法人口座開設にはホームページは必須?審査で見られるポイントも解説

更新日:2024年01月12日

法人口座 ホームページ

法人口座を開設する際には、マネーロンダリングなどの口座の不正利用を防ぐために厳しい審査が行われます。審査では「資本金は十分か」「登記されている場所で事業を行っているか」など、企業の実態や事業内容が明確かどうかをチェックされますが、まだ実績が十分にない創業初期の企業の場合、事業内容を伝えるための材料が少ないと不安を抱く方もいるのではないでしょうか。

創業初期の企業が事業内容を示す方法の1つに、ホームページの整備が挙げられます。ホームページに事業内容や企業理念などを示しておくことで、審査の際に企業実態や事業内容を伝える一助となります。

本記事では法人口座を開設する際のホームページの必要性について解説します。加えて、法人口座開設のための審査でチェックされるポイントや必要な書類についても紹介します。

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目次

法人口座開設の審査には何が必要?

法人口座を開設する際には審査が行われます。振込詐欺やマネーロンダリングなど犯罪行為に口座を利用されるのを防ぐため、企業の実態や事業の目的、実績などが厳しく確認されるのです。

審査の基準や必要になる書類は金融機関ごとに異なりますが、本章では、多くの金融機関で必要となる代表的な書類を紹介します。

商業登記簿謄本

商業登記簿謄本とは、会社の登記情報を記載した書類です。社名(商号)、本店所在地、役員氏名、資本金の額、株式の数、法人の目的などが記載されており、登記事項証明書、履歴事項全部証明書とも言います。

法務省の「登記ネット」によると、商業登記簿謄本はデータ化されているため、法務省の窓口に加えてオンラインでも取得可能です。詳しくは法務省「登記ネット」をご参照ください。

定款

定款は、目的、運営に関する会社の基本的な規則です。会社設立時に発起人全員の同意を得たうえで作成しなければならないことから「会社の憲法」とも呼ばれ、社名(商号)、資本金、事業目的などが記載されています。定款の原本は、企業と公証役場に1部ずつ保管しています。万が一紛失してしまい手元にない場合には、公証役場にてコピーを入手することで再発行できます。

印鑑登録証明書

印鑑登録証明書は、印鑑証明書や印鑑証明と呼ばれ、 登録された印鑑が本物であることを証明する書類です。同じく印鑑登録した際にもらう印鑑登録証(印鑑カード)とは別物なので、注意してください。

企業の印鑑証明書は、全国の法務局窓口のほかに法務省の「印鑑カード交付申請書」の手順に従って手続きを行えば、郵送でも取得可能です。また、ICカードリーダライタなどの環境を整備していれば、オンラインでも取得できます。詳しくは法務省の「オンラインによる登記事項証明書及び印鑑証明書の交付請求について(商業・法人関係)」をご参照ください。

本人確認書類

手続きをする方の本人確認書類も必要です。パスポートや運転免許証など、有効期限内の顔写真付き証明書を用意しておきましょう。また、手続きをする方と代表者が異なる場合は委任状の提出を求められる場合もあるので、予め用意しておくと安心です。

法人の運営実態を示す資料

事業内容や実績などの運営状態を示す資料が全くないと、法人口座開設のための審査落ちは避けられません。銀行は口座がマネーロンダリングなどの不正利用を避けたいと考えており、法人口座はそういった不正行為に利用されやすいため、審査が厳しくなっています。

事業計画書やオフィスの賃貸借契約書など、事業の実態がわかるものはしっかり用意しておくことが大切です。ちなみに、ホームページも企業の運営実態を示す資料として活用できます。

法人口座の審査で見られるポイント

法人口座開設にあたって、金融機関ごとに審査基準は異なり、審査の基準も公表されていません。一般的によく見られるポイントは以下3点ですが、実際に審査を受ける銀行のホームページなどを確認し、何が必要か確認することが重要です。

  • 会社の住所
  • 事業内容
  • 資本金の金額

会社の住所

申込内容と登記書類の住所が一致していない場合、審査に落ちる可能性があります。また、バーチャルオフィスの住所を登記している場合にも、審査において不利になる可能性があります。これは、銀行が企業に対して信用できなかったり、法人口座開設後に企業が逃亡する可能性を心配しているためです。

ただし、バーチャルオフィスは普及が進んでおり、バーチャルオフィスを利用しているからという理由だけで法人口座が開設できない、ということはありません。メガバンクの中にも、「バーチャルオフィスであるかどうかは判断基準ではない」としている銀行があります。

