フリーキャッシュフローとは何か?プラスとマイナスの意味について

更新日:2020年10月19日

フリーキャッシュフロー

フリーキャッシュフロー(FCF)とは、会社が事業活動で稼いだお金のうち、自由(フリー)に使える現金(キャッシュ)がどれだけあるかを示すものです。

フリーキャッシュフローの3つのポイント

  • フリーキャッシュフロー(FCF)とは、会社が事業活動で稼いだお金のうち、自由(フリー)に使える現金(キャッシュ)がどれだけあるかを示すものである。
  • フリーキャッシュフローは一般的に、営業キャッシュフローから投資キャッシュフローを差し引いて求める。
  • フリーキャッシュフローが多い会社ほど経営状態が良好だと判断され、フリーキャッシュフローがマイナスの会社は資金調達の必要があると判断される。

フリーキャッシュフローの求め方

フリーキャッシュフローは様々な算出方法があります。一般的な方法は、営業キャッシュフロー(営業活動により獲得したキャッシュフロー)から投資キャッシュフロー(現事業維持のために必要なキャッシュフロー)を差し引く方法です。

フリーキャッシュフロー = 営業キャッシュフロー - 投資キャッシュフロー

フリーキャッシュフローから何が分かる?

自由に使えるフリーキャッシュフローがあってはじめて、会社は借入金の返済や株主への配当、事業拡大のための投資が可能になります。そのため、フリーキャッシュフローが多い会社ほど経営状態が良好だと判断されます。

フリーキャッシュフローがプラスの会社

フリーキャッシュフローがプラスの会社は自前の資金に余裕があるため、銀行融資に頼らず、より機動的に投資ができます。また、フリーキャッシュフローを使って借入金を返済すれば、自己資本比率が高まり、財務の健全性を向上させることができます。

フリーキャッシュフローがマイナスの会社

逆に、フリーキャッシュフローがマイナスの会社は、自由に使える資金がないため、会社を維持していくためには金融機関からの借入や資産の売却など、資金調達の必要があると判断されます。

積極的に投資するとフリーキャッシュフローがマイナスに?

ある年のフリーキャッシュフローがマイナスだったからといって、一概に将来性がないという分析はできません。会社では、成長のために多額の投資をすることがあります。そうなると、ある年だけフリーキャッシュフローがマイナスになることがあるからです。ベンチャー企業などでは、事業拡大のために積極的な投資をしているためにフリーキャッシュフローがマイナスになることもありますが、このような投資は将来的な収益拡大につながる可能性は十分にあります。

数年分のフリーキャッシュフローで分析すること

会社の経営状態を見極めるには、単年でキャッシュフロー計算書を見るのではなく数年分を見渡す必要があります。また、フリーキャッシュフローの数値だけを見るのではなく、フリーキャッシュフローの使い道や中長期の経営戦略なども踏まえて、総合的に判断するようにしましょう。

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この記事の監修者

牛崎 遼 株式会社フリーウェイジャパン 取締役

2007年に同社に入社。財務・経理部門からスタートし、経営企画室、新規事業開発などを担当。2017年より、会計などに関する幅広い情報を発信する「会計ブログ」の運営責任者を継続している。これまでに自身で執筆または監修した記事は300本以上。

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