手形割引の仕訳

今回は、手形割引について。手形は、記載された期日になるまでは、支払いを受けられません。しかし、取立銀行または手形割引業者に一定の手数料を支払うことで、期日前に手形を現金化できます。これを「手形の割引」といい、このときの手数料を「割引料」といいます。なお、割引料の金額は金融機関や業者によって異なります。※2017年8月7日に更新

手形割引の流れ

手形割引の流れを大まかに説明すると、以下のとおりです。

  1. 商品の売り先から、手形を振り出される
  2. 取立銀行や手形割引業者に手形割引を依頼し、審査される
  3. 割引料を差し引かれた現金が入金される

そして、取立銀行や手形割引業者は、期日に支払い銀行で手形を決済して現金を手にします。

手形割引が必要になるのは資金繰りのため

期日まで待てば満額を受け取れるのに、どうして手形割引が必要になるのでしょうか。それは、ずばり資金繰りのためです。目前で必要な資金が不足していたり、不足する懸念があるために、割引料を差し引かれても手形を割引いて、早期に現金化します。

手形割引の手数料は融資の金利のようなもの

手形を割引くとは、受取手形を取立銀行や手形割引業者に買い取ってもらうことを意味します。そして、割引料を差し引かれた金額を受け取ることになるわけです。取立銀行や手形割引業者からすれば、手形を担保にして融資したようなもの。そのため、金利のように手数料(割引料)が発生することになります。

手形割引の仕訳

前述のとおり、手形の割引をする場合、「満期日に所定の金額を受け取る権利」を取立銀行や手形割引業者に買い取ってもらうことになります。手形割引の仕訳は以下のとおりです。

例)売上代金10,000円を手形で受け取って、その手形を割引き、300円の手数料を支払った場合

手形を受け取ったときの仕訳

借方 貸方
受取手形 10,000円 売上 10,000円

手形を割引いたときの仕訳

借方 貸方
当座預金 9,700円 受取手形 10,000円
手形売却損 300円

手形を決済することで資産が減少するため、貸方に受取手形を記入します。手形の割引にかかった手数料は、借方に「手形売却損」という勘定科目を記入します。そして、口座に入金があるため借方に当座預金を記入します。※手形の割引で利益は出ないため、「手形売却益」という科目は存在しません。

まとめ

今回は、手形割引の仕訳について紹介しました。受取手形を満期日が来る前に決済すると、早くお金を受け取れる分、額面の金額よりも実際の受取額が減ります。減った金額分は、受取手形を買い取って決済した取立銀行や手形割引業者の手数料(売上)です。その他、手形の仕訳で押さえたいのが「裏書き」。くわしくは、関連記事にて。

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