手形の裏書き(譲渡)とは~振り出したとき、受け取ったときの仕訳~

更新日:2024年02月18日

手形を裏書き(譲渡)する仕訳
今回は、「手形の裏書(うらがき)」について。手形を受け取った人は、受け取りの期日前に、商品代金の支払いなどで手形を第三者に譲り渡すことができます。このとき、手形の所持者が手形の裏面に必要事項を記載することから、手形を譲渡することを「手形の裏書き(裏書譲渡)」といいます。仕訳で使う勘定科目は、主に「受取手形」と「支払手形」です。

手形の裏書きの仕訳

手形の裏書譲渡は、言い換えると「満期日に所定の金額を受け取る権利」を譲渡するということです。

手形の裏書で譲渡するときの仕訳

例)A社から受け取った10,000円の約束手形を、B社への仕入の支払いとして裏書譲渡する場合

借方 貸方
仕入 10,000円 受取手形 10,000円

裏書譲渡をした場合、資産が減少すると考え、貸方に受取手形勘定を記入します。

手形の裏書で受け取ったときの仕訳

例)販売した商品代金を、裏書譲渡による約束手形で支払われた場合

借方 貸方
受取手形 10,000円 売上 10,000円

別の所持者から手形を受け取ることは、「満期日に所定の金額を受け取る権利」を譲り受けるということ。裏書譲渡を受けた場合は、資産が増加すると考え、貸方に受取手形勘定を記入します。

自己振出約束手形の仕訳

商品を販売した際に受け取った手形を確認したら、以前に自分のところで振り出した手形だった……ということが、まれに発生します。これを「自己振出約束手形」といいます。

例)10,000円の商品を仕入れ、約束手形を振り出して支払った。その後、その手形を売上代金の支払いとして受け取った(自己振出約束手形を受け取った)。

約束手形を振り出したときの仕訳

借方 貸方
仕入 10,000円 支払手形 10,000円

自己振出約束手形を受け取ったときの仕訳

借方 貸方
支払手形 10,000円 売上 10,000円

期日までにお金を支払う義務がなくなり、手形を振り出したときに増えた手形債務(負債)が減ることになるため、貸方に支払手形勘定を記入します。

手形の譲渡(裏書譲渡)まとめ

今回は、手形の裏書譲渡の仕訳について紹介しました。多くのケースでは、得意先から受け取った手形を、別の得意先との決済に使うパターンです。まれに、自分が振り出した支払手形が、ブーメランのように戻ってくることもあります(「自己振出約束手形」)。あと1つ、手形の仕訳で押さえておきたいのは「手形割引」の仕訳です。以下の参考記事も読んでみてください。

参考)手形割引とは

この記事の監修者

牛崎 遼 株式会社フリーウェイジャパン 取締役

2007年に同社に入社。財務・経理部門からスタートし、経営企画室、新規事業開発などを担当。2017年より、会計などに関する幅広い情報を発信する「会計ブログ」の運営責任者を継続している。これまでに自身で執筆または監修した記事は300本以上。

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