法人税等とは何か~含まれるもの、申告、仕訳~

更新日:2020年11月05日

法人税等

法人税等とは、会社の利益に応じて課税される法人税、法人住民税、法人事業税のことで、当期の決算で会社が負担すべき税金を処理する勘定科目です。なお、法人税等は、損益計算書の表示科目である「法人税、住民税及び事業税」の略称でもあります。

法人税等に含まれるもの

法人税等、というほどですから、法人税等には様々な税金が含まれています。具体的には以下のとおりです。

法人税(法人所得税)

法人税は、会社の所得に対して課税される税金(国税)です。法人税の税率は法人の種類や資本金、所得金額により異なります。たとえば、資本金1億円超の普通法人の場合、平成27年4月1日より所得金額の23.9%となっています。

法人住民税

法人住民税は、法人の事業所がある地方自治体に納付する税金(地方税)です。法人住民税は、法人税額に住民税率を乗じて計算する「法人税割」と、資本金などの額に応じて課税される「均等割」の2つの合計になります。

法人事業税

法人事業税は、所得に対して課税される「所得割」が基本となる税金(地方税)です。資本金1億円超の法人の場合は、付加価値を課税標準とする「付加価値割」、資本等の金額を課税標準とする「資本割」も加わります。このうち、法人税等に含まれるのは所得割のみで、付加価値割と資本割は原則として販売費および一般管理費に計上します。

法人税等の申告

会社は一般的に、一会計年度の法人税等を「中間申告納付」と「確定申告納付」の年2回に分けて納付します。

中間申告納付

会社が納付すべき法人税等の金額は、1年間の営業活動で得た利益の額によって決まりますが、利益の額は決算が終了しなければ確定しません。そのため、中間申告納付の際は利益が分からない状態で納税することになります。中間申告納付の方法は、前期の法人税等の金額を基にした「予定申告」と、「仮決算による中間申告」があります。中間申告納付の金額は、「仮払法人税等」という勘定科目で処理します。例えば、予定申告または中間申告で100万円を納付した場合は、以下のような仕訳をします。

借方 貸方
仮払法人税等 1,000,000円 預金 1,000,000円

確定申告納付

決算が終われば当期の利益が確定するため、利益を基にして正確な法人税等の金額を求めます。法人税等の金額が確定したら、「仮払法人税等」の金額を「法人税等」という勘定科目に振り替え、追加納付する金額を「未払法人税等」という勘定科目で計上します。例えば、確定申告で確定した法人税等の金額が150万円で、予定申告または中間申告で100万円を納付済の場合、以下のような仕訳をします。

借方 貸方
法人税等 1,000,000円 仮払法人税等 1,000,000円
法人税等 500,000円 未払法人税等 500,000円

まとめ

  • 法人税等とは、会社の利益に応じて課税される法人税、法人住民税、法人事業税のことで、当期の決算で会社が負担すべき税金を処理する勘定科目である。
  • 法人事業税は「所得割」「付加価値割」「資本割」からなるが、法人税等に含まれるのは所得割のみである。
  • 会社は一般的に、一会計年度の法人税等を「中間申告納付」と「確定申告納付」の年2回に分けて納付する。

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この記事の監修者

牛崎 遼 株式会社フリーウェイジャパン 取締役

2007年に同社に入社。財務・経理部門からスタートし、経営企画室、新規事業開発などを担当。2017年より、会計などに関する幅広い情報を発信する「会計ブログ」の運営責任者を継続している。これまでに自身で執筆または監修した記事は300本以上。

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