法人名義でクレジットカードを作れる?注意点、支払口座も紹介
更新日:2024年08月13日
クレジットカードを法人名義のみで作れれば、企業の経理管理上、便利と考えている方もいるかもしれません。しかし残念ながら、クレジットカードはあくまでも企業ではなく利用者個人に向けて発行されるものであり、法人名義のみでクレジットカードを発行することはできません。ただし、クレジットカードに法人口座を紐づけたり、従業員に対して複数カードを発行したり、個人名に企業名を併記したりすることは可能です。この記事では、法人向けのクレジットカード利用や注意点を開設します。
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目次
クレジットカードを法人名義だけで作成することはできないが、法人向けの利用は可能
冒頭でも書いたように、前提として、クレジットカードは法人名のみで発行することはできません。クレジットカードはあくまでも企業ではなく利用者個人に向けて発行するものだからです。
ただし、個人利用ではなく、企業や個人事業主が利用したい用途として、「その法人(企業)に所属する個人」の名義でクレジットカードを発行することは可能です。その場合、法人名や屋号と個人名を併記します。
なお、企業や個人事業主が持つクレジットカードは、企業規模などによって、中小企業や個人事業主向けの「ビジネスカード」と大企業向けの「コーポレートカード」に分類されますが、これらによる法人カードの名義記載の違いはなく、どちらにおいても個人名か、個人名と法人名の併記のみが可能です。
クレジットカードの追加発行も可能
従業員や役員に対して、追加で法人用のクレジットカードを発行することも可能です。この場合も個人事業主や代表者に発行した場合と同じで、利用者の個人名がクレジットカードに記載されます。
通常は、クレジットカードの発行費用がかかりますが、カード会社によっては、一定の枚数まで無料で追加発行も可能です。
一度の申し込みで同時に発行できるカードの枚数はクレジットカード会社によって異なるため、複数枚発行したいと考えている企業は、必要枚数を確認してからクレジットカード会社を選定すると良いでしょう。
参考までに、いくつかのクレジットカード会社と同時発行可能なカード数を下に記載します。
▼主なクレジットカード会社と同時発行可能なカード数
クレジットカード | 同時発行できる枚数 |
三井住友カード ビジネスオーナーズ | 最大19枚 |
GMOあおぞらネット銀行キャッシュカード | 最大19枚 |
アメックスビジネスオーナーズ |
|
JCB CARD Biz一般 | 発行不可 |
法人口座の履歴とクレジットカードの利用明細で経理が明確に
クレジットカードを法人で使う場合、利用者の役職や属性に関わらず、引き落としは登録された法人名義の口座から支払われます。
口座の履歴とクレジットカードの利用明細を対照することで、どの利用者が、いつ、どこで、何に利用したのかが明らかになります。入出金の流れや経費の区分を整理しやすくなり、経理の業務効率化にも役立てやすくなるでしょう。
クレジットカードを法人で使う際の注意点
クレジットカードを法人で使う際ならではの注意点が、いくつかあります。企業の信頼を確保する点でも、以下の3つのポイントはカードを持つ全ての利用者に下記は周知しておきましょう。
- 名義人以外は利用できない
- ポイントは個人所有ではない
- 登録情報の変更をクレジットカードに反映させる
名義人以外は使えない
クレジットカードは利用者個人のみの利用が原則であり、名義人しか使用できません。たとえ同じ企業の従業員同士であっても、カードを共有して利用すると、クレジットカード会社との規約違反になります。また、退職した元従業員のカードを他の従業員が利用することも、同様に規約違反です。
支払い時にサインを求められた際は、利用者本人の個人名が必要です。もちろん、クレジットカードの名義人とサインは一致している必要があります。
ポイントは個人所有ではない
クレジットカードの中には、利用するとポイントが貯まるものもあります。名義は利用者個人ですが、法人カードの場合、ポイントはカード契約者である法人や個人事業主のものになります。よって、法人や個人事業主のものであるポイントを個人利用すると、業務上横領の罪に問われる可能性もあり注意が必要です。
マイルについても同様で、基本的には個人利用はできません。
登録情報の変更をクレジットカードに反映させる
企業・法人名や代表者の変更や、利用者の名字が婚姻・死亡などで変わった場合、クレジットカードの登録情報にも反映させる必要があります。従業員や役員の情報変更が生じた際のバックオフィスの業務フローとしてあらかじめ組み込んでおけば、カードの登録情報の変更忘れを防げるでしょう。
ただし、代表者の名義変更の際は、カードによっては変更ができず、新規申し込みが必要な場合もあります。
まとめ|個人名も併記し、法人向けにクレジットカードを活用する
クレジットカードは法人名だけで作ることはできません。法人名義をクレジットカードに記載する場合でも、必ず個人名の記載が必要です。引き落としは利用者の役職や属性に関わらず、法人名義の口座から行われます。
クレジットカードは名義人以外は使えず、利用時のサインもクレジットカードに記載されている個人名と一致している必要があります。クレジットカードの登録情報に変更があった場合、更新が必要であるため、バックオフィスの業務フローとして組み込んでおくと安心です。
法人向けならではのクレジットカード利用の注意点を守りながら、企業経理の効率化をはかりましょう。
よくある質問
Q1.法人カードの名義は法人名だけにできる?
法人カードの名義は、役職や属性に関わらず個人名で登録しなければならず、法人名のみを名義にすることはできません。ただし、法人名を個人名と合わせて記載すれば、作ることが可能です。
Q2.支払い口座はどこの口座?
利用者の役職や属性にかかわらず、引き落とし口座に登録された法人名義の口座から支払われます。クレジットカードの明細書には、どの従業員が、いつ、どこで、何に利用したのかが一覧で明記されます。
この記事の監修者
牛崎 遼 株式会社フリーウェイジャパン 取締役
2007年に同社に入社。財務・経理部門からスタートし、経営企画室、新規事業開発などを担当。2017年より、会計などに関する幅広い情報を発信する「会計ブログ」の運営責任者を継続している。これまでに自身で執筆または監修した記事は300本以上。
運営企業
当社、株式会社フリーウェイジャパンは、1991年に創業した企業です。創業当初から税理士事務所・税理士法人向けならびに中小事業者(中小企業および個人事業主)向けに、会計ソフトなどの業務系システムを開発・販売しています。2017年からは、会計・財務・資金調達などに関する情報を発信するメディアを運営しています。
項目 | 内容 |
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