キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書とは、会社の一定の会計期間において、どれだけの現金が流入し(キャッシュインフロー)、どれだけの現金が流出していったか(キャッシュアウトフロー)という状況を示す決算書(財務諸表)です。「C/F」と略されることもあります。キャッシュフロー計算書を見れば、会社のキャッシュの増減やその原因を把握できます。※2017年10月2日に更新

なぜ、キャッシュフロー計算書が必要なのか?

キャッシュフロー計算書は、貸借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)と並ぶ財務三表の一つです。貸借対照表は、会社が資金をどこから調達して、どのように運用しているかを示すもの。損益計算書は、収入と支出の差額から会社が1年でどれだけ儲けたかを示すもの。一方、キャッシュフロー計算書は、貸借対照表や損益計算書からは直接読み取れない「お金の流れ」を示します。

会社は、日常的に売掛金・買掛金での取引しているため、商品・サービスの提供とその代金回収には時間差が生じます。この入金のズレによって、黒字なのに資金不足の状態に陥ったり、黒字倒産を起こしたりすることがあります。このようなリスクを読み取るために生まれたのが、キャッシュフロー計算書です。

キャッシュフロー計算書の作成義務

キャッシュフロー計算書は、2000年3月期より、株式を公開している上場会社等において作成・開示が義務付けられました。株式を公開していない会社は、キャッシュフロー計算書の作成義務はありません。

キャッシュフローは3種類

キャッシュフロー計算書は、「営業キャッシュフロー」「投資キャッシュフロー」「財務キャッシュフロー」の3つに分類されます。

  • 営業活動によるキャッシュフロー

    営業活動によるキャッシュフローとは、営業活動によるお金の流れを示すもの。商品の販売やサービスの提供など、会社が営業活動から得たキャッシュの流れは、営業キャッシュフローで表されます。

  • 投資活動によるキャッシュフロー

    投資活動によるキャッシュフローとは、投資活動によるお金の流れを示すもの。設備投資や固定資産の取得・売却によるお金の増減は、投資キャッシュフローで表されます。

  • 財務活動によるキャッシュフロー

    財務活動によるキャッシュフローとは、財務活動によるお金の流れ・増減を示すもの。会社がどのように資金調達(借入)をして、どのように返済したかは、財務キャッシュフローで表されます。

直接法と間接法

キャッシュフロー計算書の作成方法は、直接法と間接法の2種類あります。両者の違いは、営業活度によるキャッシュフローの計算方法です。財務活動、投資活動によるキャッシュフローの計算方法は同じです。ちなみに、多くの会社で採用されているのは、手間の少ない間接法です。

  • 直接法

    直接法は、キャッシュフローの収入と支出を取引ごとに集計する方法です。たとえば、現金で売上を計上したら「営業収入」、同じく現金で仕入れたら「原材料または商品の仕入支出」、人件費を現金で支払えば「人件費支出」として集計します。直接法でキャッシュフロー計算書を作ると、間接法に比べると集計作業に手間が発生しますが、営業活動によるキャッシュフローが増減した原因が詳しく分かります。

  • 間接法

    間接法は、まず税引前当期純利益を計算して、キャッシュフローが増減しない収益や費用(非資金損益)を足したり引いたりするなどして、営業活動によるキャッシュフローを計算する方法です。直接法に比べると計算が簡単なため、多くの会社では間接法でキャッシュフロー計算書を作っています。

非資金損益とは

非資金損益とは、キャッシュフローを増減させない損益のことです。非損益費用と非損益収益に分かれます。いずれも、間接法でキャッシュフロー計算書を作る場合に、税引前当期純利益から非資金損益を足し引きして、営業活動によるキャッシュフローを計算します。

  • 非損益費用

    非損益費用は、税引前当期純利益に足します。非損益費用といえば、減価償却費と各種の引当金(例:貸倒引当金)です。減価償却費は、固定資産を取得したときに資産計上し、その後に償却していくときの費用です。固定資産の取得時にキャッシュフローが減少していますので、減価償却費を計上してもキャッシュフローは減りません。引当金でよく使われる貸倒引当金は、貸倒損失のリスクにそなえて「貸倒引当金繰入」として費用計上します。引当金という名前ですが、キャッシュフローは減りません。このように、キャッシュフローを減少させない費用は、税引前当期純利益に加算することになります。

  • 非損益収益

    非損益収益は、税引前当期純利益から引きます。非損益収益といえば、売上債権(売掛金受取手形)の増加額です。掛取引で売上を計上した場合、代金を回収するまではキャッシュフローは増えません。売上が増えれば利益も増えますが、未回収の売上債権が増えても、キャッシュフローは増えていないのです。このように、キャッシュフローを増加させない収益は、税引前当期純利益から差し引きます。

まとめ

  • キャッシュフロー計算書は、会社の一定の会計期間におけるキャッシュの増減を示す財務諸表である。資金の流れを正確に把握することで、黒字倒産を防ぐなどの役割がある。
  • キャッシュフローは、営業活動、投資活動、財務活動に区分して表示される。
  • キャッシュフロー計算書を作る方法は、直接法と間接法がある。間接法の方が手間が少ないが、営業活動によるキャッシュフローが増減した原因を詳しく知りたいなら直接法が向いている。

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