クラウド会計ソフトのメリットとデメリット

更新日:2018年07月25日

マルとバツ

最近話題のクラウド会計。使うかどうか迷っている方もいるでしょう。そもそも、クラウド会計ソフトとは何なのでしょうか。何をもって、それがクラウド会計ソフトだと言えるのでしょうか。※2018年7月25日に公開

クラウド会計の特徴

正解はありませんが、一般的に言われるクラウド会計の特徴は以下のとおりです。

ウェブブラウザで使う(パソコンなどにインストールしない)

最も多くの方がイメージするのが、クラウド会計ソフトはプログラムをパソコンにインストールせず、ウェブブラウザでログインして使う、という点ではないでしょうか。従来のパッケージソフト等では、CDなどからプログラムをパソコンに入れていました。そことの比較として、上記の点が挙げられます。ただし、クラウド会計ソフトのスマートフォンやタブレット用アプリケーションは、スマートフォンにダウンロードするタイプです。ウェブブラウザ版のみをクラウド会計と呼ぶのであれば、これらのアプリケーションはクラウド会計ではない、ということになってしまいます。

会計データをインターネット上に保存している

プログラムをどこに保存するか(または保存しないか)は、クラウド会計であるか否かを決定づける特徴とは言えないかもしれません。他に要素があるとすれば、最新の会計データをインターネット上に保存されており、すぐ共有できるようになっている点でしょう。ローカル端末内とインターネット上の両方に会計データを保存して、お互いに同期するという設計になっているクラウド会計ソフトもあります。

クラウド会計のメリット

いつでもどこでも使える

クラウド会計であれば、インターネット環境とウェブブラウザさえあれば、いつでもどこでも利用できます。なぜなら、プログラムもデータもインターネット上に保存されており、IDとパスワードがあれば使えるようになっているからです。自分のパソコンでなくとも、ネットカフェのパソコンなどでも作業が可能です。

税理士とデータ共有しやすい

自分で税金を申告する場合はさておき、決算時には税理士事務所に依頼することが多いと思います。このとき、自身で作成した会計データを税理士と共有する必要がありますが、クラウド会計ソフトだと便利です。常に、最新のデータがインターネット上に保存されているため、データを送り合ったり、USBメモリなどで渡すといった手間がかからないのです。※税理士と同じ会計ソフトを使っている場合の話

アップデートの手間がない(いつでも最新機能)

クラウド会計であれば、最新のプログラムを常に利用できます。パッケージソフトなどの場合は、不具合の修正や機能追加があった場合、手作業でアップデート(インストール)する必要がありました。この手間がなくなります。

クラウド会計のデメリット

インターネットに接続できないと使えなくなる場合がある

プログラムもデータもインターネット上のものを使うクラウド会計の場合、インターネットに接続できなくなれば、何も仕事ができなくなります。「いつでもどこでも」の利便性と引き換えのデメリットと言えるでしょう。クラウド会計を導入する際には、常に安定したインターネット接続ができる環境が重要です。この点については過度な心配はいらないと思います。昨今、日本国内のほとんどの地域で、支障なくインターネットを使えるようになっているからです(山奥などは別)。ただし、大規模な災害時にはネット回線が普通になる可能性もあります。

間違った会計データが保存されてしまうこともある

税理士や会社内の誰かとデータを共有している場合、意図しないデータが保存されてしまう場合があります。シミュレーションのために仕訳を入力したまま保存してしまったり、間違ってデータを削除してしまったり。こういった場合に備えて、データのバックアップをとれるクラウド会計ソフトや、何世代か前の会計データを復元できるソフトだと安心です。

知らぬ間に使い勝手が変わってしまう

常に最新の機能を使えるというメリットは、裏を返せば、変わってほしくない部分があっても気づかぬ間に変更されてしまうデメリットがあるということです。使いやすいと感じていた画面のデザインが変わってしまったり、操作手順が変わってしまったり。慣れてしまえば問題ありませんが、それまでは作業効率が下がることもあります。もちろん、最新の技術や機能、変化を好む方であれば、頻繁にリニューアルするようなクラウド会計でも問題ありません。また、ショックを和らげるため、元のバージョンも併行で使えるようにしていることもあります。いずれ、元のバージョンは利用できなくなりますが。

メリットの方が大きければ利用しましょう

フィンテックなどの盛り上がりもあり、クラウド会計ソフトもさらに注目が集まっています。そのメリットばかりが目に付くかもしれませんが、メリットとデメリットをよく比較して検討しましょう。実際の会計ソフトの利用環境も考慮する必要があります(例:外出先で使わないのであればクラウド会計は必須ではない)。ゼロベースで、そもそも最適な会計ソフトはどういったソフトなのかを考えて、業務効率化を成功させてください。

この記事の監修者

牛崎 遼 株式会社フリーウェイジャパン 取締役

2007年に同社に入社。財務・経理部門からスタートし、経営企画室、新規事業開発などを担当。2017年より、会計などに関する幅広い情報を発信する「会計ブログ」の運営責任者を継続している。これまでに自身で執筆または監修した記事は300本以上。

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