税効果会計の「一時差異」と「永久差異」

税効果会計

税効果会計とは、会計上の利益と税務上の所得が一致しないことから生じる差額(差異)を、合理的に期間配分するための会計上の処理です。法人税等は、課税所得に税率を乗じて算出しますが、会計上の利益(税引前の当期純利益)と税務上の所得は異なるため、実際に納付する法人税等の額と、税引前当期純利益に税率を乗じた額に差が生まれます。この差額を調整するのが法人税等調整額であり、法人税等調整額を加減算して会計的に首尾一貫した数値になるようにする処理が税効果会計、というわけです。※2018年3月12日に更新

税効果会計を義務づけられる会社

税効果会計は、上場会社と会計監査人を設置している非上場会社に義務づけられています。非上場の中小企業は税効果会計を適用する義務はありませんが、適用するかしないかを選択できます。

税効果会計の対象となる差異

企業会計と税務会計のズレは「一時差異」と「永久差異」の2つがありますが、税効果会計の対象となるのは一時差異のみです。

一時差異とは?

一時差異とは、企業会計と税務会計の認識時期のズレによって生まれる差異です。収益と益金、費用と損金の範囲・考え方は同じであるものの、認識・計上のタイミングが異なることによって生じる差異で、いずれ解消する差異です。解消するときに課税所得からマイナスされる一時差異を「将来減算一時差異」、反対にプラスされる一時差異を「将来加算一時差異」と呼びます。

将来減算一時差異の例

  • 減価償却超過額
  • 貸倒引当金繰入超過額
  • 繰越欠損金

将来加算一時差異の例

  • 資産評価益否認
  • 法人税の未収計上額
  • 住民税の未収計上額

永久差異とは?

永久差異とは、企業会計と税務会計の考え方自体が異なることによって生まれる差異です。収益と益金、費用と損金について範囲・考え方が異なるために生まれる差異であり、永遠に解消しない差異です。永久差異はそもそも調整のしようがなく、税効果会計の対象にもなりません。永久差異の例は、以下のとおりです。

  • 交際費等の損金算入限度超過額
  • 寄付金の損金不算入額
  • 損金経理延滞税等
  • 受取配当金の益金不算入額

税効果会計の方法

会計上の利益によって計算した税金と実際の税金との差額を貸借対照表に「繰延税金資産」「繰延税金負債」として計上し、損益計算書に「法人税等調整額」として計上します。これにより、会計上の利益に相当する税金負担を適切に期間配分します。

まとめ

  • 税効果会計とは、会計上の利益と税務上の所得が一致しないことから生じる差額を、合理的に期間配分するための会計上の処理である。
  • 税効果会計の適用は、上場会社と会計監査人を設置している非上場会社に義務づけられている。
  • 企業会計と税務会計のズレは、「一時差異」と「永久差異」の2つがあるが、税効果会計の対象となるのは一時差異のみである。

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