小口現金とは?その仕組みと管理方法について

更新日:2018年10月12日

小口現金

今回は、小口現金の仕組みと、小口現金を管理するときの仕訳を紹介します。会社やお店では、文房具や切手、電車代など、小さな出費が毎日あります。このような出費をすべて細かく経理が仕訳をしていると大変です。そういう出費を管理するために用意しておく現金を「小口現金」といいます。仕訳で使う勘定科目も「小口現金」です。現金と名のつくとおり、貸借対照表資産に含まれます。

定額資金前渡制度(インプレストシステム)

「定額資金前渡制度」は、小口現金の処理で一般的に採用される仕組みです。この制度では、一定期間分のまとまった金額を担当者(小口現金係)に渡しておき、日々の支払いにそのお金を使います。小口現金係は、支払った内容を、「小口現金出納帳」という帳簿に勘定科目ごとに集計し、経理担当者へ報告します。経理担当者は、その報告をもとに仕訳を記入、使われた分を小口現金に補充するだけです、小口現金係を置かない場合は、経理担当者が小口現金を管理します。

小口現金を管理するときの仕訳

小口現金の前渡し、小口現金出納帳での集計結果、小口現金の差額補充それぞれを仕訳します。

小口現金を前渡しする仕訳

例)当座預金から現金50,000円を引き出して小口現金とした場合

借方 貸方
小口現金 50,000円 当座預金 50,000円

小口現金係からの報告を記入する仕訳

例)支払い報告の内容が、交通費5,000円、通信費8,000円、消耗品費2,500円、光熱費4,500円だった場合

借方 貸方
交通費 5,000円 小口現金 23,000円
通信費 8,000円
消耗品費 2,500円
光熱費 4,500円
雑費 3,000円

小口現金係からの報告をもとに、支払った各科目の金額を借方に仕訳し、貸方に小口現金を仕訳します。

小口現金を補充する仕訳

例)一定期間内で使用した23,000円を同額分、小口現金として補充する場合

借方 貸方
小口現金 23,000円 当座預金 23,000円

小口現金係からの報告と小口現金の補充を1つにまとめる仕訳

上記の仕訳は、小口現金を相殺して、ひとつの仕訳にできます。

借方 貸方
交通費 5,000円 当座預金 23,000円
通信費 8,000円
消耗品費 2,500円
光熱費 4,500円
雑費 3,000円

小口現金で使う勘定科目

小口現金出納帳に記帳する勘定科目は、一般的に以下の5つ。それぞれに該当する費用を紹介しますので、参考にしてください。

勘定科目 内容
交通費 電車賃、バス賃、タクシー代など
通信費 切手代、ハガキ代、電話料金、インターネット料金など
消耗品費 文房具、コピー用紙、事務用品、封筒など
光熱費 電気代、水道代、ガス代
雑費 上記以外の費用

小口現金まとめ

今回は、小さな金額の経費処理に便利な「小口現金」について解説しました。小口現金の処理でよく用いられる定額資金前渡制度では、一定期間ごとに使った金額と同額を補充します。そのため、週初、月初などには常に同じ金額を小口現金として用意しておきましょう。

この記事の監修者

牛崎 遼 株式会社フリーウェイジャパン 取締役

2007年に同社に入社。財務・経理部門からスタートし、経営企画室、新規事業開発などを担当。2017年より、会計などに関する幅広い情報を発信する「会計ブログ」の運営責任者を継続している。これまでに自身で執筆または監修した記事は300本以上。

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