞらネット銀行についてより詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。
GMOあおぞらネット銀行を詳しく知るまとめ|法人口座で法人活動をスムーズに!
取引先からの信用獲得や大口の融資を受ける際に役立つ法人口座。開設は任意ですが、多くのメリットがあるため、法人立ち上げ時にあわせて開設することでその後の業務がスムーズに進みます。
都市銀行やネット銀行など、法人口座を開設できる金融機関は多岐にわたり、それぞれ審査の厳しさや手数料、サービス内容が異なります。各金融機関の特徴や自社の事業内容を考慮したうえで、法人口座の開設先を選ぶことが大切です。
なお、本記事でご紹介している「GMOあおぞらネット銀行」は、アフィリエイト広告の出稿を受けています。
よくある質問
Q1.法人口座を開設するメリットは?
法人口座を開設するメリットは、大きく分けて以下の3つです。
- 社会的信用を獲得できる
- キャッシュフロー把握が容易になる
- 信用金庫
- 融資や手数料の点で有利になる
詳しくは、「法人口座を開設するメリット」をご覧ください。
Q2.最初に開設するのにおすすめの法人口座は?
最初に開設するのにおすすめの法人口座は、GMOあおぞらネット銀行です。GMOあおぞらネット銀行には、起業してすぐの方におすすめできるポイントが多数存在します。
- 設立1年未満であれば、他銀行あて振り込み手数料が20回/月まで無料
- 口座維持費用不要
- 初めてでもわかりやすいUI(ユーザーインターフェース)
- 創業期や赤字でも使えるビジネスローンを用意
- 最短即日口座開設
詳しくは、「最初に開設する法人口座としておすすめ!GMOあおぞらネット銀行」をご覧ください。
【記事の執筆と監修について】
この記事は、株式会社フリーウェイジャパンが執筆および監修をしています。当社は1991年に創業し、税理士事務所向けの会計ソフトの販売からスタートした会社です。2009年から中小企業・個人事業主の方向けにクラウド型の業務系システムの開発・販売を開始しました。当メディアは2012年から運営しており、会計や金融など経営に関する幅広い情報を発信しています。また、当社は本当に無料で使える会計ソフト「フリーウェイ経理Lite」を提供しており、ご利用いただければ費用をかけずに業務効率化が可能です。詳しくは、こちら↓↓
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