もしバーチャルオフィスを利用している場合、賃貸契約が結ばれていることを示す書類を準備しましょう。また、犯罪が行われた住所でないかどうかも確認しておきましょう。

事業内容

企業の事業内容が曖昧だったり、幅広い事業を行っていたりする場合、事業の目的が金融機関側に伝わらず、口座の不正利用を疑われてしまう可能性があります。事業内容の記載は主業務を中心に示すなど一貫性を重視し、事業内容を第三者にわかりやすく説明できるようにしておきましょう。

資本金の金額

1円からでも会社設立は可能ですが、あまりにも資本金が少なすぎる場合には不正利用を疑われ、審査に落ちてしまう可能性があります。そのため、最低でも100万円ほどの資本金を用意しておくと安心です。事業内容によって目安額が異なるため、企業の事業内容に適した最低限必要な資本金を確認しておくことが大切です。

法人口座開設時にホームページを用意する必要性

会社のホームページは、会社の実態を示す上で有効な手段になります。しかし、まだホームページを開設していないという方の中には、口座開設のためだけにホームページを用意するのは億劫だと感じる方もいらっしゃるかもしれません。法人口座開設にホームページは必要となるのでしょうか。

法人口座開設の審査では、あくまでも事業実態の有無を示すことが大切であるため、ホームページは必須ではありません。ホームページがないからといって口座を開設できないわけではありませんし、逆に、ホームページがあっても審査に通過するとは限りません。重要なことは、企業の実態や事業内容を明確に伝えることです。しかし、創業から間もないなど、実績や企業のイメージを伝えづらいというケースもあります。そんなときに、ホームページに企業住所や取り組み・方針などが明記されていると、実態や健全性をアピールすることができます。

結論として、ホームページは法人口座開設に必須ではないものの、用意しておくことに損はないと言えます。ホームページは簡単に作成できるため、法人口座開設前に用意しておくことをおすすめします。

法人口座の審査担当がホームページで確認するポイント

先述の通り、法人口座の開設に、ホームページは必ずしも必要とは言い切れません。しかし、ホームページがあることで事業内容を伝える一助になることも事実です。本章では、法人口座開設の審査時にホームページを確認する場合のポイントを解説します。

ホームページの記載内容

企業のホームページには、事業内容や理念、オフィスの住所など、事業の実態が明確にわかる内容を記載します。ホームページがあったとしても、記載内容が少なく、具体的な事業内容や活動状況が把握できない場合は審査に活かせません。最低限、以下の項目は記載しておくことをおすすめします。

【ホームページに記載しておきたい項目】

  • 会社概要
  • 事業内容
  • 取扱商品
  • 連絡先
  • 会社所在地 など

ドメイン選びとホスティングサービス

企業名やブランド名に合うドメインを選ぶと、ホームページが顧客にとって覚えやすく、信頼度も高まります。奇抜なドメインは信憑性を疑われるため、避けたほうがよいでしょう。多くの人に馴染みのある、.comやco.jpなどのドメインがおすすめです。

まとめ|口座開設の審査に、ホームページも活用できる

法人口座開設の審査を通過するには、運営実態を明確に示すことが必要です。運営実態を示す資料として、ホームページをあらかじめ作成しておくことがおすすめです。ホームページ作成は必須ではありませんが、運営実態がわかるように会社の事業内容や所在地などの情報を明示しておくことで、実績の少ない企業が審査に通過するための一助になります。

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よくある質問

Q1.法人口座開設において必要になるものは何ですか。

法人口座開設において必要になる物は銀行によって異なりますが、一般的には以下の書類が必要とされます。

  • 商業登記簿謄本
  • 定款
  • 印鑑登録証明書
  • 本人確認書類
  • 運営実態を示す資料

Q2.ホームページには何を書けばいいですか。

企業のホームページには、企業の運営実態がわかる内容を記載します。

会社概要、取扱商品、連絡先、会社所在地などの基本事項を記載し、第三者にも分かりやすく事業内容が伝わるようにしましょう。また、ドメイン選びは企業の印象に即したものを選ぶことが大切です。

この記事の監修者

牛崎 遼 株式会社フリーウェイジャパン 取締役

2007年に同社に入社。財務・経理部門からスタートし、経営企画室、新規事業開発などを担当。2017年より、会計などに関する幅広い情報を発信する「会計ブログ」の運営責任者を継続している。これまでに自身で執筆または監修した記事は300本以上。

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